世界の塩ブランドのサンプル9割からマイクロプラ発見。プラ汚染に逃げ場なし!
みなさん、衝撃です。
韓国の仁川大学校とグリーンピース・東アジアの共同企画による新たな調査で、世界の塩ブランドの、9割以上のサンプルからマイクロプラスチックが見つかりました[1]。
これまでの研究では、魚や貝類、野生生物、水道水にプラスチックが検出されていましたが、世界各地で生産される塩に含まれることがわかりました。
[1] 2018年10月18日グリーンピース・ジャパン プレスリリース 世界の塩ブランドのサンプル9割以上に、マイクロプラスチック見つかる
今回は、過去の研究で塩からマイクロプラスチックが見つかった事実を踏まえ、海塩の汚染の地理的な広がりと、プラスチック汚染レベルとの関係を調査しました[2]。そのために、21の国・地域から合計39の塩ブランドをサンプルとし、海塩、湖塩、岩塩の3タイプを調べました。そこから、様々な新たな情報が見えてきました。
[2] 6大陸16の国と地域の28の海塩、8の国と地域の岩塩、2の国と地域の湖塩
汚染が最も多く見つかったのは海の塩、ホットスポットはアジア
プラスチック汚染が最も高かった塩のタイプは海塩で、次いで湖塩、岩塩の順です。
海からとれる塩にも、内陸からとれる塩にも、マイクロプラスチックが含まれていました。
地域的に、汚染のホットスポットはアジアで、本研究でも注目のポイントです。マイクロプラスチックの含有量は、塩のブランド間で劇的に異なりますが、とりわけアジア地域で生産される塩に多く見つかりました。
塩のマイクロプラスチック汚染レベルと、同じ地域の海や河川の汚染レベルには、似た傾向が見られました。塩サンプルの中で最も汚染レベルが高かったのは、インドネシアの塩です。インドネシアは、世界で二番目にプラスチックごみを海に流出している地域だと言われています。
つまり、海塩の汚染状況を調べることは、その塩が採取された地域のプラスチック汚染レベルを知るのに役立つかもしれないのです。
分析された塩ブランドのうち、複製されたサンプル中にマイクロプラスチック粒子を含まないのは、台湾(精製海塩)、中国本土(精製岩塩)、フランス(天日干しの未精製海塩)の3つのみでした。
年間に最大で2,000個のマイクロプラを塩から摂取
今回調査した塩の平均マイクロプラスチック含有量は、1kg当たり506個であることに基づくと、平均的な成人は、塩から年間およそ2,000個のマイクロプラスチックを摂取する可能性があると推定されます。
それは、とりわけ含有量が高かったインドネシアのサンプルを除外したとしても、年間数百個になります。
このデータは、海由来の製品を介して、プラスチックを人体に取り込むことについて、プラスチックごみの排出が強く関係していることを指摘しています。
河川や海にプラスチックごみが流出し続ける限り、プラスチック汚染の危機には逃げ道がないのは明らかです。
最大の予防策は、プラスチックごみの削減
本研究の責任著者であるキム・スンキュ教授は、「マイクロプラスチックへの曝露を制限するために必要な予防策は、プラスチックの排出を抑制すること、そして何より、プラスチックごみを削減することです」と話しています。
プラスチック汚染は、どうにかリサイクルをではなく、その発生源から止める必要があります。 私たちの健康と地球環境を守るには、パッケージやレジ袋などを使い捨てのプラスチック素材に頼っている企業が、今すぐ減らしていくことが大切なのです。
私たち皆が力を合わせれば、この世代で海のプラスチック汚染を終わらせることができます。日本政府と企業にも、使い捨てプラスチック規制を求める署名に、ぜひ協力してください!