プラスチック生産量を削減し環境配慮型の仕組みを普及させる条約を求めるーープラスチック若者会議、国際条約実現に向けた提言書を発表

プラスチック汚染解決のための国際プラスチック条約の締結に向け、政府や経済団体に若者の声を届けることを目指すユース・イニシアティブ「Global Plastic Treaty Youth Initiative」(以下GPTY)が中心となって進める「プラスチック若者会議」は10月6日、東京都港区で5回目の会合を開き、日本政府にパリ協定1.5℃目標に整合する温室効果ガス排出削減のためにプラスチックの総量削減などを求める提言書を発表しました。プラスチック若者会議は、若い世代が本格的にプラスチック問題を議論する取り組みで、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)が特別協力しています。
同会議は7月から計5回開かれ、これまで10〜20代の約50人がプラスチック汚染の現状について専門家から講義を受けながら、解決策を議論。最終回となったこの日の会合には16人が集まり、これまでの会議で話し合ったプラスチック問題について、「持続可能な生産と消費」「リユース/エコデザイン」「漁具廃棄物などゴーストギア対策」など5つのテーマごとに確認し、現状や課題分析に基づいて提言書にまとめました。
提言書で同会議は、プラスチックの総量を減らすための世界共通の措置や削減に関する目標を条約に盛り込むべきと指摘したほか、使い捨てプラスチック削減のためには生産者から消費者まで責任が分配されるように、プラスチック容器包装税の導入義務化することなどを要望しています。また海洋汚染の大きな原因の一つのなる漁業由来の海洋プラスチックごみ「ゴーストギア」については、対策設定のために現状把握が不可欠としており、定期的に海底調査を実施し、状況報告をすることを義務づける内容を条約の内容に盛り込むよう求めています。
今回の提言について、プラスチック若者会議の松倉杏奈氏は「若者が政策提言に参加する希少な機会を経験できてありがたい」と話していました。
プラスチックの環境汚染対策については、2022年の国連環境総会で国際条約策定の議論を開始することが決定し、これまで4回にわたって内容を議論する政府間会合が開かれてきました。プラ若者会議の代表メンバーは、11月に韓国・釜山で第5回会合(INC5)が開催されるのを前に、日本政府や関連省庁、各政党、経済団体などに提言書を提出する予定です。