
写真: イリーナ・ラブンスカ
核・エネルギー担当している鈴木かずえです。
8月20日、福島の福島テルサでお話し会「チェルノブイリから学ぶ イリーナ・ラブンスカ 研究員をかこんで」を開きました。
急な催しだったのにもかかわらず福島県の福島市を中心に、伊達市、会津からもおこしいただき、36人ほどが参加してくださいました。
「チェルノブイリ事故が起こったとき、私は妊娠5か月でした。
どこにも逃げるところがありませんでしたので、アパートにこもっていました。
科学者ですから、何が起こり得るかがわかっていましたので、缶詰を食べてしのぎました……」
「今年25歳になる娘は元気です。けれど、今日は、病気の子どもたちを抱えたお母さんたちを代表してお話ししようと思います」
チェルノブイリ事故から25年がたった今年3月、イリーナはグリーンピースの研究員として、チェルノブイリ周辺の食べ物調査をしました。
牛乳やきのこ、いちごを測定したのですが、25年たった今でも、ウクライナの基準値以上の汚染が見られたことを報告しました。
プレゼンテーション資料「原子力事故がもたらす食べ物への影響」
参考ビデオ:チェルノブイリ原子力発電所事故から25年
会場から「チェルノブイリの汚染地帯というのは、どこのことですか?」という質問があり、
ウクライナでは土壌汚染と、空間線量の両方で”ゾーン”が決められていることを説明しました。
移住の権利区域の方にも、避難費用が補償され、住宅が用意されたとのことです。
*なお、空間線量は、事故前の放射線量に、加えての値です。
同席したグリーンピースの現地調査チームリーダーのヤン・ヴァンダ・プッタが、福島での放射能調査の結果、福島市でも年間20ミリシーベルトまで受ける可能性のある地域のあることも報告されました。
また、お話し会終了後も、イリーナは福島のみなさんに取り囲まれて、質問に答えていました。
—お話し会に参加された方のご感想—
「チェルノブイリの事故を実際に経験されたお話しを伺うことができて、本当に良かったです。
実際、食べ物のこと、庭の除染など、頭の痛いことばかりですが、お話を伺って、少し希望が見えたような気がしました」
「新聞、テレビで教えてくれないことがたくさんあるんですね」(白河市の方)
「福島の場合、何が起きているか、よくわかっていないのが不安です」(伊達郡桑折町太田さん)
「ウクライナでは、事故後5年経過して、市民運動のかいあって、現行の規制値や避難基準を獲得したと聞いている。しかし、その間にも住民は被曝しづつけ、今も汚染の中で生活しつづけていることが今日の集会でよく理解できた。福島がこのくりかえしをしてはならないと強く思った」(福島市河原田さん)
「福島が強制的避難地区(に相当するーグリーンピース注)であるということがよくわかりました。内部被ばくを防ぐためにも汚染食品を除去して子どもに与えていきたいと思います。そして残念ですが、福島から離れるというお子様には、お元気で!と送り出してあげたいと思います」(福島市の方)