国際環境NGOグリーンピース・インターナショナル(本部、アムステルダム)は3月20日、米国ノースダコタ州立裁判所で、エナジー・トランスファー社がグリーンピース・インターナショナルおよび米国内のグリーンピース法人が石油パイプライン建設を妨害したとして起こした訴訟において、6億6,000万米ドル以上(約1千億円)の賠償責任を認める判決が出たことを受け、以下の声明を発表しました。

グリーンピース・インターナショナル事務局長、マッツ・クリステンセン

「私たちは、気候危機を促進させ、環境人種差別を深刻化させ、公衆衛生や住みやすい地球よりも化石燃料業界の利益を優先させてきた、無責任な行動への破滅的な回帰を目の当たりにしています。トランプ前政権は、4年間を費やして、きれいな空気、水、先住民の主権のための保護を解体しました。今度は考えを共有する企業とともに、抗議の声を封じようとしていますが、グリーンピースを沈黙させることはできません」

グリーンピース・インターナショナル法律顧問、クリスティン・キャスパー

「エナジー・トランスファー社との闘いはまだ終わっていません。グリーンピース・インターナショナルは、言論の自由と平和的抗議活動に対する同社の攻撃について、オランダで反SLAPP訴訟を始めたばかりです(注1)。今年7月、オランダで同社と法廷に立ちます。私たちは決して引き下がりません」

以上

訴訟について

2017年8月、エナジー・トランスファー社は、2016年のDAPL建設中に発生したアメリカ先住民主導の抗議行動をグリーンピースが扇動し、同社に巨額の損害を与えたとして訴訟を起こしました。この訴訟は連邦裁判所によって棄却されましたが、同社はその後ノースダコタ州立裁判所で新たな訴訟を起こしました。実際には、グリーンピースはパイプライン建設による環境影響に懸念を示す公開書簡を500以上の団体と連盟で投資家向けに提出しましたが(注2)、2016年に先住民が主導した抗議行動の現場にはいませんでした。

(注1)グリーンピース・インターナショナルはEUで施行された反SLAPP法を適用してエナジー・トランスファー社に対する訴訟を起こしました(2025年2月11日発表)

(注2)「Concerning: Halt Your Support To The Dakota Access Pipeline」(2016年11月30日)