グリーンピースの呼びかけに、ユニクロが応えてくれました!―日本の衣料品メーカーとして画期的発表
こんにちは、キャンペーン担当の高田です。
8月12日、衣料品の企画、生産、物流、販売を一貫して行うユニクロを展開するファーストリテイリング社が、「危険化学物質」の排出ゼロを目指すと発表しました。
グリーンピースは、今回の同社の発表を日本の衣料品メーカーとして画期的なものと歓迎します。また、同社が業界のリーダーとして、このビジョン実現のためにさらに具体的な行動を続けることを期待します。
今年7月から、グリーンピースは世界的なスポーツ・衣料品ブランド30数社を巻き込んで、有害化学物質による水汚染をなくしていく、”デトックス・ウォーター”キャンペーンを展開しています。
7月13日、グリーンピースは、アディダスやナイキなど世界的なスポーツ用品メーカーやH&Mやユニクロなど大手衣料品メーカーと取引実績のある、中国の繊維加工工場2か所で採取した排水サンプルから、残留性や生物濃縮性のある重金属や環境ホルモンなどの有害化学物質が検出されたことを明らかにしました。詳しくは→レポート「ダーティーランドリー」(英文)。
さらに、8月23日には新しいレポート「ダーティーランドリー2」を発行。
こうした世界的なスポーツ・衣料品ブランドのうち15社の製品を検査した結果、78サンプル中52サンプルから有害化学物質(ノニルフェノールエトキシレート)を検出したことを発表しました。
ユニクロ(株式会社ファーストリテイリング)は、唯一の日本企業として、キャンペーン対象となっており、これまで担当の方と話し合いを重ねてきました(夏休み返上で対応くださった担当の方に感謝です)。
すでにお伝えしているプーマの「2020年ゼロ排出宣言」に加え、
世界最大のスポーツウェアブランドのナイキも8月17日にデトックス宣言を発表。
2020年までにナイキのサプライチェーン全体で、製品ライフサイクルの全般において、すべての有化学物質の排出をゼロにし、生産過程で使用し排出される化学物質の量を、生産拠点ごとに公表することを、顧客に約束しました。
製造工程のどこで、どんな有害化学物質がどれくらい使われ、どのように排出されているのか――その全体像をつかむことは簡単なことではありません。
問題解決のためには、企業がサプライチェーン全体をとおして有害な化学物質の使用を監視・削減しながら、最終的には“排出ゼロ”、つまり使用を中止し代替していくための包括的な管理ポリシーが必要です。
そして、その第一歩は、有害化学物質の排出ゼロをめざすとビジョンを発表すること。また、いつまでに、どうやってそのビジョンを実現するかを具体的に公表することが大切です。
プーマやナイキは『2020年までに有害化学物質ゼロ宣言』をし、大手グローバル企業としての製品の製造過程にも責任をもつことを顧客に約束しました。
ユニクロの発表も、日本有数の衣料品ブランドとして、中国などアジアでの環境汚染を減らす意義深い一歩です。
同社が宣言をいかにすばやく実行に移していくか、今後の取り組みがますます注目されます。
デトックスキャンペーンでは、独自の調査、レポート発表、企業との直接交渉、そして世界中の顧客への呼びかけをとおして、有害化学物質による汚染のない未来へとまた歩みを進めることができました。こうしたキャンペーンを展開できることは、企業や政府から財政的に完全に独立しているグリーンピースの持ち味だと思います。日ごろより会員としてサポートしてくださる個人のみなさま、どうもありがとうございます!
今後も、デトックスプレーヤーたちの熱いプレーと、グリーンピースの活動にどうぞご注目ください。
(上部写真: まだ「デトックス宣言」を発表していないアディダス社の店舗前にて。(c) Clement Tang / Greenpeace)