2015/05/20 グリーンピース声明: 原発以西住民5,200人が孤立の恐れ、原子力規制委は避難計画も審査を ——四国電力伊方原発3号機の再稼働適合審査書案の公表を受けて
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、本日、原子力規制委員会が、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の再稼働適合審査書案を公表したことを受けて、下記の声明を発表しました。
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン 核/エネルギー担当 鈴木かずえ
「原子力規制委員会は科学的証拠を顧みずに、川内原発(九州電力)、高浜原発(関西電力)、そして伊方原発(四国電力)、と再稼働のプロセスを推し進めています。これは、住民にはなはだしいリスクを押し付けるもので到底受け入れることができません。
愛媛県の佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発で大事故が起これば、原発以西に住む5,200人は孤立する恐れがあります(図1)。原子力規制委員会は防災計画が住民の安全を守るものとなっているべきかについても、審査すべきです。
また、伊方原発は、敷地の北直近に日本最大の断層系である中央構造線が、南には活発で大規模な地震発生源の南海トラフが走っており、地震国日本の原発の中でも大地震に襲われる可能性の高い原発です(図2)。
伊方原発に対しても全基差し止めの裁判が1000人以上の原告団により取り組まれており、その最大の争点は地震のリスクです(注1)。他の原発裁判でも指摘されてきた地震リスクの過小評価の問題がここでも置き去りにされています。
伊方原発差し止め裁判では、原子力規制委員会と原子力産業の、人々の安全を最優先しないやり方が明らかにされています。原子力規制委員会には『原子力の規制を通して人と環境を守る』自らの理念に立ち返ることを求めます」。

<図1:四国電力 伊方原発の立地>

<図2:伊方原発を囲むような断層系>
注1:詳しくは「伊方原発をとめる会」http://www.ikata-tomeru.jp/をご参照ください。
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国際環境NGOグリーンピース・ジャパン