みんなが動けば社会は変わる
この投稿を読むとわかること
初めまして。
グリーンピース・ジャパン事務局長に就任したサム・アネスリーです。
幼い頃から故郷のイギリス・北アイルランドの自然が大好きで、17歳の時に初めて日本の岡山県に交換留学生として訪れてからは、日本の豊かな自然に触れ、日本の文化にも興味が出てきました。イギリスの大学で日本語を専攻したのち、日本の大学では神道を学んだ私は、日本で10年以上、さまざまな市民団体などで環境問題や平和教育の活動に携わってきました。
その中でも「一人ひとりのもつ力」について確信を抱くきっかけとなったのは、東日本大震災です。私は東日本大震災の後、1カ月ほど石巻市で被災地でボランティア活動に参加しました。初めは何ができるかわからなかったけれど、地元の皆さんといっしょにとにかく無心になって黙々と作業する日々でした。
全国から世界中からあらゆる人がたくさん集まって、若い人も年配の人も、みんなが東北のために一丸となって動く――その体験は、とても感動的でした
震災の影響によるさまざまな問題はまだ残っていますが、あのときの体験があるから、人が動けば社会は変わる、進化できると、私は信じています。
写真:ホヤ養殖ボランティアの様子(一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンター提供)
できることは山ほどある
気候変動も含め環境破壊は問題が大きすぎて、一人ひとりの力ではどうしようもないと感じることもあるかもしれません。でも実際にできることは山ほどあります。
コンビニやスーパーでレジ袋を断ることから、自分にとって身近な問題に関する署名に参加したり、メールや投書、ロビー活動などにより政治家に声を届けることまで、すべては意味のある行動です。そのような活動のすべてが、よりいい社会、よりいい日本につながると確信しています。
「環境を守りましょう」とただ唱えるのではなく、具体的にできることを一つひとつ発信して、共有して、できることがあることを、あらゆる人々に実感してもらいたい。そして、行動する人の輪を広げていくのが、グリーンピースの役割だと考えています。
かつては私自身も、漠然と「社会に貢献したい」と思ってはいても、具体的にどうすればいいのかわかりませんでした。
ですが、自分にできることを知れば行動できます。そうして行動を続けるうちに、いま環境問題において、企業活動・政治など、世界のあらゆる分野に最も影響を与えているNGO(非政府団体)の一つ、グリーンピースに加わることになりました。
写真:グリーンピース・ジャパンは2018年10月、水産庁に南極海保護を求める署名を提出
環境と平和
いい環境に恵まれてるからこそ、平和はまもられます。
私は北アイルランド内戦のさなかで10代を過ごし、実際に爆弾が飛んでくる恐怖を何度も体験しました。紛争によって数名の同級生が犠牲になりました。とても悲しく、つらいこの経験から、平和や相互理解、対話の重要性を実感しました。
それは今でも私の根幹になっています。
環境が悪化して生態系が破壊されると、生活も破壊されます。たとえば安全な水が極端に少なくなったら、水を確保するための紛争が引き起こされることは、近い将来、現実にありえると考えられています。
気候変動による水不足はすでに予想されていますし、環境破壊による水の汚染はもう起こっています。
水が平和を脅かす未来は、現実に近づいています。平和でなければ社会は機能しないし、機能しなければ環境問題は解決できません。だからグリーンピースは、環境問題と平和・民主主義の問題の両方にはたらきかけを続けています。
写真:福島県、浪江町での放射能調査
次世代のために、この美しい国を守りたい
今日よりも少しでも明るい未来のために動き出せるかどうか、それは一人ひとりの意思次第です。
そのひとつが、政府や企業から資金援助を受けずに、独立した活動を行うグリーンピースの活動に参加していただくこと、あるいはをご寄付で支えていただくことです。
たとえば放射能調査もそうです。また、グリーンピースが発信する情報をフォローやシェアしたり、イベントに参加してくださることも一つの行動です。日常生活のなかで何ができるかを共有し、一丸となれば、社会は進化できるはずです。
私は、自然が好きで、週末はよく山登りに出かけて、特に気に入っているのは、南アルプスの甲斐駒ヶ岳です。日本の自然はほんとうに美しい。次世代のために、できる限りこの美しい国を守りたい。
©Greenpeace
気候変動が深刻化していくといわれる時代に、この社会に生きる一員としての責任を果たしたいと願っています。 ぜひグリーンピースと一緒に、行動してください。