富士山の初冠雪、観測史上3番目の遅さに気候変動の影響懸念ーー日本の自然を守るためにも温室効果ガス削減の加速を
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)は10月23日、富士山で同日、初冠雪が観測されたことを受け、以下のコメントを発表しました。甲府地方気象台の初冠雪の平年日は10月2日で(注1)、今年はそれより21日遅れとなりました。グリーンピースは10月2日に発表した報道発表資料『富士山が告げる気候変動の兆候ー富士山頂・富士河口湖町における気温の長期傾向(1933年~2024年)』で、年平均気温は富士山頂で100年あたり1.47度、富士河口湖町で同2.64度のペースで上昇しており、気候変動が影響を与えている可能性があることを示しています(注2)。
グリーンピース・ジャパン プロジェクト・マネジャー、高田久代
「統計開始以来130年間で最も遅い11月7日に富士山の初冠雪を記録した昨年ほどではないものの、今年も平年値から21日遅く初冠雪が観測され、雪のない10月の富士山が今後当たり前になっていくのではと憂慮します。富士山頂では、100年あたり1.47度の年平均気温の上昇が観測されています。日本の平均気温は世界平均を上回るペースで上昇していますが、富士山頂ではそれよりさらに早いペースで気温が上昇しています。地球温暖化と降雪の関係は複雑で一概には言えませんが、富士山の長期的な気温の上昇傾向については、ここ40〜50年は地球温暖化の影響が現れていると専門家も指摘しています(注3)。私たちが今取り組むべきことは、自然界における気候変動の影響に関心を寄せ、その進行を抑えるために迅速に温室効果ガス削減を加速させることです」
以上
(注1)甲府地方気象台、気候・気象観測統計
(注2、3)グリーンピース・ジャパン「富士山頂の気温 100年あたり1.47度上昇、長期的な上昇傾向 気候変動の影響指摘もーー報道発表資料『富士山が告げる気候変動の兆候』」(2025年10月2日発表)