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遠洋漁船が「大海の孤島」に…タイ水産業界で人権侵害・違法漁業が終わらない理由
皆さま、おはようございます。海洋生態系担当の岡田です。長い人では9日間のお休みとなった今年のゴールデンウィーク。いかがお過ごしでしたか?金曜日ともなれば休みボケもすでに解消されているはずですが、、、長期休暇の後の5日間連続勤務はやはり疲れやすいもの。今日は、その疲れた頭も冴える少々ショッキングな内容を含むレポート『変化の波ータイの遠洋漁業における人権侵害と違法漁業』の紹介です。このレポートは、グリーンピース・東南アジアの調査チームが、タイの水産業界のサプライチェーンにおける、1年にも及ぶ独自の調査を基に書いたレポート『TurnTheTide』の日本語版です。漁船運営業者は洋上転載がお好き?冷蔵機能がついた大型の運搬船、いわゆるリーファーを利用し、海上での漁獲物の積み換えをすることを、洋上転載と言います。リーファーは、同時に漁船に食料などの物資の供給や労働者の補充なども行なっており、これにより漁船は一度も港に戻ることなく、何カ月も何年も操業を続けています。漁船を運営する会社にとっては、このように長い間、帰港せず操業を続けられるので、燃料や時間を大幅に節約でき、ひいては1隻あたりの漁獲効率も上がります。洋上転載で漁船は「大海の孤島」に!洋上転載により、漁船は監視の目のない広い洋上で長いあいだ孤立します。漁船の乗組員、特に人身売買され過重労働を強制されている漁師にとっては、この環境が何を意味するか誰の目にも明らかでしょう。どんな扱いを受けても逃げ出す事のできない地獄のような大海の中の孤島となってしまう可能性があるのです。漁師たちの衝撃的証言漁師A「ここから逃れるために海に飛び込んでも、サメに食べられるかもしれないと思うと恐ろしかった。実際6人のタイ人漁師が過重労働と虐待に耐えられず海に飛び込んだが、4人は捕まって体罰を与えられ、他の2人は嵐の海に姿が見えなくなった。」漁師B「消費者には、彼らが食べている魚介類は、我々の過重労働、虐待・苦しみによって得られたものだと伝えたい。魚を食べる時には、我々のことを思い出して欲しい。」脚気の集団発生グリーンピースの調査チームは、漁師の死亡事件を調査し、驚いたことに、死因は遠洋底引き網漁船で集団発生した脚気(かっけ)だったと突きとめました。脚気は21世紀の現代では容易に防ぐことができる病気です。ましてや、何億ドルをも稼ぎ出すマグロ漁船上で集団発生するような病気ではないはずなのです。しかし、不十分で偏った食事による栄養失調(ビタミンB1欠乏)・過重労働・洋上転載に起因する長期の連続勤務が原因で集団発生した脚気により、入院を余儀なくされた人たち、さらには死を伴う犠牲者も出ました。アオウミガメなどの海洋生物の脆弱な楽園が違法漁業の餌食にマダガスカル島北端から1,300kmほどの位置にあるサヤ・デ・マルハ・バンク。およそ4万km2の海域です。その10-20%がサンゴで覆われており、それ以外はすべて海草藻場です。この海域は、アオウミガメの餌場であり、シロナガスクジラやザトウクジラの主要な繁殖地でもあります。この脆弱かつ生態系の豊かな海域は実質、無規制海域で、環境や生態系に負荷の高い中層・底引き網漁を中心に操業が行われています。さらには、違法に獲られたサメを洋上転載し、タイの水産拠点に運送していました。人権問題・IUU漁業に由来するお魚を私たちが食べる可能性レポート『変化の波ータイの遠洋漁業における人権侵害と違法漁業』では、人権問題やIUU漁業などの違法行為を通して獲られた魚が、「すり身」の原料として使用されています。こうして作られた「すり身」の多くは、日本に輸出され、カニカマなどの練り物やペットフードなどに使用されています。つまり、洋上転載を行なっている限り、人権問題やIUU漁業に由来する魚を口にする可能性をゼロにすることは不可能に近いのです。スーパーに声を届けよう!!レポート『変化の波ータイの遠洋漁業における人権侵害と違法漁業』(リンクはこちら)では、タイ遠洋漁業界にはびこる深刻な人権問題、違法(illegal)・無報告(unreported)・無規制(unregulated)漁業、いわゆるIUU漁業は、洋上転載により助長されていることを明らかにしています。長期にわたり人権侵害を受けている漁師さん達、不必要にダメージを被っている海洋生物やその生息域を守るためにも、“洋上転載に由来する海産物を売らないでほしい”と思った皆さん。消費者がその声を伝えることにより、ペットフードメーカーのネスレやマースは洋上転載を取り締まることを発表しました(リンクはこちら)。私たち一人ひとりの力が企業を、社会を変えるのです。皆さんもお近くのスーパーに声を届けましょう。スーパーに声を届けよう>グリーンピースは、政府や企業からお金をもらっていません。独立した立場だからこそできる活動で、私たちの知らないところで進む環境破壊や生態系への影響を明らかにしています。寄付という形でも一緒にグリーンピースを応援していただけませんか?寄付する おすすめの読み物『日本もはじめました!チリの海をサーモン養殖の影響から守る署名』『食卓のサーモンが、イルカやクジラの海を汚す』
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山火事と放射能ーーチェルノブイリの学び
福島県浪江町で山火事が起きました。火事は4月29日から1週間以上続きました。…
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憲法記念日に思うこと。
今日5月3日は憲法記念日。「戦争を放棄する」「軍隊を持たない」と定めた日本が世界に誇る平和憲法の施行を記念する…
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「農薬を減らしても生産性は下がらない」〜ネオニコ全廃に向かうフランスであらたな研究
2018年9月からはすべてのネオニコチノイド系農薬の使用を禁止にすることも決めたフランス。農地の5%を有機農業…
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チェルノブイリの教訓を。
日本のみなさん、こんにちは。私は、グリーンピースのエクセター研究所のイリーナ・ラブンスカです。チェルノブイリ原発事故の被害者として、そして母としての経験を聞いてください。@stevemorgan/greenpeace1986年、キエフにいた私のお腹には 私はウクライナで生まれ育ました。1986年4月26日当時は、キエフに住んでいて、妊娠中でした。事故を知ったとき、お腹の子どもに何が起こるか考えることに恐怖を感じました。科学者として、とくに子どもたちに対する放射線の深刻な影響について知っていたからです。私の子どもはチェルノブイリ事故の被害を受けなかった幸運な子どもたちのうちの一人でした。けれども、私は、今日は、幸運ではなかった子どもたちの母親のためもに話したいと思います。(チェルノブイリ原発2016年撮影) 2011年、3月、ウクライナで食品の汚染調査中に。東京電力福島原発事故が2011年3月11日に起きたとき、私は、グリーンピースの調査チームの一員として、ウクライナ北部で、チェルノブイリ原発が爆発した際に放出された放射性元素による地元で生産された食品、特に牛乳の汚染について調べていました。チェルノブイリ被災地域に住む子どもたちは、25年後でさえ、ウクライナ保健省によるセシウム137(40ベクレル/リットル)の許容レベルの16倍を超える汚染されたミルクを飲むことを余儀なくされていました。多くのキノコと野生の果実は、依然としてセシウム137によって汚染されており、やはり許容レベルを超えていました。そして、日本からの原発事故のニュースを聞いて、大変驚きました。2011年8月に日本で調査、福島県に子どもと妊婦の避難を要請グリーンピースは、2011年、3月27日に福島県で放射線測定の調査を開始し、その結果から、高線量だったのに避難区域に指定されていなかった地域の住民、特に子どもと妊婦の避難を福島県に要請しました。続いて4月、6月、8月に福島県を訪問し、調査し、地元の方々と会い、チェルノブイリ事故の結果に関する知識と経験を共有しました。(写真は8月に行なった調査)チェルノブイリ原発事故が起こったとき、ウクライナでは影響の規模全体もそれに対処する方法も知りえませんでした。世界で初めての大規模な原発事故だったからです。しかし、日本にとってはチェルノブイリという前例がありました。そこで、福島県の行政の方々に、チェルノブイリの25年の経験を学び、東電福島原発事故の被災者の被ばくを最小にする努力を尽くすよう要請しました。 なぜ、チェルノブイリから学んでくれないのそして6年後の今、日本で避難指示区域の解除や、避難指示区域外からの避難者の住宅支援の打ち切りなど、影響を受けた人々が政府からの支援を失うというニュースを聞くたびに、「なぜ、チェルノブイリから学んでくれないのだろうか」と問わずにいられないのです。私は、日本政府が放射能汚染地域に住む被災児童の看護制度や被災住民のための継続的な健康診断制度、また、生涯線量が70ミリシーベルトを超える場合には移住の権利を付すなど、チェルノブイリ事故後にウクライナで確立されたような措置を取り入れるものと考えていました。これらの措置は非常に重要です。チェルノブイリ被災国の多くの子どもたちは、1986年にチェルノブイリ原子力発電所から放出された放射能に関連した障がいや先天異常に苦しんでいます。私は日本政府が、法律を整え、長期的な健康診断やケアの制度を、特に子どもたち、そして将来の世代の健康を守るために、確立することを切望します。(「チェルノブイリは続いている」とかかれた横断幕をかかげ、折り鶴を参加者にわたしたグリーンピースのモスクワでのイベント2016年)被ばくから住民をまもる国になって原子力を推進している人たちは、原子力を二酸化炭素を排出しないエネルギーとして気候変動の特効薬のように売り込んでいます。しかし、原子力発電は、事故がなくても、汚染物質を環境中に放出します。放射性廃棄物です。今でも、放射性廃棄物を安全に対処するための実行可能な長期計画はありません。そして、この廃棄物は、何千年もの間チェルノブイリのような汚染を引き起こす可能性をはらんでいるのです。将来のエネルギー需要を満たすために原子力エネルギーを拡大させれば、チェルノブイリや東電福島原発事故のような大災害は、「再び起こるかどうか」でなく「いつ起こるか」の問題なのではと思います。それを防ぐ力が、私たちにあります。私は、日本政府が放射線被ばくから住民を守る国になることを願っています。命と暮らしを犠牲にする電気など容認できません。地球を、青い惑星ではなく、核のゴミ捨て場にして将来の世代に渡すことなど容認できません。そのため、私もできる限りのことをしたいと思います。国連人権理事会の勧告を受け入れて、原発事故被害者の暮らしをまもってくださいいますぐ署名する> ぜひ、この署名を広めてください署名は国連人権理事会が始まる2月23日に向けてまだまだ継続します。1月22日から始まった国会でも勧告受け入れについて議論してもらおうと、国会議員へも積極的にはたらきかけています。ぜひ、こちらの署名にご協力をお願いします! すでに署名された方へ。ぜひ、まわりの方にこの署名のことを広めてください。紙の署名用紙もあります>>こちら(白黒コピーしてお使いください) こちらもおオススメあなたの知らないチェルノブイリの15のこと。チェルノブイリ、今を物語る3つの証言。グリーンピースは、政府や企業からお金をもらっていません。独立した立場だからこそできる活動で、私たちの知らないところで進む環境破壊や生態系への影響を明らかにしています。寄付という形でも一緒にグリーンピースを応援していただけませんか?寄付する
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農家と一緒に変えよう いつものスーパーでオーガニックを
知っていましたか?少しずつだけど、日本でもオーガニックの波が広がっていること。その立役者は、環境や健康への安全…