2022年6月、2人の環境活動家が残酷に殺害され、世界中が哀悼の意を表しました。 この悲劇は衝撃的でしたが、同時にグリーンピースが世界中で環境保護活動を続けることへの想いを新たにすることになりました。 皆さんのように地球を大切に思う日本や世界中の人々が、気候変動を抑え、使い捨てプラスチックを削減し、海を保護するために行動を起こしてくれていることに感謝します。今月の世界のグリーンピースの活動をご紹介します。

ブラジル: 森には殺人も暴力もあってはならない

グリーンピース・ソウル事務所のメンバーが在韓ブラジル大使館を訪れ、ドム・フィリップスとブルーノ・ペレイラの殺人事件を調査し、アマゾンの熱帯雨林をさらに保護するよう当局に働きかけた(2022年6月)

2022年6月5日、ブラジルの先住民の人権専門家であるブルーノ・ペレイラさんと英国のジャーナリストであるドム・フィリップスさんが、ブラジル北西部のアマゾニア州ジャヴァリ地域で調査中に行方不明になり、6月16日に残酷に殺害されたことが確認されました。

このニュースは国際社会に衝撃を与えただけでなく、アマゾンの森が森林伐採と焼畑によって崩壊寸前であること、その保護を訴える環境活動やそこに住む先住民がブラジル政府の反環境政策による迫害を受けていることを浮き彫りにしました。

グリーンピースは、アマゾンで失われた命に哀悼の意を表し、この事件の調査を求め続けています。 また、ブラジルからの森林を伐採して作られた商品の輸入を止め、森林破壊を規制し回復させる環境政策を実施するよう、各国政府に働きかけていきます。

フランス:広告を使ってグリーンウォッシュしないで

カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルは、1954年に設立され、毎年数百の国や地域が参加する世界で最も権威のある広告賞の祭典で、広告業界のオリンピックのようなものです。

しかし、パリ協定以降、航空旅行や化石燃料産業のグリーンウォッシュや、化石燃料車の販売を促進する広告に、少なくとも300の賞を授与しています。2022年、IPCCの最新報告書によると、メディアや広告業界による対応が気候危機を悪化させていることが初めて明らかになりました。数百人の科学者がこの問題について共同声明を発表しました。

実際には環境への影響を減らしていないのに環境に配慮しているように見せかける企業のグリーンウォッシュに対抗するため、グリーンピースはフェスティバルの期間中に、メディア関係者が集まる場で、化石燃料企業のグリーンウォッシュ広告を流さないよう求めるメッセージを掲げました。

 同時に、欧州の40の市民グループは、EUにおける化石燃料の宣伝やスポンサーシップを禁止する新しい法律を求める欧州市民イニシアチブ(ECI)を推進しています。

インドネシア:  世界海洋デーに政府が漁師を守る法律に署名

2022年、グリーンピース・インドネシアとインドネシア移民労働組合(SBMI)は、インドネシアの沖合漁民の
海上での奴隷化の根本原因を追ったドキュメンタリー映画『Before You Eat』を制作し
インドネシアの大学やコミュニティで巡回上映(2022年6月)

インドネシア政府は2017年に「インドネシア人移民労働者の保護に関する法律」に署名したものの、支援策の不備や管理体制の弱さから、沖合漁業者の採用、配置、保護に関する制度は、依然として非常にわかりにくいままでした。

そのため、仲介業者、船長、船主は、インドネシアの漁師を搾取し続ける体制を改善できていませんでした。

グリーンピース・インドネシアは、4年にわたる取り組みの中で、調査報告書を発表し、公開討論会を開催、漁師による提訴を支援し、ドキュメンタリー映画『Before You Eat』を制作するなどさまざまな取り組みを行いました。

そして、6月8日の世界海洋デーに、インドネシア政府は、インドネシアの沖合漁師の再定住と保護を定めた法律に署名したのです。 これは、沖合漁師の権利保護に向けた大きな前進であると同時に、違法漁業の改善に向けた重要な一歩となります。

台湾:台北市「ゼロエミッション管理条例」を制定

グリーンピースの気候・エネルギープロジェクトディレクターの劉益軍は、台北市の7人の議員とともに、
「台北市住みよい持続可能な都市自治法案(案)」を提出した@greenpeace (2021年10月)

地球温暖化が進み、異常気象や自然災害が増え、「気候変動」が最も重要な環境問題となる中、都市には二酸化炭素排出量の削減や法令の改善など、より具体的な政策や施策が求められています。

グリーンピース台湾はこの1年間、すべての県や市の政府に対し、自治体のリーダーの交代の中でも二酸化炭素削減と持続可能な都市開発を維持するよう呼びかけてきました。自治体の条例や法令を利用し、部門を超えた機関の権限と責任、協力体制を明確に定義するよう呼びかけてきました。

台北市議会は、1年近くにわたるグリーンピースの働きかけを経て、6月22日、ついにその制定を承認しました。台北市議会は、2030年までにCO2排出量を40%削減、2040年までに65%削減、2050年までにネットゼロを目指す、

「台北市ネットゼロエミッション管理条例」を可決しました。

 自治体の条例に「温室効果ガス削減目標」を盛り込むのは、台北市が初めてです。グリーンピース台湾は、台北市のCO2排出量削減への取り組みを評価しており、プロジェクトディレクターの劉益軍は、この条例により、台北市の二酸化炭素削減努力が2030年まで続き、2050年のネットゼロエミッションという長期目標達成に貢献することになると述べています。

台湾:​​プラスチック削減のための小売業の責任を見直す

台湾におけるプラスチック削減のための小売業者とのワークショップ(2021年12月)

グリーンピース台湾は6月24日、台湾の小売業者8社の使い捨てプラスチック対策のランキングを発表しました。

その結果、カルフール、セブンイレブン、ファミリーマートが初めて「改善を継続しなければならない」という評価に向上しましたが、スーパーマーケット大手の全聯福利中心 Pxmartは、以前から掲げていたプラスチック削減の公約の実行が遅れ、プラスチック削減目標を更新していないため、ランキングは最も後退しています。

グリーンピース台湾のプロジェクト・ディレクターの張海廷によると、過去3年間、一部の事業者は自社のプラスチック使用量を徐々に把握するようになり、量り売りや詰め替え、リユースカップなど革新的な対策を実施してきました。

プラスチック削減に良い影響を与えていますが、方針を出すだけで実行しないのでは、遅れをとることを意味します。 

2025年までにプラスチック50%削減を達成するために

・25%の容器包装を繰り返し使えるリユースにすること

・25%のリユース目標を目指すこと、現在の軽量化または代替素材の戦略を大幅な総量削減に置き換えること

・消費者が買い物をする際に、包装なしや繰り返し使える容器での提供を増やすこと

などを求めて、グリーンピースは引き続き企業への働きかけを続けていきます。

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グリーンピースの活動に賛同してくれるみなさんのご支援のおかげで、森と海のために声を上げ、使い捨てプラスチックを終わらせるための具体的な変化を起こすよう、政府や企業に働きかける活動を続け、変化を生み出すことができています。

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 来月もまた、世界中の環境保護活動の成果をお伝えできることを楽しみにしています。

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