プラスチック汚染への関心が各地で高まった今年。エコバッグを持ち歩いたり、タンブラーでコーヒーを買ったりと、プラスチックを減らすために毎日の暮らしを少し変えたという人も多いと思います。

私たち一人ひとりの行動はとても大切ですが、海で起きている海洋汚染とグローバルビジネスとの繋がりを知っていますか?

日用消費財や食料飲料メーカーなどの多国籍企業は、使い捨て商品包装に頼ることでビジネスモデルを築き上げてきました。こうした大企業は、結果的には世界的な海洋汚染の大きな原因になってしまっていますが、同時に、これから使い捨てプラスチックを減らすために重要な役割を果たすだろうと期待されます。

そこで、実際のところ、どんな企業がどれだけプラスチックの海洋汚染に関わっているのか明らかにするために、調査を行いました

グリーンピースや世界1800以上のNGOなどが参加している「Break Free from Plastic (使い捨てプラスチックから自由になろう)」という世界的なネットワークが、昨年から世界中でクリーンアップ活動を行い、ビーチなどに流れ着いたごみのブランドを全て調査しています。
今年はこれまでの最大規模で行われ、9月に世界中の海岸等で484回のクリーンアップを50カ国・6大陸で行い、回収されたごみを企業のブランド別に仕分けしました。その結果、世界のプラスチック汚染企業は2年連続でコカコーラ、ネスレ、ペプシコの3社であることが分かりました。

そして、今年は日本でも初めてクリーンアップ活動とブランド調査を行い、この世界的ムーブメントに協力しました。

日本でも初めてのブランド調査

日本では9月20日に神奈川県の大磯で40名の人たちと一緒にビーチクリーンを行い、清掃後は参加者と一緒にブランド調査を行いました。

© Chihiro Hashimoto / Greenpeace


日本のトップ3は…

日本の調査で見つかったプラごみを集計したところ、以下の企業がトップ3 になりました。

1位 サントリー

© Chihiro Hashimoto / Greenpeace

2位 コカ・コーラ

© Chihiro Hashimoto / Greenpeace

3位 キリン

© Chihiro Hashimoto / Greenpeace

あなたに出来ること

今回日本でのブランド調査は大磯1カ所のみでしたが、今後は国内のより多くの地域で同様のブランド調査が行われ、どの企業のどんなごみが海に流れ出ているのかを把握していく必要があると思いました。私たち市民がしっかりと状況を理解し、企業に声を届けていくことで、ビジネスも変わっていきます。全国でクリーンアップ活動をされている皆さん、次回はごみの種類に加え、どこの企業ブランドかも一緒に見てみませんか?

こうした大企業が、リユースの仕組みを取り入れて、使い捨てのごみを出さないビジネスに切り替えれば、海に流れ出す可能性のあるごみが大幅に減り、使われる石油や木材などの資源も削減でき、CO2を減らして気候変動を抑えることもできます。

例えば、今回のグローバル調査でもっとも多くのごみが見つかったコカ・コーラも、一部では返却式のビンのボトルでドリンクを販売しています。しかし、全社的にリユースに優先的に取り組む方針も出されておらず、既存の使い捨て包装に依存したビジネスから脱却していこうという動きは残念ながらまだ見られません。いま企業が、プラスチック汚染を根本から解決するためにこのようなリユースのモデルに切り替え始めれば、プラスチック汚染や資源の使い捨ての問題は解決に向かいます。

あなたも、企業や政府に声を上げて、一緒にリユース・レボリューションを起こしませんか?

© Chihiro Hashimoto / Greenpeace