記事の投稿-トピック
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後退する農水省、チャレンジする農家
今、日本各地のミツバチ、さなぎ、そしてハチミツまで、ネオニコチノイド系農薬に広く汚染されていた、という新しい研…
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合格率60%で安心できる?〜太平洋クロマグロを絶滅から守るために〜
おはようございます。海洋生態系担当の岡田幸子です。今年に入ってから相次いだ、「クロマグロの漁獲量日本は年間漁獲枠を超える」[1]や、「クロマグロ違法操業、報告漏れ」[2]などのテレビや新聞などの報道を覚えている人も多いのではないでしょうか?そうです!近頃、世間を騒がせている『太平洋クロマグロ』。この資源を回復させるための国際管理規制について、8月28日・月曜日から5日間、韓国は釜山で『中西部まぐろ類委員会(WCPFC)の北小委員会(NC)』という国際会議がひらかれ、議論が繰り広げられようとしています。次世代に本マグロをちゃんと残すことができるの?ブログ常連読者のみなさんには耳ダコかもしれませんが、『太平洋クロマグロ』は2014年に絶滅危惧II類に指定され、2016年に発表された最新のデータによると、資源量が初期資源(漁業を行なっていない場合にあるとされる資源量)の2.6%しか残っていません。それからすでに1年以上の月日が経っています。その間に、『太平洋クロマグロ』の国際管理規制を決定する機会は数回ありました。10%を下回ると『資源崩壊』といわれ、「みんなが合意できる具体的な長期管理目標が決まんないね〜」なんて悠長なことをしている暇は1分1秒たりともないはずなのです。現行のゆる〜い暫定回復目標を達成するために決められた管理措置ですら守れていない日本。本当に資源を回復させる気はあるのでしょうか?5日間の会議で何を話すの?北小委員会では、マグロ以外にも、マグロ漁によってサメやウミガメなどが犠牲になってしまう混獲問題や、監視員制度、漁船監視システムなど、各国の代表者たちが話し合うべきことは山ほどあります。しかし、ハイライトは何といっても、2.6%しか残っていない太平洋クロマグロの規制管理についてです。北小委員会の下で管理されている『太平洋クロマグロ』の規制に関しては、本来、北小委員会からWCPFCの本会議に提言し、そこで最終決定となります。ですが、昨年の北小委員会では各国代表者すべての合意をえる事ができず、長期的な回復目標の提案などは持ち越しとなりました。そして、まさかの本会議のほうから、早く決めなさいよと、お達しがきたという異例の今回の北小委員会。昨年のように、のらりくらり何も決まらずということはないにしても、決定される長期回復計画が、残り資源が2.6%しかないという事実に見合ったものであることを望んでいます。日本が提案したのは、不十分な資源回復でも漁獲を増やせるという案!日本が既に提出している長期回復目標を見ると、「やはり、本気で太平洋クロマグロを守る気はあるの?、次世代に残す気はあるの??」という内容。残り2.6%の危機感は全くありません。ちょっと小難しい単語が並びますが、その内容を見て行きましょう!既に決定している目標と方策親マグロの数を、2024年までに、いまの約17,000トンから約41,000トンまで、60%の確率で回復させる30kg未満の小型マグロの漁獲量を、2002-2004年の年間平均漁獲量の半分にする30kg以上の大型マグロの漁獲量が、2002-2004年の年間平均漁獲量を超えないようにする上記目標に関し、日本が提案した追加方策回復の確率が60%を下回った場合、30kg未満の小型マグロの漁獲量をへらす、または、小型マグロの漁獲をやめ、その分、30kg以上の大型マグロをとる、などし回復確率を最低60%に保つ回復の確率が65%以上になったら、小型マグロの漁獲量をふやす事ができる上記目標達成後、10年以内に達成すべき目標(遅くとも2034年までに)漁業が行われていないと仮定した時の親マグロの20%である約128,900トンまで、60%の確率で回復させる親マグロが約128,900トンまで回復した後の管理措置目標とすべき資源量(目標管理基準値)は、のちに決定するこれより下回ってはいけない資源量(限界管理基準値)は41,000トン高校・大学受験に置き換えると?漁業に関心や知識がなければ、上に書いた日本の提案を読む限り、「なんでダメなの?」「グリーンピースは厳しすぎ!」と思われる読者の人もいるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。回復する確率が60%。例えば、これが高校や大学受験だとし、全国模試の結果が「60%の確率であなたは志望校に合格します」だったら、安心しますか?「志望校合格に十分な学力がある」と思いますか?普通、学校や予備校だって合格率80%を目指して指導し、生徒もそれを目標に勉強に励むってもんです。もっと上を目指す人だっていることでしょう!さらには、65%以上の回復見込みで漁獲量上限を増加出来るなんて、合格率65%以上になったら、勉強手を抜いても良いよと言っているのと同じです。あり得ません・・・。しかも、最初の回復目標である41,000トンっていう数値、初期資源量のたったの7%程度なんです。先にも言いましたが、10%を下回っていると『資源崩壊』です。それくらい低いレベルの回復目標でしかもその達成確率はたったの60%。東京大学に合格率60%と言ってるのとは、訳が違うのです。しかもしかもしかも、親マグロの数が128,900トンまで回復したら、「この値を下回ったらヤバいよ!」という限界管理基準値を41,000トンにするって、どういうこと?41,000トンって『資源崩壊』レベルなんですよ!全くもって意味不明です。だって、それって、今まさに禁漁して然るべきって言ってるのと同じですよね?グリーンピースは、確実に健全なレベルまで回復させる長期計画が導入されない限りは、全ての商業的漁業を禁止すべきと考えています。日本の提案は、どこをどう考えても納得のできるものではありませんが、一縷の望みをもって、一緒に行く末を見守りましょう!!最後に、『太平洋クロマグロ』を取り巻く状況を知ってくれたみなさんにお願いしたいことがあります。日本の太平洋クロマグロの漁獲のほとんどは、小型マグロ、しかも1歳に満たない幼魚です[3]。大量に巻き網で獲られたものの、売れ残って叩き売りされていると言われています[4]。本来、資源が2.6%しか残っていない、しかもマグロの最高峰である『太平洋クロマグロ』が、こんな形で無駄にされるべきではありません。そこで、みなさんには、「メジ」「ヨコワ」などと表示のある幼魚の購入を控えて欲しいのです。消費者行動は、必ずマーケットを変える力になります。マーケットが変わればその先も変わらざるを得ません。一緒に太平洋クロマグロを守って、次世代に残していきましょう!! オススメの読み物「太平洋クロマグロ保護、政府案では不十分ーーマグロの資源管理を話し合うWCPFC開幕へ」http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2017/pr20170824/「あなたのツナ缶サステナブル度をチェック」http://act-greenpeace.jp/ocean/tunacan/海をまもりたい!facebookグループ「OCEANHOLIC」は、海にいなくても、24時間海を感じていたい!考えてたい!そんなOCEANHOLICな人々のための交流と発信の場所として国際環境NGOグリーンピース・ジャパンがつくったグループです。グリーンピースは、政府や企業からお金をもらっていません。独立した立場だからこそできる活動で、私たちの知らないところで進む環境破壊や生態系への影響を明らかにしています。寄付という形でも一緒にグリーンピースを応援していただけませんか?寄付する 参考資料[1]「クロマグロ漁獲量日本は年間漁獲枠を超える」2017年4月17日http://www.news24.jp/articles/2017/04/27/06360080.html[2]「クロマグロ違反操業・報告漏れ、7県でも水産庁調査」2017年2月3日http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H3P_T00C17A2PP8000/[3]「太平洋クロマグロの資源状況と管理の方向性について:平成29年8月」水産庁https://www.greenpeace.org/japan/wp/wp-content/uploads/2018/12/bluefinkanri-9.pdf[4]…
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農薬ではなく生きものの力を借りた農業を
ネオニコ系農薬をはじめとした、化学農薬は、ハチにも子どもたちの脳や神経にも危険。だから減らしたい。だけど、…
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自然エネルギー現場紀行 クリーン電力 メガソーラーの問題点を考えよう
こんにちは。エネルギーチーム広報担当の城野です。今回は、問題点が指摘されている太陽光発電所についてのお話です。グリーンピースでは、自然エネルギーを広めるために、世界中でいろいろな活動をしていますが、自然エネルギーならなんでもいい!と考えているわけではありません。東京ドーム40個分、ソーラーパネル31万枚、出力89メガワット、敷地面積188ヘクタールという、なんとも大規模なメガソーラーが計画されている地域があります。長野県諏訪市、霧ヶ峰南麓の森林。新電力のLooop社(東京都文京区)が計画する「ソーラーパーク四賀」です。地元の方々から、エネルギー問題に取り組むNGOやNPOに、とても困っているとの相談があり、昨年11月にみんなで見学に行って来ました。このブログは、その時の情報を元に書いています。(写真:霧ヶ峰南麓の建設予定地で、地元の方々から説明を受けました)地元の方によると、膨大な量のソーラーパネルを設置するために自然豊かな森を切り開くので、大きな環境破壊が行われるとのことなのです。簡単にいうと、凸凹した土地には、パネルを敷きにくいので、山を平らにします。また、山にパネルを運ぶためには、建設用の道路をつくる必要があります。問題1調整池と盛り土が、土砂災害を誘発?工事によって発生する土砂はなんとダンプ5万台。自然の沢地を土捨て場にして埋める計画です。また、水害を防ぐ目的で一時的に水を貯める調整池というものをつくります。これらの土捨て場や調整池が、地震や大雨の際にこわれて、土砂災害が起こる危険性があると、地元の方が心配しています。問題2豊かな生態系がこわされる?計画地域には、5つの湿地帯が確認されていて、希少種も含め豊かな動植物が生息しています。ミズゴケなど、レッドリストに登録されているものもあります。自然環境が大きく変えられることで、こういった生態系までこわされてしまいます。(写真:計画地域にある希少生物がすむ湿地帯)問題3飲み水への影響このあたりには、大清水とよばれる大規模な湧水があります。山の生態系がこわされることで、大清水の水質や水量に悪影響があるのでは、と懸念されています。地域の2万人近くの方々の大切な飲み水です。問題4つくられた電気は東京へもここでつくられた電気は、東京をはじめとする首都圏にも送られるそうです。私はいま東京で生活しています。自分たちの電気のために、どこかのまちの誰かの暮らしや、豊かな自然がこわされているとしたら、そしてそれを知らずに、能天気に電気を使っていたとしたら、、、とても残念です。本当にエコで、サステナブルな電気、電力のあり方とは?ソーラーだからといって、自然エネルギーだからといって、なんでも良いわけではありません。どんな発電所も、結果的に回復不可能なほど自然環境をこわしたり、汚染したりするなら、持続可能とはいえません。自然エネルギーの発電所も、自然環境のなかに人工物をつくります。グリーンピースは、周辺の環境や生態系への影響を事前に確かめること、そして地域の住民の方が意思決定に関わることがとても大切だと考えています。また、そもそもエネルギーをむだなく使って、必要なエネルギーを減らす省エネへの取り組みも大切ですね。さて、長野県は、さかのぼること2016年1月に、全国で初めて、メガソーラーを環境影響評価(環境アセス)条例の対象にし、その第1号事例が、実はこの四賀メガソーラーパークなのです。適正なアセスメントが行われて、Looopが住民の懸念や意見をしっかり受け止め、双方が納得してプロジェクトが行われることを心から願っています。なお、グリーンピースもメンバーの一員である、自然エネルギーの電力会社を応援する「パワーシフト」はLooopと意見交換を続けました。現時点では、同社をおすすめの電力会社から外しました。(2017年4月)こちらのブログもオススメ!マンション住まいでも大丈夫。太陽光のパネルオーナー制度とは?【自然エネルギー現場紀行~山梨編~】自然エネルギー現場紀行太陽光in鹿児島編エネルギーチーム広報担当城野グリーンピースは、政府や企業からお金をもらっていません。独立した立場だからこそできる活動で、私たちの知らないところで進む環境破壊や生態系への影響を明らかにしています。寄付という形でも一緒にグリーンピースを応援していただけませんか?寄付する
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平和は、あるものではなくつくっていくもの 終戦記念日によせて
私たちは歴史から何を学んだのでしょう。安保法制がなし崩し的に成立されたことは、日本の平和主義・民主主義がいかに…
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広島デーによせて。核兵器禁止条約採択をいつか、心から喜びたい
7月7日、国連で「核兵器禁止条約」が圧倒的多数の賛成で採択されました。…