日本 プラ生産規制に消極的姿勢目立つ、汚染根絶のためより野心的な行動をーー国際プラスチック条約第2回政府間交渉委員会が閉幕
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は、フランス・パリで現地時間の6月2日、法的拘束力のある国際的なプラスチック条約(注1)を議論する第2回政府間交渉委員会(INC2)が閉幕したことを受け(注2)、本日、以下の声明を発表しました。グリーンピースは本政府間交渉委員会に代表団を派遣し、会議に参加しました。
グリーンピースUSA グローバル・プラスチックキャンペーンリード、グラハム・フォーブス
「今回のINC2では、産油国や化石燃料業界がプラ条約を弱体化し、交渉プロセスを遅らせるために全力を尽くしていることが明らかになりました。実質的な議論も行われましたが、それでもなお、手付かずの議題が山積みになっています。プラスチック汚染と気候危機は、表裏一体の関係にあります。国際プラスチック条約は、プラスチック生産規制に正面から取り組まなければなりません。それが達成できなければ、この条約は失敗に終わるでしょう」
グリーンピース・ジャパン 政策渉外担当、小池宏隆
「日本政府は今回、INC2直前に、2040年までにプラ汚染根絶の目標を掲げる国家・地域のグループ『プラスチック汚染を終わらせる高野心連合(HAC)』への参加を表明したこと(注3)や、期間中、ウェイストピッカー(注4)などのステークホルダーとの会合に参加するなど、包括的なプラスチック条約策定に、より積極的な姿勢を見せたことを歓迎します。
一方で、『条約は国別行動計画(NAP)を中心とし、循環経済の構築や持続可能なデザインの促進をすべき』という主旨の発言があるなど、日本政府は依然としてプラスチックの生産規制に消極的な姿勢を見せました。NAPや循環経済の構築などはそれぞれ重要な施策であるものの、加速的に拡大するプラスチック生産に制限をかけなければ、プラ汚染は止められません。日本政府には今後、プラ生産の規制を含めたより実行的なプラスチック条約実現のために、より高い目標を掲げて行動していくことを求めます」
(注1)グリーンピース・ジャパン 声明(2022年3月2日発表)
(注2)国連環境計画(UNEP)発表(2023年6月2日発表)
(注3)経済産業省 発表(2023年5月26日発表)
(注4)発展途上国の路上や廃棄物処分場で、有価物を非公式に回収・売却することで現金収入を得ている人たち