国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)は2月6日、トヨタ自動車(愛知県豊田市)が、執行役員最高財務責任者(CFO)の近健太氏が4月1日付で社長兼CEO(最高経営責任者)に昇格する人事を発表したことを受け(注1)、以下のコメントを発表しました。

グリーンピース・ジャパン 気候変動・エネルギー担当、塩畑真里子

「2月6日、トヨタ自動車は佐藤恒治社長が副会長に就任し、近健太執行役員が社長に昇格する人事を突如発表しました。トヨタは、2025年の販売台数が1,100万台を超え、過去最高を記録しただけでなく、6年連続で販売台数で世界トップの座を守ったことが報じられたばかりです。理由は、米国の高関税政策で収益力を増強させる必要性や収益構造の改善を図るためとされています。

佐藤氏は、2023年4月に社長に就任し、これまで約3年間、グローバルレベルで大きく変革が進む自動車産業のなかでの難しい舵取りをしてきました。トヨタが現在、世界の自動製造産業の脱炭素の先導的立場にあるとは言い難いものの、昨年には中国、米国などで新しいEVのモデルを投入、日本でもbZ4XがEVのトップセラーになるなど、同社が掲げる全方位戦略の中でも特に電気、EVの開発や生産について進展が見られた年でもありました。

トヨタは、ソフトウェア定義自動車(SDV)や自動運転技術についても豊富な資金力を活かし、他のレガシー企業に比べてテスラやBYDに追い上げを見せていることも事実です。一方で同社が力を入れている水素、合成燃料については、再生可能エネルギーが潤沢に確保できなければ脱炭素の手段となることは困難であり、バイオ燃料は土地利用の変化による新たな環境問題を生じさせることは明白です。新たに就任する近社長には、自動運転技術開発と同じレベルの意欲で脱炭素を推し進めていくことを期待します。グリーンピースは、引き続きトヨタに対して、1.5度目標に整合する意欲的な温室効果ガス排出削減目標の設定、実質的な総排出量の削減を実現する現実的かつ効果的なビジネスの展開を求めます」

(注1)日本経済新聞 「トヨタ社長に近健太氏 副会長に佐藤社長『フォーメーション変更』」(2026年2月6日)