神奈川県の若い世代に気候変動問題への理解を深めてもらおうと、「かながわユース気候会議」(かながわ脱炭素市民フォーラム主催)が12月7日、横浜市西区のビジョンセンター横浜みなとみらいで開かれました。県内在住・在勤・在学の35歳以下の若者ら、あわせて約50人が集まり、課題解決のアイデアなどについて協議しました。都道府県規模で若者が主体となり気候市民会議を開催するのは全国初で、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)が事務局を務める市民団体「ゼロエミッションを実現する会」が協力、神奈川県も同会議を後援しています。

同会議は、気候変動問題の専門家や県内の実践者から神奈川県における気候変動対策の基礎と課題を2日間にわたって学び、共に解決策を考えることを目的として開催。初日の午前は、東京大学未来ビジョン研究センターの江守正多教授ら気候変動の専門家が、気候変動の現状や気候変動対策における市民の重要な役割、再生可能エネルギー普及の現状と課題について講義しました。続いて、かながわユース気候会議事務局が神奈川県内での再エネ・省エネに関する取組み事例の紹介や課題を共有しました。

午後は県内の設計施工会社や工務店経営者、建築士ら4名を迎え、「家と再エネ・省エネ」をテーマにクロストークを開催。実際にZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)や断熱を専門にしている現場の目線から議論が交わされ、ワークショップの時間には参加者から「なぜ神奈川県が断熱等級に関する導入目標を設定していないのか」など様々な疑問が挙がりました。会議に参加した神奈川県在住の10代女性は「県内の気候変動対策の課題について理解を深められてよかった。神奈川県と気候変動への関心という共通点で同世代と繋がることができてうれしい」と話していました。

8日は、神奈川県のソーラーシェアリング(作物を育てている農地にソーラーパネルを設置して発電する取り組み)について、同県内でソーラーシェアリングを経営する会社代表が登壇し、現状の取り組みを発表する予定です。2日間の会議の最後には、それまでのディスカッションを踏まえて、参加者が自ら実践するアクションプランを策定するとともに、参加者の取り組みだけでは対応できない課題については「提言書」としてまとめます。提言書は後日、かながわユース気候会議のメンバーらが、神奈川県の地球温暖化対策計画を策定する県脱炭素戦略本部室と黒岩祐治知事宛に提出する予定です。