生鮮食品や加工食品のパッケージやペットボトル、ストローや使い捨ての食器など、わたしたちの生活に溢れている使い捨てプラスチック。

一度使ったらすぐごみになるプラスチックでも、自然界では分解されることなく数百年にもわたって環境を汚染します。

香港のスーパーマーケットにて。

それでもふつうに生活しているとなかなか減らせない使い捨てプラスチックのこと、一般消費者の皆さんはどう思っているのか、意識調査をしてみました。

調査時期は9月下旬、国内在住の1000人を対象に18~79歳で10代刻み(10代は20代に換算)の男女の人口構成比に合わせて、すべての都道府県で実施しました。

ここではそのハイライトを抜粋してご紹介します。

「不要、過剰なサービスが多い」8割以上

Q. 暮らしの中で、不要な使い捨てプラスチック製品や過剰包装のサービスが多いと思うことはありますか。

「非常にそう思う」「多少そう思う」を合わせると81.2%の人が、過剰包装が多いと感じているという結果になりました。

世代別では70代では94%もの方々が多いと回答しています。

昔、誰もが買い物カゴをもって商店街に行って、お肉もお魚も野菜も紙で包んで購入していた習慣をよくご記憶の世代にとって、いまの何でもかんでもプラスチック包装というのはやはり過剰なのでしょうか。

具体的にどのサービスがそれにあたるかを聞いてみたところ(複数回答)、上位5位は「肉や魚用のトレー」39.5%、「菓子の個包装」38.1%、「ダイレクトメールやパンフレットなどのプラスチック製袋」33.5%、「通信販売の緩衝材や包装」30.2%、「テイクアウト時の容器や包装」29.2%。

確かに最近のダイレクトメールは紙の封筒ではなくプラスチックの封筒に入ってるもの、ありますね。プラスチックごみを減らそうとしていても、ダイレクトメールや通販の過剰包装は消費者側から拒否できるものではないので、やはり企業側にもっと意識してもらいたいですね。

「他に選択肢があったら利用してみたい」と思う人は約7割

Q. もし衛生面、価格、利便性などに問題がなく、このような使い捨てプラスチックを使わないための選択肢がもっと身近にあるならば、利用してみたいですか。

全体の7割の方が「非常にそう思う」「そう思う」と答えています。世代別では、70代がもっとも多く88.6%、30代の79.5%、60代の78.9%。

使い捨てプラスチック問題は幅広い世代に意識されているのかも…という結果になりました。ヨーロッパでは肉も魚も野菜も量り売り、裸売りというスーパーが増えています。日本でももっと増えてほしいところです。お菓子の個包装も、必ずしもプラスチックでなくてはならないものではありませんよね。実際個包装は紙が使用されているお菓子もありますし。

9割近くの人がマイバッグ派

Q. 普段のあなたの行動で当てはまるものを教えてください。(いくつでも)

1 マイバッグを持ち歩く(87.8%)
2 使い捨てのマスクではなく、リユース(何度も使える)マスクを使っている(49.5%)
3 飲み物を入れるマイボトル(水筒)を持ち歩いている(42.8%)
4 ペットボトル製品は買わない(8.3%)
5 使い捨てのカトラリー(割り箸、フォークやスプーン)をもらわない(25.6%)
6 使い捨てストローは使わない(17.6%)
7 カフェには、マイタンブラー(マイボトル)を持ち込む(4.2%)
8 飲食店等で提供される使い捨てのおしぼりを使わない(4.1%)
9 飲食店で食事などをテイクアウトする際は、自分の容器を持ち込んでいる(2.0%)
10 使い捨てのラップの代わりに、みつろうラップなどの何度も使える製品を利用している(4.6%)
11 その他(1.9%)

使い捨てプラスチックを減らす習慣を、できることからすでに始めている人が多いことに驚かされました。
なかでも、9割近くの方がマイバッグを持ち歩いているというのがすごいですね。
意外に回答が少ないのが「ペットボトル製品は買わない」。そもそも飲料や調味料の多くがペットボトルで売られていますから、これを絶対に買わないというのはちょっとハードルが高いかもしれません。
テイクアウトも使い捨てプラスチック容器ではなく、マイ容器の持ち込み可能としているお店もありますが、まだまだ少数派です。

世界で進む使い捨てプラの包括的な規制

Q. レジ袋の有料化だけでなく、他の使い捨てプラスチック製品について、使用規制や有料化を進めるべきだと思いますか。

全体の62%が「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と回答。

レジ袋の有料化だけではほんとうの解決策にはならないことを感じている人も一定数いらっしゃるようです。

ヨーロッパやカナダ、中国や韓国、台湾などでは、使い捨てプラスチック製の食器、ストロー、マドラーなどについて、いつまでと期限を設けて段階的に禁止する動きが広がっています。レジ袋に至っては127カ国で禁止を含めた規制がすでに導入されています。

消費者がなくしたいとどれほど努力しても、企業が経営方針を改善しても、制度が伴わなければ根本的な問題はなかなか解決しません。

プラスチックごみを減らすには、リユース・リサイクルだけでなく、まずは生産量を減らすこと=リデュースが先決。

世界ではすでに多くの解決策が生まれています。例えば、アメリカでリサイクル事業を手がけるテラサイクル社が、「現代の牛乳配達」として、各国で展開中している「Loop」というオンラインプラットフォームがあり、日用品から食材まで、さまざまな商品を詰め替え容器で購入でき、2020年中に日本にも上陸予定です。

同じくアメリカのヴェッセルワークス社は、おしゃれなデザインのステンレスタンブラーの回収・洗浄・配送を行っており、保健所とも協力して厳しい基準に則った徹底した衛生管理のもとサービスを提供しています。今後は、こういった適切に管理されたリユースの仕組みがより注目されてくるでしょう。

グリーンピースでは、企業や自治体へのはたらきかけを通じて、使い捨てプラスチック削減をめざしています。昨年から今年にかけては、日本政府に提言をしたり、東京都にマイボトル給水機を増やすようはたらきかける活動もしてきました。

いま、使い捨てプラスチックを減らしたいという皆さんの声を政府や企業に届ける署名を実施中です。

プラスチックごみを減らしたいけど、スーパーなどで買う必需品にどうしてもプラスチックが使われている…とジレンマを抱えているみなさんも、是非、一緒に声を届けてください。