本文へ移動

グリーンピース・ジャパンの投稿

グリーンピース・ジャパンによる投稿は、以下の一覧からご覧いただけます。

2996件の投稿

  • クロマグロの産卵期に境港を訪れる

    [特別寄稿:釣り人 茂木陽一] …

  • パブコメだそう!美浜3号とめるため。グリーンピースも出しました。

     こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。(パブコメの提出方法はブログの下部にあります!) 8月3日、原子力規制委員会は、関西電力美浜原発3号機の新規制基準の適合審査書案を了承し、8月4日からパブリックコメントを開始しました。<8月25日追記>グリーンピースも出しました。記事の末尾を御覧ください。適合審査書案の了承は再稼働のための「事実上の合格証」とされています。けれど、わたしは、原子力規制委員会は「規制者として不合格」と言いたいです。なぜならば、安全を再優先しての審査になっていないからです。自ら認める「能力不足」田中俊一原子力規制委員長は、7月20日の記者会見で「5人だけの委員ですから、それで全ての分野を全部、そういう細かいところまでカバーするというのは、はっきり申し上げて、ああいう細かい話になると、十分に理解するというわけにはいかないというところはありますので、そういうことを申されるのであれば、能力不足だったということです」と言っています。くわしくはこちらこれは、関西電力大飯原発の地震の最大の揺れの想定が過小評価されているという島崎前原子力規制委員長代理の指摘を巡る対応について、語ったものです。能力不足であれば、外部から能力を補うなりして十分に理解して、そして審査をすすめるべきではないでしょうか。「ああいう細かい話」といいますが、最大の揺れの想定は、それがいいかげんであれば、動かすべきでない原発を動かしたり、対策が不十分のまま再稼働して過酷事故につながる可能性だってあるのです。ここで、島崎前原子力規制委員長代理の指摘をかいつまんでご説明したいと思います!「最大の揺れ、過小評価」 (イラスト・高木章次さん)地震の揺れの想定にはいくつかの計算方法があるのですが、大飯原発で採用されている「入倉・三宅式」を使うと過小評価となるというもの。そのため、島崎さんは、「武村式」で再計算してほしいと原子力規制委員会に伝えました。これを受けて、原子力規制庁が再計算をしました。そうしたら、なんと関西電力の計算した値よりも、小さくなってしまいました。(下図の左から2本目のグラフ参照) (この図は、FoEの満田さんの図をもとに作成しました) 関西電力の値関電が、入倉・三宅式を使って計算した最大の揺れが、596ガルでした(ガルは、揺れの大きさを加速度で示したもの)。それに、地震パターンが違うともうちょっと大きくなるかもしれない…ということなども考える「不確かさの考慮」も入れて、856ガルを最大の揺れと想定しています。(図の一番左のグラフ)この揺れまでなら、原発は耐えられる、という値です。規制庁の値今回、島崎さんの警告を受けて、規制庁は武村式を使って再計算しました。(図の左から二番目のグラフ)武村式を使っても644ガル。計算方法は違うけれど関電が最大の揺れとして想定した856ガルを下回るので、問題なし、と結論づけました。また、規制庁は、今回、入倉・三宅式を使っての計算もしたのですが、関電の値より小さくなりました。(図の左から三番目のグラフ)関電の値を元にした武村式での推定値この計算結果を見た島崎さんは、規制庁の入倉・三宅式の値と武村式の値が1.8倍であることを指摘しました。そして、関電の入倉・三宅式の値を1.8倍すると、1080ガルとなって、関電の想定を上回る、と警告しました。これに不確かさの考慮も入れると、もっと大きくなります(図の一番右のグラフ)。しかし、これらを指摘されても、原子力規制委員会は、「入倉・三宅式を使わないことにする根拠はない」として、最大の揺れの想定を見直す必要なしと結論を出してしまいました。 関電の計算の詳細がわからない?規制庁なぜ、規制庁の入倉・三宅式の計算結果が、関電が算出した596ガルより大幅に下回ったのか。規制庁は関電の設定の詳細がわからなかったと言っています。しかし、それでは、わからないものを承認したことになります。それでもやり直さない規制委員会そして、原子力規制委員会は、「能力不足」で、「もともとムリなことをやらせた」と認めながら、正しく再計算することもせずに、「見直す必要なし」と結論を出してしまいました。規制者としてあるまじきことです。原子力規制庁がムリであれば、外部の専門家に依頼して再計算してもらうこともできるはずです。 美浜原発3号機も過小評価この問題は、大飯原発だけの問題ではありません。たとえば、美浜原発の場合、武村式を使って計算し直すと、現在の想定の約2倍の大きさになります。つまり、原発はその揺れに耐えることができません。それなのに、8月3日、原子力規制委員会は、この問題を検討することもなく、美浜原発3号機は新規制基準に適合する、としてしまいました。美浜原発3号機は、今年の12月で運転期間40年となる老朽原発。やはり老朽原発だった東京電力福島原発の事故の反省から、「原発は40年で廃炉」という原則が法律になったのに、関西電力は”原子力規制委員会が認めれば、1回に限り、20年の運転延長ができる”という例外規定を使って、延長運転を申請しています。美浜原発3号機は、法律により、今年の11月の期限までに延長が認可されなければ廃炉になることが決まっています。新規制基準への適合は、延長認可の前提です。延長認可の期限まで、あと、3カ月と少し。だから、少しでも時間のかかる今回のような「見直し」は避けたかった、というのが真相ではないでしょうか。 原発は危険ですが、老朽化するともっと危険です。そもそも設計が古い(1970年代の設計)金属やコンクリートが劣化して壊れやすくなる検査できるのは一部分(人間が入れないところ、見れないところあり)そんなわけもあり、世界で閉鎖した原発の平均寿命は24.7年です(くわしくはこちらのブログで)。パブコメだそう…

  • パブコメだそう!美浜3号とめるため。グリーンピースも出しました。

     こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。(パブコメの提出方法はブログの下部にあります!) 8月3日、原子力規制委員会は、関西電力美浜原発3号機の新規制基準の適合審査書案を了承し、8月4日からパブリックコメントを開始しました。<8月25日追記>グリーンピースも出しました。記事の末尾を御覧ください。適合審査書案の了承は再稼働のための「事実上の合格証」とされています。けれど、わたしは、原子力規制委員会は「規制者として不合格」と言いたいです。なぜならば、安全を再優先しての審査になっていないからです。自ら認める「能力不足」田中俊一原子力規制委員長は、7月20日の記者会見で「5人だけの委員ですから、それで全ての分野を全部、そういう細かいところまでカバーするというのは、はっきり申し上げて、ああいう細かい話になると、十分に理解するというわけにはいかないというところはありますので、そういうことを申されるのであれば、能力不足だったということです」と言っています。くわしくはこちらこれは、関西電力大飯原発の地震の最大の揺れの想定が過小評価されているという島崎前原子力規制委員長代理の指摘を巡る対応について、語ったものです。能力不足であれば、外部から能力を補うなりして十分に理解して、そして審査をすすめるべきではないでしょうか。「ああいう細かい話」といいますが、最大の揺れの想定は、それがいいかげんであれば、動かすべきでない原発を動かしたり、対策が不十分のまま再稼働して過酷事故につながる可能性だってあるのです。ここで、島崎前原子力規制委員長代理の指摘をかいつまんでご説明したいと思います!「最大の揺れ、過小評価」 (イラスト・高木章次さん)地震の揺れの想定にはいくつかの計算方法があるのですが、大飯原発で採用されている「入倉・三宅式」を使うと過小評価となるというもの。そのため、島崎さんは、「武村式」で再計算してほしいと原子力規制委員会に伝えました。これを受けて、原子力規制庁が再計算をしました。そうしたら、なんと関西電力の計算した値よりも、小さくなってしまいました。(下図の左から2本目のグラフ参照) (この図は、FoEの満田さんの図をもとに作成しました) 関西電力の値関電が、入倉・三宅式を使って計算した最大の揺れが、596ガルでした(ガルは、揺れの大きさを加速度で示したもの)。それに、地震パターンが違うともうちょっと大きくなるかもしれない…ということなども考える「不確かさの考慮」も入れて、856ガルを最大の揺れと想定しています。(図の一番左のグラフ)この揺れまでなら、原発は耐えられる、という値です。規制庁の値今回、島崎さんの警告を受けて、規制庁は武村式を使って再計算しました。(図の左から二番目のグラフ)武村式を使っても644ガル。計算方法は違うけれど関電が最大の揺れとして想定した856ガルを下回るので、問題なし、と結論づけました。また、規制庁は、今回、入倉・三宅式を使っての計算もしたのですが、関電の値より小さくなりました。(図の左から三番目のグラフ)関電の値を元にした武村式での推定値この計算結果を見た島崎さんは、規制庁の入倉・三宅式の値と武村式の値が1.8倍であることを指摘しました。そして、関電の入倉・三宅式の値を1.8倍すると、1080ガルとなって、関電の想定を上回る、と警告しました。これに不確かさの考慮も入れると、もっと大きくなります(図の一番右のグラフ)。しかし、これらを指摘されても、原子力規制委員会は、「入倉・三宅式を使わないことにする根拠はない」として、最大の揺れの想定を見直す必要なしと結論を出してしまいました。 関電の計算の詳細がわからない?規制庁なぜ、規制庁の入倉・三宅式の計算結果が、関電が算出した596ガルより大幅に下回ったのか。規制庁は関電の設定の詳細がわからなかったと言っています。しかし、それでは、わからないものを承認したことになります。それでもやり直さない規制委員会そして、原子力規制委員会は、「能力不足」で、「もともとムリなことをやらせた」と認めながら、正しく再計算することもせずに、「見直す必要なし」と結論を出してしまいました。規制者としてあるまじきことです。原子力規制庁がムリであれば、外部の専門家に依頼して再計算してもらうこともできるはずです。 美浜原発3号機も過小評価この問題は、大飯原発だけの問題ではありません。たとえば、美浜原発の場合、武村式を使って計算し直すと、現在の想定の約2倍の大きさになります。つまり、原発はその揺れに耐えることができません。それなのに、8月3日、原子力規制委員会は、この問題を検討することもなく、美浜原発3号機は新規制基準に適合する、としてしまいました。美浜原発3号機は、今年の12月で運転期間40年となる老朽原発。やはり老朽原発だった東京電力福島原発の事故の反省から、「原発は40年で廃炉」という原則が法律になったのに、関西電力は”原子力規制委員会が認めれば、1回に限り、20年の運転延長ができる”という例外規定を使って、延長運転を申請しています。美浜原発3号機は、法律により、今年の11月の期限までに延長が認可されなければ廃炉になることが決まっています。新規制基準への適合は、延長認可の前提です。延長認可の期限まで、あと、3カ月と少し。だから、少しでも時間のかかる今回のような「見直し」は避けたかった、というのが真相ではないでしょうか。 原発は危険ですが、老朽化するともっと危険です。そもそも設計が古い(1970年代の設計)金属やコンクリートが劣化して壊れやすくなる検査できるのは一部分(人間が入れないところ、見れないところあり)そんなわけもあり、世界で閉鎖した原発の平均寿命は24.7年です(くわしくはこちらのブログで)。パブコメだそう…

  • Japan’s nuclear regulator admits it is unable to do its job, approves Mihama 3 safety anyway

    Japan’s nuclear regulator admi……

  • 「能力不足」の原子力規制委に再稼働審査の資格なしーー美浜3号機の再稼働適合審査書案承認

    国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、本日、原子力規制委員会が「関西電力美浜3号機(福井県)は新規制基準に…

  • 世界の食の未来を救う「生態系農業」とは?

     こんにちは、グリーンピース・インターナショナルのレイエス・ティラドです。科学者として食と農業部門で研究やキャンペーンの科学的サポートをしながら、南スペインの農場で、娘とロバと一緒に、生態系農業を実践しています。「生態系農業」。聞きなれないことばかもしれませんね。でも、私はこの生態系農業が、世界の食の未来を救うものだと確信しています。あなたの一番好きな食べ物は?あなたの一番好きな食べもの、頭に思い浮かべてみてください。何が思い浮かびましたか?私の場合、ソウルフードであるスペインのパエリヤです。フレッシュな野菜や魚介がたっぷり入った、炊き込みごはんのようなものです。あなたの頭に浮かんだ、大好きな食べ物。その材料一つひとつが、どうやってつくられたものか、あなたは知っていますか?100%信頼して口にできるものですか?家族や子どもたちにも安心して食べさせられるものでしょうか?破綻する世界の食揺らいでいるのは、わたしたちの食卓の安全だけではありません。みなさん、今世界中で、何人くらいの人が飢餓に苦しんでいるか知っていますか?1)1億人2)8億人3)10億人正解は、2)の8億人。日本の人口の6倍以上の人が、充分に食べることができない状態です。その一方、3)の10億人という数字、実は、世界中の肥満の人の数です。破綻した食システムは、世界でどのような問題を起こしているでしょうか?十分な食糧を手に入れられない人が、暴動を起こしている。食肉のための飼料畑をつくるために、森林破壊も起きている。農薬や化学肥料によって水が汚れ、海や川の公害も起きている。気候変動によって、大雨、干ばつ、洪水などが起き、多くの農家が影響を受けている。わたしたちのいのちを支える、暮らしの根本だったはずの農業が、「人」のくらしを置き去りにした巨大な工業的産業になってしまっている。それこそが、”食の破綻”の大きな原因なのです。そんな工業的な農業と、農薬の大量使用は切り離せない関係にあります。工業化した農業以前、日系企業が運営している、タイにあるアスパラガス農場を訪れました。グリーンピースがここで井戸水の検査を行った結果、私が知っている限り、もっとも高濃度の窒素(硝酸態窒素)が検出されました。WHO(世界保健機関)が定める窒素基準の3倍の値です。農場で使われていた農薬の影響で、地域の住民の飲料水になる水まで、汚染されていたのです。窒素の濃度が高いと、発がん率が高まり、ブルーベビー症候群(チアノーゼの原因になる)などを引き起こします。地域の農家やその家族の健康にも影響が出ていました。わたしたちは2009年にこの結果をレポートで発表しました。それをきっかけに、タイ政府がアスパラを輸出している日系企業に、農業方法の改善を申し入れました。その結果、農家の健康も回復していったんです。いい農業をやれば、農家の健康にもいい。そしてもちろん、食べる人の健康にもいい。実際、最近ではオーガニック野菜には抗酸化作用をもつ成分が60%も高く、栄養的にも美容のためにも普通の野菜よりいいという研究結果も出ています。信頼でつながる「生態系農業」有機農業や自然栽培*など、化学農薬や化学肥料、遺伝子組み換え技術に頼らず、生態系のちからを活用する農業を私たちは「生態系農業」と呼んでいます。実は、それには理由があるのです。有機農業というと、「有機認証」の表示があるもの、と考える人が多いでしょう。でも、認証を取っていなくても、有機農業の条件を満たして農業をやっているところはたくさんあります。また、国ごとに有機認証の定義が違うので、国が変われば有機であるかどうかの判断も変わってしまいます。認証や呼び名にかかわらず、食べものが本当に人や生物多様性を大事にしてつくられている、信頼できる農業を、生態系農業として広めたい。そんな思い込められています。人との関係が中心となって、信頼で生産者と消費者がつながるようになることが、本当の意味でのオーガニックの広がりのためには必要です。南スペインの私の農場にも、おいしくて、環境にも配慮してつくられた野菜を求める人たちがやってきます。わたしと彼らも、信頼でつながっているんです。*有機農業は、化学農薬や化学肥料、遺伝子組み換え技術を使用しない農業。自然農法はそれに加えて、牛フン堆肥などオーガニックの堆肥も使用しないで、その環境独自の土と生態系のちからを生かして育成する農法。生態系農業について、詳しくはこのページも見てみてくださいね本当に現実的なの?「とてもいいとは思うけど、本当にできるの?十分な食料を生産できるの?」そう思う方もいるかもしれませんね。でも、生態系農業には、未来があります。私は、50、100年以内に、すべての生産者が、生態系農業に切り替えると思っています。これから、もっと多くの科学者や医者が、オーガニックのほうが健康や環境にいいと発信していくでしょうし、気候変動のまっただなかにいるいま、生態系農業が干ばつや洪水などに対応できる解決策でもあるからです。生態系農業はすでに、科学的に証拠はそろっているし、世界中で、政府や企業が政策として推し進め始めています。例えば、フランスでは、2015年から生態系農業を進めるために数多くの政策を実施して、農家が生態系農業に移行できるようにサポートしています。ブラジルやデンマークも農家の生態系農業への転向を支援しはじめています。アメリカでは、20年間でファーマーズマーケットは2,000から8,000まで増えました。コペンハーゲンでは、公的機関で出る食事の88%はすでにオーガニック。国連食糧農業機関(FAO)も、レポートを発表して、生態系農業は土壌を守り、将来の食の安全を守るために必要だと発言しています。スーパーが消費者と生産者をつなぐ多くの人が野菜やくだものを購入するスーパーマーケットは、このような新しいトレンドに答えていく方法を考える必要があるでしょう。フランスでは、ローカルのオーガニック生産者が、直接商品を販売できる、100%オーガニックのスーパーが誕生しています。さらにスーパーの中に、レストランやキッチンが併設されていて、消費者はそこで食べることもできます。まるごと食を体験できる、統合的な場所です。…