188の環境保護団体が、「使い捨て製品」の廃止を求める ーー22日からの国連環境総会(UNEA)に先立ち

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は、本日、使い捨て製品が自然環境、野生生物、人々の健康、脆弱な地域社会に与えている甚大な影響についてまとめたポジションペーパー『使い捨てからシステムチェンジへ(From Single Use to Systems Change)』に賛同を表明しました(注1)。
本ポジションペーパーは、Canopy、Break Free From Plastic、Dogwood Allianceなどの団体が中心になってまとめたもので、2月22-23日に開催される第5回国連環境総会(UNEA-5)での「Strengthening Actions for Nature(自然のための行動強化)」の議論に先立って、17日に発表されました。これまでに世界188の環境保護団体が賛同を表明し、環境汚染をもたらす使い捨て製品生産を支えるシステムを変えるよう、各国政府に呼びかけています。容器包装やカトラリー、カップなどの使い捨て製品は、人類が毎年生み出す20億トンの廃棄物の主な原因になっており、この量は2050年までに70%増加すると予測されています(注2)。
グリーンピース・ジャパン プラスチック問題担当 大舘弘昌
「日本でも、プラスチックから他の素材へという取り組みが多く進んでいます。しかし、素材に関わらず脱使い捨てを求める動きが、世界中で広がっています。プラスチックを減らすために紙素材や他の使い捨て代替素材に移行することは、私たちが抱える環境問題の根本的な解決策にはなりません。使い捨て製品そのものからの脱却を目指すことは、ごみを減らすだけでなく、気候危機、森林、海洋生態系が抱える問題に包括的に取り組むことにつながります。使い捨てでない新しい解決策『リユースビジネス』の事例も新興企業を中心に登場しつつありますが、各国政府の後押しによって仕組み自体を転換することが優先課題です」(注3)。
Dogwood Allianceのコミュニケーション・ディレクター、スコット・カランダ
「紙かプラスチックかという選択は、常に間違った選択でした。紙への移行は、森林伐採の増加を意味します。気候変動に対する私たちの最善の防御策でもある森林が破壊され、製紙工場が立地する地域がさらに汚染されます。先進国は今こそ、より持続可能な生産方法や製品に移行するために、リーダーシップを発揮する時です」
(注1)https://canopyplanet.org/single-use-to-systems-change/
日本からは、グリーンピース・ジャパンの他に、一般財団法人 地球・人間環境フォーラム、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)が賛同
(注2)https://sensoneo.com/sensoneo-global-waste-index-2019/
(注3)
- グリーンピース報告書『スマート・スーパーマーケット 使い捨てプラスチック・包装からの脱却と革新的な小売り業者への道筋』
- SolvingPackaging.org (The Environmental Paper Network)使い捨てから脱却し、持続可能な包装ソリューションを推進するための新ウェブサイト