[スタッフVoice] 異なる専門性を持つ二人が、協力しながら社会を動かすキャンペーンをつくる
この投稿を読むとわかること
~広報×キャンペーンの現場から:若手スタッフが語る仕事のリアル~
グリーンピースの活動現場では、若手スタッフも裁量権をもって活躍しています。成果を上げるには、専門の垣根を越えて協力し合うことが決め手です。入職1年目のキャンペーン担当と2年目の広報担当が、どのように協力して社会に働きかけているのか、入職して感じたやりがいや戸惑いは?―そのリアルな声をお届けします。
現在のお仕事について、それぞれ教えてください


K・Sさん(広報担当)
2024年4月にグリーンピース・ジャパンに入職し、現在は気候変動とエネルギーに関するプロジェクトの広報を担当しています。私の役割は、グリーンピースが取り組む「キャンペーン」(環境課題を解決するためのプロジェクト)のメディア戦略と広報全般です。記者とのコミュニケーションをはじめ、勉強会や記者会見の企画・運営、ニュースの執筆など、広報活動は多岐にわたります。2025年は、学校の断熱改修を推進するプロジェクトで、体育館断熱に関する理解を深めるためにメディアへのアプローチや記者向け勉強会の開催、記事の執筆などを手がけました。
I・Tさん(気候変動・エネルギー担当)
私はキャンペーン担当として2025年4月に入職しました。主に学校体育館の断熱改修に向けた予算増額を求める「学校断熱キャンペーン」のチームで活動を行っています。キャンペーンの一環として、青森の小学校で行われた教室の断熱改修ワークショップや、大学との共催で行ったスポーツと気候変動を考えるイベントなどで、気候変動と学校断熱についてのレクチャーを学生向けに行いました。また、2025年夏からは各地の市民の方々と一緒に全国の自治体へ学校の断熱についての要望書と署名の提出を行い、無事47都道府県全てに提出することができました。
現在は新しいキャンペーンの企画を行っています。
キャンペーンと広報の担当者はどのように連携し合うのですか?
グリーンピースでは、環境課題に取り組む活動を「キャンペーン」と呼び、キャンペーン担当をキャンペーナーと呼びます。キャンペーナー、調査担当、政策渉外担当、広報担当が一つのチームをつくって業務を進めます。最初にキャンペーナーが「何をするか」を企画し、その内容を広報が社会に伝える――この連携が、活動を広く知ってもらうための鍵です。実際には他にも複数ポジションの担当者たちと連携しています。
私たちの場合は、2025年の夏、学校断熱の署名提出の際に一緒に動いたのが最初の大きな協働となりました!
実際のキャンペーンの流れを教えてください。
例えば、学校の断熱調査プロジェクトでは、キャンペーナーがプロジェクトを企画立案し、調査を手配します。調査担当が協力校の教室や体育館で温度を測り、データを分析してまとめます。広報は完成したレポートを記者に届けて報道につなげます。このように一つのアウトプットを作るために、調査・キャンペーン・広報がチームで動くのが特徴です。
また、広報が記者に案内して報道につなげたあと、記者から質問があれば、Q&Aを準備してキャンペーナーと一緒に対応する……こうした連携で、社会にメッセージを届けています。
イベントやレポート発表の時期は、プレスリリースや記者会見準備、Q&A作成などで忙しくなります。また、突発的な取材依頼もあり、スピーディな対応が求められるので、チームワークがとても重要です。
これまでの経験が今の仕事にどう活かされていますか?
K・Sさん
新卒で大手通信社に入り、ニュースサイト運営やイベント企画を担当しました。メディア視点や情報収集の経験は、広報の仕事に直結しています。イベント企画の経験も、記者会見や勉強会の運営に活かされています。

I・Tさん
前職では、太陽光発電の法人営業を担当していました。工場の屋根や敷地に太陽光パネルを設置する提案をしていたので、太陽光発電に関する知識は身についていました。2026年以降、屋根置き太陽光をテーマにしたキャンペーンが予定されているので、その知識が役立つと考えています。その他にも、部署間の連携スキルや物事を多角的に捉える力は活かされています。

環境問題に興味を持ったきっかけを教えてください。
K・Sさん
環境問題に関心を持ったのは転職活動がきっかけでした。学生時代に中東に留学していたこともあり、エネルギー分野に興味を持って調べていたところ、化石燃料の課題や気候変動の深刻さを知り、環境問題に強い関心を抱くようになりました。実は、当初NGOへの転職は視野になかったのですが、グリーンピースの求人を見て、広報のポジションであれば「これまでの報道分野の経験を活かせるかも」という率直な気持ちで応募しました。
I・Tさん
ドキュメンタリー映画を見て気候変動の現実を知り、衝撃を受けたことがきっかけです。最初はボランティアとしてグリーンピースに関わり、勉強会に参加する中で同じ関心を持つ人たちとの出会いもあり、関心が高まっていきました。
NGOとの出会い(グリーンピース・ジャパンとの出会い)について
K・Sさん
転職を考えていた際、自分の仕事や行動が社会にどのような影響を与えているのか、より直接的に実感したいという思いがありました。また、グローバルな環境で英語を使って働きたいという希望がありました。当初はNGOへの転職を具体的に想定したわけではありませんでしたが、調べていく中で、現場を重視し、世界各地にネットワークを持つグリーンピースの活動に触れ、貢献したいと感じるようになりました。
I・Tさん
前職で働いていた頃、環境問題に危機感を持つ人が少ないことに課題を感じ、別の仕事や問題解決へのアプローチを考え始めました。グリーンピースの求人を見た時、「環境問題に直接取り組む仕事に挑戦してみたい!」と久しぶりにワクワクしたんです。ボランティアで出会った職員の温かい人柄も大きな理由でした。

入職してから嬉しいと感じたこと、苦労や課題について
最初にグリーンピース・ジャパンに入職して嬉しかったことを教えてください。
K・Sさん
同じ志を持つ仲間と働けることが嬉しいです。環境問題について深く学び議論できる機会が増え、世界が広がったと感じています。海外オフィスとの連携も多くあり、さまざまな国や地域の状況や取り組みを参考に、仕事の幅を広げられることも魅力だと思います。
I・Tさん
一番嬉しかったのは、人との出会いです。職員だけでなく、ボランティアや「ゼロエミッションを実現する会」の参加者など、環境問題に自主的に取り組む方々に出会えたことに感動しました。会社員時代は、本業以外で活動する余裕がなく、こうした熱意ある人々と関わる機会が少なかったので、ここでの出会いは本当に大きな財産です。
また、組織内では情報共有が活発で、国内外のニュースを日本語や英語で知ることができる環境がありがたいです。みんなが同じ方向を向いていて、環境問題への関心が共有されているので、悩みやアイデアを話しやすいです。他の社会課題にも関心が高い人が多く、日々学びがあります。
嬉しかったことと同時に、苦労したことや課題に感じたこともあれば教えてください。
K・Sさん
広報というと「マスコミ対応」というイメージを持っていましたが、NGOの広報は全く違いました。企業広報のように商品やサービスを打ち出すわけではなく、社会課題そのものを伝える仕事です。その課題は大きく、複雑で、一筋縄ではいきません。キャンペーンを打ち出しても、必ずしも世間の関心を引けるわけではないという現実に最初は戸惑いました。
さらに、日本ではNGOの認知度が低く、国際NGOというだけで壁を感じることもあります。「環境問題ってどうなの?」という反応に戸惑うこともありましたが、信頼を積み重ねることで少しずつ前進できると実感しています。今も模索中ですが、社会の認識を変える一歩を作れることがこの仕事のやりがいです。
I・Tさん
前職の業務とは専門性が大きく異なるため、NGOで活かせる知識や経験が限られていました。他の環境団体との会合に出席しているのですが、当初は全ての内容を理解することが難しく、十分なインプットができないこともあり、勉強不足を痛感しました。再生可能エネルギーや気候変動の分野は奥が深く、世間でもさまざまな意見があるので、自分の考えをしっかり持ち、発信できるようになることが今の課題です。
入職後のサポート(バディ・サポートプログラム)について
グリーンピース・ジャパンでは、新しく入った職員が組織にスムーズに馴染めるよう、バディ制度というサポートプログラムを設けています。入職1年目のスタッフに、バディ(相談役)がつき、一緒にランチをしながら分からないことを気軽に聞いたり、ざっくばらんに交流できる機会があります。確か二人はバディでしたよね?
K・Sさん
入職1年目の時はサポートを受ける側でしたが、翌年はI・Tさんのバディをしてます。
K・Sさん & I・Tさん
ハイブリッド勤務体制(オフィス勤務とリモート勤務)で、チームが違うと顔を合わせる機会が少なくなりがちなので、このバディ制度はとても助かっています。基本的にはいつも楽しくおしゃべりしているだけですが(笑)。
I・Tさん
前職はオフィス勤務で、電話も頻繁にかけ合うようなコミュニケーションスタイルだったので、最初はリモート環境に戸惑いました。でも、バディとの定期的なコミュニケーションの機会があることで、ランチタイムや仕事のあとにも気軽に話せる場ができて、本当にありがたいです。
これから実現したいこと
K・Sさん
広報として一番大切なのは、グリーンピースの活動内容と、それが環境問題の解決にどう役立つのかを知ってもらうことだと思っています。ゆくゆくは、メディアの力も通じて、もっと多くの人が環境問題に関心を持ち、行動していくような社会をつくりたい。その一助になれるよう、今も奮闘中です。また、グリーンピースは世界中に拠点があるので、機会があれば海外での挑戦もしてみたいです。
I・Tさん
私は入職して、まだ1年足らずですが、世の中から見ても納得感のある「目に見える成果」を上げていきたいと思っています。例えば、署名提出などのアクションが、具体的にどんな変化や成果につながったのかをしっかり提示することです。
そのために、目標設定や振り返りを重ねながら、NGOとしての社会的影響力を高めていきたいです。グリーンピースの活動がポジティブに受け止められ、『社会に良い影響をもたらしている』と思ってもらえるキャンペーンを実現したいと思っています。

社会課題や環境に関する仕事に関心を持つ人へのメッセージ
このスタッフインタビュー記事を読んでくださる人の中には、お二人のように社会課題や環境に関する仕事に関心を持ち、将来的にソーシャルセクターに進みたいと思っている方がいるかもしれません。そのような方々に、ぜひメッセージをお願いします!
K・Sさん
応募当初は、環境問題に関する知識が十分ではなく、不安を感じていました。しかし、環境問題が健康や教育、人権などあらゆる社会問題とつながっていることを知り、「自分の関心や経験から関わる道がある」と思えるようになりました。環境問題の専門家を目指すだけではなく、生活者としての感覚や自分の経験が、思いもよらない場面で強みになることが多くあります。関心があれば、ぜひ飛び込んでみてください。
I・Tさん
「環境や社会課題を『なんとかしたい』と思う、その純粋な気持ちをどうか忘れないでください。仕事や活動の中で、いろんな苦労や迷いがあるかもしれません。でも、その最初の思いこそが、あなたを動かす力になります。
もし少しでも興味があるなら、まずは一歩を踏み出してみてください。ボランティアでもイベント参加でも、関わってみることで、NGOの活動や現場のリアルが見えてきます。小さな一歩が、未来を変えるきっかけになると思います。
