「共謀罪」が今日から施行されます。

徹夜国会明けの6月15日早朝に強行採決されてからほぼ1カ月。議論を尽くさず、疑問や懸念の声にも応えず、成立してしまったこの法案が現実のものとなってしまいました。

審議中指摘された様々な問題点

・共謀罪の定義が曖昧で、何が犯罪に当たるか、捜査当局の主観的な判断に委ねられてしまう。

・共謀した、そしてその犯罪準備を目的とした行動をとった、などと証明し、共謀罪を取り締まるためには、一般市民の会話や行動を幅広く監視する仕組みを作らなくてはならない。

・テロ対策を目的としながらも、テロとは関連しない信用毀損罪や著作権法違反なども対象犯罪に含まれている。

・共謀罪が取締りの対象とする犯罪組織の範疇に、環境や人権を隠れ蓑にしている団体も含まれるとしている。

このように、具体的に指摘された問題点を汲み取る努力ないまま、法案が可決され施行されてしまうのには、安倍政権の説明責任の欠如を感じます。

この先に見えるのは憲法改正

特定秘密保護法の制定や、安保法制の改定に続く今回の共謀罪の制定。さらに、その延長線上には憲法改定の議論が控えています。一極集中の権力構造の中で、言論や表現の自由が萎縮され、それがさらに権力の濫用を許し、権力集中を助長していくーそんな悪循環がこうした一連の法制度の『改悪』に現れています。

メデイアや市民団体には、独立の立場から、権力を監視し説明責任を求める大事な役割があります。特定秘密保護法や共謀罪は、メデイアや市民団体の担うそのような役割を脅かすものです。国境なき記者団が毎年発表する報道の自由度ランキングによると、日本は今や世界72位で、G7の中で最下位です。

権力者の意向が忖度され、情報がコントロールされ、法の支配が徹底されない社会で、安保法制や憲法といった国のあり方の根幹に関わるような重要事項が一方的に提議されていくことに、深い不安を感じます。

でも、いくら法律を変えても、自由を奪い取ることはできません。

国政が大きく影響した東京都議会選挙で、有権者は既存の政治に対する不満を明確に表明し、歴史的な惨敗を喫した安倍政権は、衆議院解散・総選挙の政治日程を見直さざるを得なくなりました。都議選後、安倍首相は依然改憲の議論を進展させていく方針ですが、公明党は、改憲は優先課題ではないと公言しており、足並みに乱れが出ています。

自由は死なない

共謀罪施行を目前に控えた先週末、新宿では8,000人が安倍政権に退陣を求め、集会とデモに参加しました。萎縮せず、声をあげ続ければ、自由は死ぬことはありません。

私たちグリーンピースは今日、どれだけ抑圧されても声をあげ、自由を求め続ける”自由のゾンビ”になって、市民の意思を体現しました。何度でも生き返るゾンビのように、市民の力によって、真の民主主義は息を吹き返すことができるという信念を持って、共謀罪が施行されても、萎縮せずに声を上げ続けようと訴えました。

権力の私物化が懸念される今こそ、私たち一人一人が市民として意思表示を続けていくことが大切です。特定秘密保護法に始まり、安保法制改定や共謀罪廃案運動を通して、試練に立ち向かう市民団体の間でも連携は広がり強まっています。

自由は死なない、私たちに強い意思さえあれば。


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