原爆ドーム前でアピール行動

7月7日、国連で「核兵器禁止条約」が圧倒的多数の賛成で採択されました。

この条約は核兵器の開発、実験、製造、保有、使用だけでなく、「使用するという威嚇」も禁じた画期的な条約です。

あらためて、世界を動かした被ばく者のみなさま、条約実現のために行動したみなさまに敬意を表します。

これで、生物・化学兵器、対人地雷とクラスター爆弾などとともに、核兵器も禁止されたのです。

ただ、戦争行為で被ばくした唯一の国である日本は参加していません。

その理由は条約が「核兵器国と非核兵器国の対立を深め」「逆効果にもなりかねない」などというものです。

本質は、日本はアメリカの核の傘にはいっていますから、「使用するという威嚇」も禁じる条約に参加できないということでしょう。

122カ国がこの条約に賛成した中、核保有国(米国、ロシア、中国、フランス、英国、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮)や米国の核の傘に頼る北大西洋条約機構諸国とともに日本が不参加なのは悲しいことです。

それでも、国連加盟国の3分の2が、核兵器はやめよう、と立ち上がったのは、意味深いことです。

そして、広島、長崎の被ばく者の方々は、この日のために、炎天下座り込みを続けてきました。アメリカの核実験の被害者である風下の人々、ヨーロッパの核配備に反対してきた人々、オーストラリアのウラン鉱山に反対してきた人々……たくさんの人々が、この日のために、思いを行動に移してきました。核兵器禁止条約は、こうしたひとりひとりの粘り強い運動の成果にほかなりません。

英国の核弾頭配備に対してのグリーンピースの抗議行動(2007)

英国の核弾頭配備に対してのグリーンピースの抗議行動(2007)

グリーンピースは、1971年にアメリカの核実験に反対して、核実験場に船を進めたことで始まりました。以降、一貫して、どの国であっても、核兵器に反対し、行動してきました。

いつか、日本、そして、核保有国もこの「核兵器禁止条約」に参加し、この条約があることを心から喜びたいと思います。

「この条約は世界を変えることができるし、変えるでしょう」とカナダ在住の被爆者であるサーロー節子さんは条約交渉の各国代表団に伝えたそうです。

グリーンピースは、これからも、核兵器も原発もない世界をめざします。

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