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農薬ではなく生きものの力を借りた農業を
【特別インタビュー】石川県楽園果実石橋農園石橋英朗さんこんにちは、食と農業担当の石原です。ネオニコ系農薬をはじめとした、化学農薬は、ハチにも子どもたちの脳や神経にも危険。だから減らしたい。だけど、農薬の効果に助けられている農家さんにとって、大きな負担になってしまうんじゃないの?みなさんから、よく聞かれる質問です。食と農業担当として勉強中のわたし自身にとっても、実は少し気がかりになっていたことでした。今回食と農業チームは、石川県の河北潟湖沼研究所さんのご協力で、実際にネオニコをはじめとした農薬に頼らないで農業を頑張っている農家さんに、インタビューさせていただきました!インタビューさせていただいたのは、石川県河北潟干拓地で農業をしている石橋さん。「農業を始めて、30年になります。桃や梨、ブドウなどの果樹や野菜をつくっています。農園のほかに、田んぼが約3ヘクタールほどあります」なんと石橋さんは、どうしても無農薬栽培が難しい梨以外は、農園では農薬を使っていないのだそうです。(写真:石橋さんがつくっている無農薬の桃。美味しそう!)どうして石橋さんは農薬に頼らなくなったのか?石橋さんの体験を、みなさんにもお伝えしたいと思います。身をもって感じた農薬の影響(写真はイメージ。)「昔は、田んぼでも、ホースを使って農薬をまいていました。夏の夕方、風がない頃にしていましたが、暑いから裸でマスクも眼鏡もせずにまいていました。その頃は農薬の影響はとくにわかりませんでした。」石橋さんが農薬の危険を感じたのは、梨で農薬を使うようになって2、3年たってからだったそうです。「梨の農薬も、暑いから裸でまいていました。逆風が吹いたりすると体にかかって、それがやがて肝臓にきたようで、一番重いレベルの花粉症になってしまいました。カモガヤの花粉症で、ひどいときは、のどの粘膜が傷つくような咳が止まらないような状態になりました。医者から外に出るなと言われるくらいひどい状態でした。それから農薬をなるべく使わないようにしていったんです。」「これならできそうだ」だんだん農薬を使わなくなったご自身が体調を崩したことをきっかけに農薬を減らしていった石橋さん。いま、農園で農薬を使っているのは梨だけ。「農薬を使わないと、とてもおいしい梨ができるのですが、2、3年で病気にやられてしまいます。一度やられると、3年くらいは収獲できなくなってしまうんです。梨には年間で30回(化学合成農薬が15回と化学合成でないオリジナル農薬が15回)くらい、殺菌剤や殺虫剤を何十種類もかけなければいけません。」以前はぶどうにも農薬を使っていたそうですが、密度を下げて風通しをよくするなど、工夫すると、農薬を使わなくてもできるようになったのだそう。そしたら、花粉症の症状も改善していったそうです。(写真はイメージ)「これならほかでもできそうだ」と思って、だんだん農薬をつかわないようになっていったのだそうです。「農薬は使わなくてもいいのなら使いたくはありません。現在でも農薬に年40万円くらいかかっていますが、その分を肥料などに回せるならその方がいいと思います。」農薬ではなく生きものの力を借りる「生きもの元気米」石橋さんは、殺虫剤のネオニコチノイド系農薬や畔の除草剤を使わずに、お米をつくっていらっしゃいます。ネオニコや除草剤を使わずに、自然の生態系をそのままいかして栽培する「生きもの元気米」の栽培を地域で広めている、河北潟湖沼研究所さんのよびかけで、2年前から始めたそう。(写真:石橋さんの田んぼ。アカトンボやカエルがたくさんいるそう。)「今年からは完全無農薬で作っています。知人や友人に手伝ってもらって、2,457平方メートルの田んぼで生産しています。農薬を使わないと、虫や病気など、気をつけることは増えます。でも、大変さはそんなにありません。米作りをしていてネオニコ系農薬の空散の有無で、違いもありません。だから使わなくてよいものは使わない。わざわざ悪いものをまく必要はないと思います。」「本当はネオニコを使いたくない」という人もいる 石橋さんが「生きもの元気米」を作っている田んぼ周辺地域では、10年くらい前からラジコンヘリによるネオニコチノイド系殺虫剤の空散がはじまったそうです。(写真はイメージ)「周りの人はみんなしていて、していないのは自分だけでした。本当はやりたくないという人もいます。でも、雑草や虫など田んぼの見た目やお米の見た目(斑点米)を気にする人もいるし、斑点米が入っていると米の等級が下がるといった事情もあります。」安全なものを求めている人の手もとに届く仕組みを 無農薬の農産物は高い、というイメージがあると思います。でも、石橋さんはおっしゃいます。「農薬を使っていないから高く売りたい、というわけではありません。ただ、そういったものを求めている人に届くようにしたい。安全なものより価格が安いものがほしいという人が多ければ、それだけ手間をかけないようにして作らざるをえません。」「基本的には自分が作ったものは直接、消費者に届けたいし、消費者にとってもそれが安心できる一番良い形だと思います。でも、米など保存がきくものはともかく、野菜やくだものは出る時期が一度にくるので、難しいところがあるのも事実です。」「多くの人が買い物をするスーパーや生協には、安全なものを求めているあなたのような一人ひとりの手元に、きちんと届くような仕組みをつくってほしいと思います。」いま、スーパーや生協に”有機の農産物を増やして”と求める署名が始まっています。石橋さんのような、安全なものを届けたい、という作り手さんと、みなさんのような安全なものを求める買い手が繋がる場所の一つがスーパーや生協です。作り手と買い手が安心でつながる場所になるよう、ぜひあなたも、署名をお願いします。「有機を増やして!」いますぐ署名で伝える>「生きもの元気米」予約受付中!石橋さんたちが作っている、農薬不使用の「生きもの元気米」は、今予約を受け付け中です。農薬に頼らず、生きものが元気な田んぼですくすくと育っているお米、この秋にお届けします。ご予約はこちらから協力:NPO法人河北潟湖沼研究所(ありがとうございます!) <<こちらもおすすめ>>「ルール通りの農薬管理」の落とし穴“農薬ありき”の農水省が、オーガニックの足を引っ張っている農家さんの半分以上が「有機にしたい」!…
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