
こんにちは。エネルギー担当の柏木です。
4月1日から、「電力自由化」が始まってはや1カ月ほど。
4月15日の時点で、実際に電力会社を乗り換えた人はすでに68.3万件。全国の世帯は5641万世帯なので、1.2%の家庭が”スイッチ”したことになりますね。
どんな電力会社があるの?
「電力会社のスイッチをしたいけど、これから登場する電力会社を含めて、本当にクリーンな電力会社をきちんと見極めたい」という方も多いのでは。
そんな方におススメなのは、「電力会社クリーン乗り換えガイド」。
現在、「電力会社乗り換えたい(乗り換えました)!」と宣言するグリーンピースのオンラインアクション”iSwitch”に参加した方だけに、無料でプレゼントしています。
このブログをご覧の皆さんだけに、ちょこっとだけ、「電力会社クリーン乗り換えガイド」の中身を公開しちゃいます!
まず、コンテンツはこんな感じ。
マンションでも大丈夫?家のソーラーパネルで売電しているけれど乗り換えられる?など、みなさんから寄せられた疑問にもお答えするQ&Aコーナーなど、役立つ情報がいっぱいなのですが、なかでもおススメは、「クリーンな電力会社はどこ?」のコーナー。
グリーンピースが行ったアンケートと、グリーンピースのチームが力をあわせて行った調査で、全国の電力会社の電気の「原材料」を、お住まいのエリアごとにわかりやすく示しています。

東京電力あらため東京電力エナジーパートナー株式会社の電源構成
まだまだ少ない電気の「”原材料”表示」
グリーンピースの調査によると、何から電気を発電したのか?を示す電源構成がわかる電力会社は、「電力会社クリーン乗り換えガイド」で紹介している111社中、34社のみ。
んーーーー!少なすぎる!
(しかも、せっかく掲載されていても、情報が見つけにくかったり、小さい文字でのみ表示してある会社も多い!)
でも実は、「電気の原材料」を知りたい!」という消費者の声を受けて、経済産業省が、電気料金や電源構成などの情報を開示しているか、すべての小売電気事業者にアンケート調査を始めたんです!(参考ニュース)
これも、みんなが「電気の原材料が知りたい」という声をあげたからこそ。署名に参加してくださったみなさん、そして電力会社に直接お問い合わせしたみなさんの成果です!
ドイツの自然エネルギー100%の電力会社では
1998年に電力自由化の始まったドイツでは、電源構成をわかりやすく表示することが、すべての電力会社に”義務化”されています。
では、具体的にどのように表示しているのか、グリーンピース・ドイツのキャンペーンから生まれた電力会社、グリーンピースエナジー社のパンフレットをご紹介します!
(この翻訳には、グリーンピースのボランティアさんにご協力いただきました。ありがとうございますm(_ _)m )
まず、表紙!
石炭・原発は0%ということがわかりやすく記載してあります。
大切なのはビジョン
続いて、グリーンピースエナジー社の姿勢について、説明しています。
例えば・・
・グリーンピースエナジーの電気は石炭や原子力ではなく、自然エネルギーであること。
・同社は自然エネルギーの拡大を支持していて、革新的な自然エネルギープロジェクトにも取り組んでいること
・エネルギー源などの情報はすべて、オンラインで公開していること
・同社は原発や石炭火力発電といった”ダーティー”な発電事業者からは独立していること
電源構成は、円グラフでわかりやすく
グリーンピースエナジーが描くのは、すべての人が環境に優しいエネルギーのみを使う社会。より多くの消費者が環境に優しいエネルギーを求めれば、電力会社もよりクリーンなエネルギーを供給するようになります。その変化の一部になりませんか?と同社は呼びかけます。
電気料金も透明性高く見せちゃう
電源構成の次のページに現れたのは、グリーンピースエナジーの電気料金の内訳。
発電のために必要な費用、自然エネルギーへの賦課金、送配電網の使用料(託送料)、税金など、1キロワット毎時あたり、26.65セントの料金の内訳まで透明性高く表示しています。
また、ここでも、「顧客からのお金は一銭も原子力・石炭産業に使われることがない」と説明しています。
「求めるだけでなく、行動します」
グリーンピースエナジーは、23,000人の会員からなる「エネルギー協同組合」です。グリーンピースエナジーには23,000人のオーナーがいるということ。
(メンバーにならなくても、グリーンピースエナジーから電気を買うことは可能です。グリーンピースエナジーは、ドイツにて約11万人に自然エネルギー100%の電気を供給しています)
ドイツでは、実はまだ原発が稼働しています。だからこそ、グリーンピースエナジーはパンフレットでしっかり「100%自然エネルギーの社会を求めるだけではなく、そのために行動します」と表明しています。その証拠に、ロビー活動などの政治的な活動も積極的に行っています。
最後には、申し込み書が
さて、ここまで読んで「グリーンピースエナジーっていいな」と思った方のために、申込書がセットされています。
住所や電気使用量、いままで契約していた電力会社の名前、支払いのために必要な情報などを記入し、郵送で送れるようになっています。
日本のあたり前にするために
残念ながら日本の電力会社にとって、「電源構成をわかりやすく示す」のはまだ当たり前になっていません。
でも、少しずつ始めているところも。
「電力会社クリーン乗り換えガイド」で紹介している111社のうち、22社は自社のホームページに電源構成を表示しています。

例:JXエネルギーのウェブサイトより
また、私が知る限りで初めて、パンフレットに円グラフで掲載されている例も。(実は、ワタミファーム&エナジーは、グリーンピースエナジーを見学に行っています。グリーンピースエナジーのパンフレットを参考に、パンフレットを作成したとのことです)
経済産業省が調査に乗り出した電源構成の表示。日本でも当たり前にするために、消費者の声がさらなる後押しになるのは間違いありません。
クリーンな電力会社に乗り換えるためには、電源構成の情報が必要不可欠。
「スイッチのために、電源構成教えて」ということも、「クリーンな電力会社に乗り越えたい」という声とあわせて、電力会社に伝えます。
”iSwitch”がまだお済みでないかたは、ぜひこちらから参加を。
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