身近な気候変動の影響を来場者が感じ、行動を起こす機会につなげようと、30年後に日本から失われてしまう可能性の生物や文化をテーマに、ぬいぐるみ作家・片岡メリヤス氏、八劔神社(長野県諏訪市)・宮坂清宮司、料理研究家・土井善晴氏ら多くの作家や文化人と協力し、日本に迫る気候危機を五感で「感じられる」作品を展示します。また、青森展オリジナル企画として、「青森の暮らしと気候変動」をテーマにしたトークイベントを、10月6日(日)14:00から、弘前れんが倉庫美術館・スタジオBで開催いたします。

イベント概要

日時
2024年10月4日(金) 09:00 〜 10月6日(日) 17:00
4日(金)、5日(土)は21:00まで開館
場所
弘前れんが倉庫美術館 市民ギャラリー
参加費
無料

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)は、10月4日(金)〜6日(日)の3日間、青森県弘前市の弘前れんが倉庫美術館 市民ギャラリー・スタジオで、日本における気候変動の影響をアートで感じる展覧会「HELP展〜30年後には消えてしまうかもしれない In AOMORI〜」を開催します。

本展は、昨年11月に東京・青山で開催された「HELP展(注1)」の巡回展で、8月に開催した滋賀展(注2)に続き、2カ所目の開催となります。身近な気候変動の影響を来場者が感じ、行動を起こす機会につなげようと、30年後に日本から失われてしまう可能性の生物や文化をテーマに、ぬいぐるみ作家・片岡メリヤス氏、八劔神社(長野県諏訪市)・宮坂清宮司、料理研究家・土井善晴氏ら多くの作家や文化人と協力し、日本に迫る気候危機を五感で「感じられる」作品を展示します。また、青森展オリジナル企画として、「青森の暮らしと気候変動」をテーマにしたトークイベントや、青森県藤崎町が主催する「アップルクリエイティブアワード2024」と連携したアート作品の募集を行います。

<概要>

主催:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

企画:クリエイティブユニットHAKUA

会期:2024年10月4日(金)- 10月6日(日)

   9:00~17:00(金曜日・土曜日は21:00まで開館)

会場: 弘前れんが倉庫美術館 市民ギャラリー・スタジオ

           (青森県弘前市吉野町2-1

入場料:無料

公式サイト:https://help-ex.jp/

公式インスタグラム:https://www.instagram.com/help_gpj/

<展示内容・イベント>

1.動物からのHELP本作品では、絶滅の危機に瀕している動物たちの姿を片岡メリヤス氏が本展示会のために制作したぬいぐるみを通して紹介します。展示するぬいぐるみは購入可能で、会場で申し込みが可能です。(申込み多数の場合は10月中旬頃に抽選)
コラボアーティスト:ぬいぐるみ作家 片岡メリヤス 氏

2. 寿司からのHELP

気候変動の影響による海水温の上昇や海洋酸性化などにより食べられなくなるお寿司ネタが増えると予想され、より詳しい調査が求められています。本作品では、無くなる可能性に応じて透明度を変化させ、樹脂オブジェの寿司として展示されます。

コラボアーティスト:クリエイティブユニット HAKUA

3. 諏訪湖 御渡りからのHELP

諏訪湖(長野県諏訪市)が全面結氷すると南の岸から北の岸へかけて氷が裂け、高さ30センチから1.8メートル位の氷の山脈ができる自然現象「御渡り(御神渡り)」。諏訪市の無形民俗文化財にも指定されていますが、近年では出現が少なくなっています。本展では、御渡りの出現を判定する八劔神社宮司・宮坂清氏の言葉と、1683年から脈々と綴られた御渡りの記録を元に制作した11分のショートフィルムを上映します。なお、本作品は2024年2月にバンコクで開催された国際映画祭のドキュメンタリー部門で最高賞を受賞しました。(注4)

出演:八劔(やつるぎ)神社宮司 宮坂 清 氏

4. 昆布からのHELP

昆布は出汁として古くから親しまれ、日本の食文化を育んできました。また、昆布などによって形成される藻場は、たくさんの生き物の生育場でもあります。その昆布が気候変動の影響でなくなることは、日本の食文化、さらには日本人の精神性にまで影響を与えるのではないか?そんな疑問を料理研究家の土井善晴氏に伺いました。
出演:料理研究家 土井 善晴 氏

○ 青森県藤崎町・アップルクリエイティブアワードとの連携

世界シェアNo.1を誇るりんご「ふじ」発祥の地、青森県藤崎町が主催するアートコンペ「アップルクリエイティブアワード」(注3)と協賛し、同アワード内で「HELP賞」を特別に設置。アップルクリエイティブアワード2024の「りんごを一番に届けたい想い」と、HELP展の「気候変動とアート」、2つのコンセプトに沿った作品を募集します。

○ トークイベント

日時:2024年10月6日(日)14:00 – 15:30

場所:弘前れんが倉庫美術館 スタジオB

トークテーマ:青森の暮らしと気候変動

登壇者:公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)・藤野純一氏、エフエム青森アナウンサー・中里玲奈氏、りんご農家「トキあっぷる社」代表・土岐彰寿氏、HELP展クリエイティブディレクター・宮園夕加氏

定員:先着30名(無料)

<参加アーティスト・出演者>
片岡メリヤス(ぬいぐるみ作家)

2011年から活動を開始。ぬいぐるみ作品を中心に、動くおもちゃ、光るおもちゃなど、飾るだけではなく遊べて愛のあるぬいぐるみを制作する。また自ら脚本出演も行うオリジナルの人形劇を各地で上演しているほか、漫画やドローイング、木工・粘土など様々な作品を手がける。ぬいぐるみ・人形劇共に、異ジャンルのアーティストとのコラボレーションや、広告への作品提供など幅広く活動中。

宮坂 清(八劔神社宮司)

1950年、長野県諏訪市生まれ。國學院大学卒業後、京都・伏見稲荷大社、諏訪大社、手長神社を得て、2020年より現職。趣味は古文書を読むことと篠笛。教誨師を務めている。

土井 善晴(料理研究家)

十文字学園女子大学招聘教授、東京大学先端研客員研究員

スイス・フランスでフランス料理、大阪味吉兆で日本料理を修行。土井勝料理学校教授として勤務後おいしいもの研究所を設立し独立。人が生きていく上で最も大切な食事として「食事学」「料理学」を広く指導、和食の観念から「一汁一菜」を提唱している。NHK『きょうの料理』ギネス記録料理番組を1987年より講師継続。2022年度文化庁長官表彰受賞(功績概要「日常の食事は、ご飯と具だくさんの味噌汁で充分」との提案により、多忙な現代人であっても気軽に日本の食文化の豊かさや楽しみに触れられるきっかけを作ったこと及び国外での交流活動等を通じて、我が国の食文化の振興・発信に多大な貢献をした)。

<ディレクション>

HAKUA(Creative Direction・Produce)

2021年、京都・白亜荘を拠点に活動するクリエイター5人によって結成されたクリエイティブユニット。手法にとらわれることなく、アートとテクノロジーの境界を右往左往しながら、これまでにない体験を作り上げようと日々模索している。

HELP展 クリエイティブディレクター:宮園夕加

公式サイト:https://ha9a.com/

(注1)「HELP展〜30年後には消えてしまうかもしれない〜」レポート(2023年11月29日公開)

(注2)「HELP展〜30年後には消えてしまうかもしれない In SHIGA〜」レポート(2024年8月26日公開)

(注3)日本で唯一リンゴ栽培を専門的に学ぶ「りんご科」のあった学校をリノベーションし、りんごで遊べる施設として青森県藤崎町が開業した「リンゴカ・ミュージアム」が設けたアートコンペで、2023年から同ミュージアムに展示するアート作品を募集している(注4)グリーンピース・ジャパン プレスリリース「諏訪湖の神事と気候変動描く映像作品『御渡り』 タイの国際映画祭でドキュメンタリー部門審査員大賞を受賞」(2024年2月18日発表)