【写真でわかる】アマゾンの森林破壊で危機に直面する生きものたち7選
世界最大の熱帯雨林であるアマゾン。その流域は驚くほど広大で、南米の9カ国にまたがり、世界の熱帯雨林の約半分を占めています。ここで暮らす動植物は数百万種を超え、世界に知られている生物種の約10%がこのアマゾンの森で暮らしています。また、アマゾン川流域から海に注ぐ淡水量は世界の河川流量の約5分の1を占め、この水域で確認されている魚の種類は3,000種以上にのぼります。このままアマゾンの森林破壊や河川の汚染が進むことで、生きものたちが安心できる住処や餌場がなくなり、地球の生態系に取り返しのつかない危機を招きます。
IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストの指標に基づきながら、アマゾンを代表する動物たちが直面している危機をまとめてみました。
ジャガー

《絶滅リスク:準絶滅危惧》
ジャガーは、アメリカ大陸最大のネコ科動物で、大きく丸い頭と短い脚、力強い体格をしています。美しい毛皮には、濃いロゼット模様と斑点模様が見られます。泳ぎが得意なジャガーは水辺に生息することが多く、その強力な顎でシカ、アルマジロ、サル、トカゲなどの獲物の頭蓋骨を突き破ることができます。現在、準絶滅危惧種に指定されているジャガーは、生息地の喪失と違法な狩猟により、かつての生息域の半分を失っています。熱帯雨林を保護することは、ジャガーの生存にとって不可欠です。
ベニコンゴウインコ

《絶滅リスク:低懸念》
ベニコンゴウインコは、メキシコ南部からブラジルにかけての中南米の熱帯雨林に生息する、色鮮やかな大型のオウムです。体長は80センチメートルを越える大きさまで成長し、赤、青、黄色の鮮やかな羽毛と、木の実や種を割るのに適したくちばしで知られています。一夫一婦制のつがいを形成し、木の洞に巣を作り、互いに羽繕いをして子育てをします。有毒な果実を食べることもあり、粘土を摂取することで毒素を中和していると考えられています。 ベニコンゴウインコは低懸念種に分類されていますが、一部地域では違法取引や生息地の破壊による脅威に直面しています。個体数の安定を確保するためには、継続的な監視が不可欠です。
オオカワウソ

《絶滅リスク:危機》
オオカワウソは、体長が最大で1.8メートルに達する世界最長のカワウソです。家族で生活し、強い絆と協力的な狩猟によって餌をとることで有名です。餌は主に魚類ですが、甲殻類や小さい河川生物も食べます。近年、森林伐採、河川改修などにより河川・湿地の自然環境が破壊され、オオカワウソの営巣地や狩り場が失われています。また、金採掘で使用される水銀による水質汚染で、健康にも被害が出ているのです。
ニョオウインコ

《絶滅リスク:危急》
ニョオウインコは、ブラジル北東部の熱帯雨林に生息し、体長はおおよそ35cmほど、鮮やかな黄色の全身と羽の先端の緑色が特徴的です。その配色がブラジルの国旗と同じことから、同国でよく親しまれています。ニョオウインコは、高さ15〜30mの木の樹洞に卵を産むため、森林伐採によって成熟した大木や樹洞が伐採されると、繁殖率が低下してしまいます。また鮮やかな体色のため、密輸や個人飼育のための違法な捕獲の被害にもあっています。
アマゾンカワイルカ

《絶滅リスク:危機》
アマゾンカワイルカは、最大の淡水イルカで独特のピンク色で知られています。特にオスは年を重ねるごとに色が鮮やかになっていきます。浸水した氾濫原での生活に適応しており、首が柔軟なため、沈んだ木々の間も自在に進むことができます。50種以上の魚を捕食するという特徴も持っています。そんなアマゾンカワイルカは、違法な捕獲や河川の汚染、そして温暖化による水温上昇などの脅威にさらされています。生き残るには健全な川の生態系が不可欠ですが、ダム建設など人間の営みによる圧力が増えています。
スミレコンゴウインコ

《絶滅リスク:危急》
スミレコンゴウインコは、オウム類の中では最大種で、コバルトブルーの羽毛と、目やくちばし周りの鮮やかな黄色のアクセントのカラーが印象的です。ブラジル、ボリビア、パラグアイの一部に生息し、体長は1メートル近くまで達することもあります。社会性や知能が高く、つがいや小さな群れで行動することが多い鳥です。そんなスミレコンゴウインコは、牧草地や農地開発による生息地の破壊が大きなリスクで、樹洞を巣にするため樹齢の長い木の喪失は致命的です。また鮮やかな体色によりかつては乱獲され、現在もペット目的の違法な密輸が続いています。
ナマケモノ

《絶滅リスク:低懸念〜絶滅危惧 》
ゆっくりとした動きで有名なナマケモノ。中南米の熱帯林で、木にぶら下がりながら樹上で生活しています。木の葉を主食とし、代謝が非常に低いのが特徴です。体毛には藻が付着し、周囲に溶け込むことで天敵から身を守ります。近年は森林伐採によって生息地が急速に失われており、特にブラジルのナマケモノは一部(タテガミナマケモノなど)が絶滅危惧種に指定され、保護活動が進められています。
今すぐ行動しよう
アマゾンの熱帯雨林に暮らす多彩な生態系は、まさに生命の宝庫です。
今すぐ行動しないと、このかけがえのない命の源を永遠に失ってしまう危険があります。
いま、あなたにできることを行動に変えてみませんか。
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