(出典:shutterstock)

スターバックスが、全国の店舗の8割にあたる1,500店舗で、繰り返し使える店内用グラスを導入することを発表しました!

去年グリーンピースが発表した調査では、店内で提供される飲み物の10個に9個が使い捨てカップで提供されていたことがわかったスターバックスですが、店内用グラスの利用が徹底されれば、店内での使い捨てカップの消費を大幅に削減できる可能性があります。

2021年からスターバックスに脱使い捨てを求めてきたグリーンピースと、一緒に声を上げてくれたサポーターのみなさんにとって明るいニュースです!

しかし、これまでにも多くの店舗でマグカップが導入されていたにもかかわらず、ほとんど活用されてきていないことを考えると、マグカップやグラスの活用を徹底するなど、まだまだスターバックスがやるべきことはあります。

スタバが1,500店舗で店内用グラスを導入

スターバックスが、全国の1,500の店舗で、繰り返し使える店内用グラスを導入することを発表しました!*1

グリーンピース・ジャパンは、スターバックスコーヒージャパンが、使い捨てプラスチックカップで提供していたアイスコーヒー、アイスティーを使い捨て紙カップへ切り替えることを発表した2021年2月から、プラスチックでも紙でもなく、繰り返し使えるリユースカップを導入することを求めて働きかけてきました。

全国の店舗の8割に当たる1,500店舗で店内用グラスを導入するという今回のスターバックスの方針は、グリーンピースが対話の中で求めてきたことに一致する内容で、店内での使い捨てカップの大幅削減につながる一歩です。

使い捨てコーヒーカップのごみがダントツで多いスタバ

グリーンピース・ジャパンは2022年に、日本国内の大手のカフェチェーンが、どれくらい使い捨てカップのごみを出しているか調査した結果を発表しました*2

リユースカップの利用率はわずか3%で、大手カフェチェーンの中でも使い捨てカップの消費量がダントツで多いスターバックス(画像出典:shutterstock)

この調査では、スターバックスのリユースカップ使用率はわずか3%で、1年間の使い捨てカップ消費量は、調査した他の8つのカフェチェーンの合計よりも多い2億3,170万個に上りました。

課題は「使われるかどうか」

店内用グラスが設置されるのは明るいニュースですが、重要なのは、実際に店内用グラスが活用されるかです。

スターバックスでリユースカップ利用率が3%であることがわかった去年の調査の時点で、すでに多くの店に店内用のマグカップが設置されていました。それにもかかわらず、店内で飲食する場合にも10個中9個が、使い捨てカップで提供されていたのです*2

販売数がスターバックスに次ぐ2位のドトールコーヒーでは、例外を除いて店内ではマグカップやグラスでの提供がほとんどで、販売数の77%がリユースカップでの提供です。

スターバックスでも、マグカップやグラスを店舗に設置するだけでなく、使い捨てごみにまだ関心を持っていない利用者にも積極的にお店側から働きかけてリユースカップの使用を徹底していかなければならないでしょう。

そして、テイクアウトでも、レジ袋の有料化でマイバッグを持って買い物に行くのが普通になったように、使い捨てカップを有料にして、返却式リユースカップを借りるかタンブラーを持っていくことを当たり前に変える仕組みを整えることが必要です。

スターバックスの一部店舗で試験導入中の返却式リユースカップと使い捨てカップ(2022年5月撮影)

スタバとグリーンピース、対話の軌跡

2021年2月:スターバックスが、アイスコーヒー・アイスティーの提供を使い捨てプラスチックから使い捨て紙カップへ切り替えることを発表したことを受けて、使い捨てではなく繰り返し使えるリユースカップを導入するように働きかけるキャンペーンを開始*

2021年4月:韓国のスターバックスが2025年までの脱使い捨てを発表し、それを受けてグリーンピースが日本でも2025年までに使い捨てカップを廃止することを求める要望書をスターバックスに提出*

2021年6月:グリーンピースがアクティビストのeriさんと一緒にスターバックスと対話を行い、キャンペーンに賛同する2,400名からのメッセージをスターバックスに届ける*

2021年6月:スターバックスが東京都丸の内エリアで、返却式リユースカップの仕組みの実証実験を開始すると発表*

2022年3月:スターバックスが、一部店舗で店内での冷たい飲み物のリッド(蓋)なし提供を開始、2022年夏に全国展開を目指すこと、一部の店舗でグラスを導入することを発表*

2022年7月:グリーンピースによる調査で、スターバックスが1年間に2億3,170万個の使い捨てカップを消費し、リユースカップ利用率がわずか3%に止まることが明らかに*

2022年10月:グリーンピースがスターバックス・タリーズ・プロントの利用者を対象に意識調査を発表し、80%以上の人が「使い捨てカップを減らすべき」と考え、約70%が「店側の勧めがあればリユースカップをもっと利用したい」と考えているといった結果をスターバックスにも共有*

2023年2月:スターバックスが、繰り返し使えるグラスを1,500店舗で導入することを発表

当たり前にリユースでコーヒーを楽しめる日はいつやってくる?

スターバックスの一部店舗で試験導入中の返却式リユースカップ(2022年5月撮影)

すでに韓国のスターバックスは2021年の時点で、2025年までに使い捨てカップから脱却する目標を発表し、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域のスターバックスでも、社長が「長期的にはリユースを唯一の選択肢としていかなければいけない」と話すなど、リユースに向けた動きを加速させています*3。

日本のスターバックスにも、1) 脱使い捨ての明確な目標を発表し、2) 店内で使い捨てを大幅に減らし、3) 使い捨てカップへの課金などテイクアウトでも返却式リユースカップやタンブラーの利用を促進することを求めて、グリーンピースは働きかけを続けていきます。

スターバックスは、多くのファンを持つ大きな影響力のある企業です。かつてスターバックスがコーヒーの持ち歩き文化を広めたように、次はその大きな影響力を使ってリユース文化を広めるリーダーになってくれるように、ぜひ一緒に声を届けてください!