国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は、2022年11月28日から12月2日(現地時間)までウルグアイ、プンタ・デル・エステで開催された、法的拘束力のある国際的なプラスチック条約(注1)を議論する第1回政府間交渉委員会(INC1)の閉幕を受け(注2)、本日、以下の声明を発表しました。グリーンピースは本政府間交渉委員会に代表団を派遣しており、会議の動向を注視してきました。

グリーンピースはINC1に参加する各国リーダーに向けたメッセージをプロジェクションマッピングした(注3)

グリーンピースUSA プラスチック・プロジェクト・リード グラハム・フォーブス

「私たちは、石油大手や石油化学会社の要請によって石油生産国が本条約の議論を支配し、その野心を弱体化させるようなことはさせません。プラスチック業界が今のままであれば、プラスチック生産量は今後10〜15年で2倍に、2050年までには3倍になる可能性があり、地球や人類に破滅的な影響をもたらすでしょう。プラスチック汚染を終わらせるための高い野心連合(注4)は交渉を進め、プラスチック汚染から私たちの地域社会や健康、気候を守るためにより野心的な手段を求めるよう、リーダーシップを見せなければなりません。

国際的なプラスチック条約はプラスチック時代を終焉させるための重要な機会であり、政府はこの機会を無駄にしてはなりません。世界の主導者たちには、プラスチック生産および使用を大幅削減し、包括的で正義を中心とした議論を開始する強力で野心的な条約を作ること、そして次回以降のINCにプラスチック業界の干渉がないように保証することを求めます」

グリーンピース・ジャパン プロジェクトマネージャー 高田久代

「日本がプラスチック条約制定に向けた政府間交渉をリードすることは、プラスチックの原料採掘から生産、流通、消費、廃棄、流出まで、全ての段階における汚染に対応し、大量生産・大量消費社会から根本的に転換させていく条約を目指すために力を発揮する機会です。また、日本政府には、プラスチックによる海洋汚染やリサイクルに限らず、海洋汚染の由来である陸上ごみ、そしてプラスチックの生産体系を含めた包括的な条約づくりへの貢献を改めて求めます」

以上

(注1)グリーンピース・ジャパン 声明(2022年3月2日発表)

(注2)国連環境計画(UNEP)公式サイト(2022年12月2日発表)

(注3)グリーンピース・メディアライブラリ

(注4)2022年8月22日、2040年までにプラスチック汚染を根絶させることを目指す高い野心連合が、20カ国が加盟して発足しました。