国連公海等生物多様性協定の発効、日本政府の批准を歓迎ーー新たな海洋保護区の早期設定へ促進期待
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)は、1月17日にどの国の主権も及ばない公海の生物多様性の保全と持続可能な利用を目指す国連公海等生物多様性協定(注1)が発効することを受け、本日、以下の声明を発表しました。グリーンピースは、海洋の生態系を守るために世界規模で活動しており、本協定の成立や締結に向けて約20年前から各国・地域で働きかけを行ってきました。

グリーンピース・インターナショナル 海洋担当、ルーカス・メウス
「グリーンピースは、数百万種の生物と重要な生態系が息づく公海を保護するため、20年にわたって活動してきました。その結果として本協定が発効することを心より歓迎します。今後、協定を批准した各国政府は、公海保護のための法的義務を負うことになりました。一方で、2030年までに海洋の30%を保護する目標達成まで、あと4年しかありません。大規模な漁業企業が、海を搾取するのではなく、保護することを優先するためには、政府による強制力が必要です。
各国政府は、新たな保護区群を迅速に設定し、海を破壊する企業活動を確実に制限するためにあらゆる手段を講じなければなりません。対応が遅れれば遅れるほど、美しくも脆弱な海洋生態系への損傷は増大するのです」
グリーンピース・ジャパン事務局長 サム・アネスリー
「国連公海等生物多様性協定の発効、ならびに日本が本協定を批准したことを歓迎します。現在、世界の3分の2を占める公海と深海底に関して生態系保護のためのルールはなく、公式に保護されている海域は全体の1%のみですが、本協定は、気候危機の緩和、生物多様性の崩壊阻止、食料安全保障を守るための公海保護区設定を可能にする、初めての法的枠組みとなります。世界の海の30%以上を実効性のある海洋保護区にできれば、海洋生物が汚染や気候変動等によるダメージから回復し、海の生態系の状態を改善できることが科学的に指摘されており(注2)、これを速やかに実現するために本協定の早期発効が求められてきました。
海の生態系を守ることは、海の豊かさに繋がります。豊かな海は、多様な生物を育み、気候変動の影響を緩和するだけでなく、海の恵みとともに暮らしてきた世界中の人々の生活や文化、健康の基盤です。古来より人と海の深い繋がりをもつ日本だからこそ、日本政府には協定がその趣旨に沿って一刻も早く具体的に運用されるよう尽力することを期待します」
以上
(注1)「海洋法に関する国際連合条約に基づくいずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定」(略称「国連公海等生物多様性協定」。「BBNJ協定」とも呼ばれている)(注2)グリーンピース報告書『30×30: 海洋保護の未来図』(2019年4月11日発表)