海洋生態系問題担当の花岡和佳男です。
グリーンピースがこれまで行ってきた海洋放射能汚染に関する調査の結果を、本日記者会見で発表し、併せて政府に要請書を提出しました。国内外のメディア関係者、議員や秘書など、100名を超える方々で会場はいっぱい。生中継では10,000名を超える方々にご覧いただきました。
調査結果の発表と共に、調査の際に出会いサンプリングなどにご協力をいただいたたくさんの漁業関係者、サーファーやダイバー、趣味で釣りをされている方々などの不安な現状や、調査により漁業再開の目途を立たせたい切実な願いを、できる限り紹介させていただきました。
調査結果概要:
調査結果まとめ:
日本政府への要請:

- 21サンプル中14サンプルが、日本政府の定める暫定規制値を超える
- エゾイソアイナメ(福島県小名浜港で採取)から 1kg あたり 857Bq のセシウム(Cs-134 + Cs-137)を検出
- カキ(福島県四倉港で採取)から同 740 Bq のセシウムを検出
- マナマコ(福島県久ノ浜港で採取)から同 1,285 Bq のセシウムを検出
- アカモク(福島県江名港で採取)から同 127,000 Bq のヨウ素(I-131)および同 1,640 Bq のセシウムを検出

- 海藻類3サンプルで、1キロ当たり100,000ベクレルを超える放射性ヨウ素を検出。日本政府の定める暫定規制値の約50倍。半減期の短いヨウ素の大量検出は、原発から海への放射性物質の放出が続いていることや、莫大の量の汚染水が過去2か月の間に放出されたことを示唆。
- 13サンプルで放射性セシウムが暫定規制値を超える。半減期の長いセシウムの大量検出は、汚染が長期にわたることを示唆。
- エゾイソアイナメ、ナマコ、ヒトデなど、海の底に生息する種からも暫定規制値を超える放射性セシウムを検出。汚染が海の底にも広がっている可能性を示唆。
- 最も汚染された海藻を年間1キロ摂取すると、2.8mSvの内部被ばく量に値する。
- 広範囲にわたり高レベルの放射物質が見つかった。政府が言う「放射性物質は海で希釈される」という説は疑問。

- 放射能汚染水の海洋環境への意図的放出禁止
- 放射能汚染水の非意図的漏出の徹底モニタリングとその公表
- 魚類、海藻類、貝類、海水、底質などを含む、太平洋沿岸域における調査対象種および海域の大幅拡大、結果の公平かつ速やかな発表、そして消費者へのわかりやすい説明
- 上記調査によって水産関係者や消費者の安全性が確認されるまで、水産物の漁獲、加工、流通、販売の一時中止
- 漁獲の一時中止により水産関係者が受ける被害の公平かつ速やかな全額補償(東京電力へ請求)