#選挙でとめる気候危機 〜候補者へ気候政策について質問してみよう〜
この投稿を読むとわかること
選挙は、気候危機対策を進めてほしいと伝える大きなチャンス!
『#選挙でとめる気候危機 〜候補者の応援活動に参加してみよう〜』でご紹介した通り、2024年10月27日(日)は、第50回衆議院議員選挙の投開票日です。
27日より前に投票することも可能なので、まだ投票に行かれてない方は期日前投票もご検討ください。
選挙期間中は候補者がより有権者の「声」を聞いてくれる期間です。選挙は最終的な「票数」が結果となって表れます。気候変動対策を早急に進めて欲しいと思うあなたの一票や意見は、意外と大きいです。
有権者が気候変動に関心があることが伝われば、その候補者も、気候変動に注力してくれるようになるかもしれません。
だからこそ、候補者の応援活動に参加するのは難しい方も、候補者に気候変動対策について質問することをおすすめします。
早速、聞き方についてチェックしましょう。
候補者への質問方法
①街頭演説中に質問してみる
駅前などで候補者が立ってお話ししているのをよく見かけませんか?選挙の時期は、選挙区内にある駅などで演説しているので、その場で、本人や配布物を配っているスタッフの方に質問してみましょう。
意外と話しかける有権者の方は少なく、気候変動について尋ねることで、気候変動が重要なトピックであることを示すことにもなります。
②選挙事務所に電話で聞いてみる
選挙期間中、候補者の事務所にはスタッフが常駐しており、また、選挙ボランティアの方などが、投票を呼びかける電話かけなどを行なっています。候補者側からすれば、電話先の有権者に自分の考え方を知ってもらうチャンスでもあるので、直接は難しい、という方は電話をかけてみましょう。候補者のウェブサイトなどに選挙事務所の連絡先が掲載されています。
③問い合わせフォームやSNSで質問してみる
話しかけること、電話をすることが難しい場合は、候補者のホームページのお問い合わせフォームやFacebookやX(旧Twitter)などで質問してみるのも1つの手段です。返事がすぐには返ってこないかもしれませんが、記録は残るので、気候変動に関心があることを伝えることができます。
何を聞けばいい?各政党・候補者の政策をチェックしてみよう
現在、衆院選が行われる全国各地で「選挙公報」が配られ始めています。選挙公報には、候補者の氏名や経歴、そして「これに取り組みます」「これを重視します」という、その候補者や政党の意見や見解が掲載されています。
各家庭の郵便受けにも届けられますが、期日前投票所や市区町村の施設、駅の広報スタンドなどにも置かれていますので、まずは手に取ってみましょう。
選挙公報以外にも、各分野・テーマにおいて各政党・候補者がどう考えているかをチェックすることができるまとめサイトなどがあります。
以下に、政党や候補者の政策比較などができるサイトをいくつかご紹介します(順不同)。
その中で「環境」や「エネルギー」などの項目が、特に気候変動対策と関わる部分です。もちろんそれ以外の項目にも目を通してみましょう。
候補者一人ひとりの考えを知りたい方は:
どの政党や候補者が自分にマッチするか知りたい方は:
その他、政治・選挙全般について学びたい方は:
まとめサイトはとても便利ですが、これらのアンケートやマッチングでは「気候変動対策についてどう考えているのか」を詳細に把握するのは難しいと思います。そこで、グリーンピースをはじめ、複数の環境NGOや専門家のみなさんと一緒に作ったチェックポイントをご紹介します!
「気候変動対策」の重要項目チェックポイント
候補者や政党が、どのような気候変動対策を考えているか、下記のポイントを踏まえて調べてみましょう。もし調べてもわからない場合は、選挙事務所に電話して聞いてみたり、街頭で演説している時などに、本人やスタッフの方に質問してみたりしましょう。
以下のチェックポイントが「難しい!」と思ったら、「気候変動対策についてどのようにお考えですか?」「再生可能エネルギーの拡充については、どうお考えですか?」「1.5度目標に向けてどのような対策をしていきますか?」など、シンプルな問いかけでももちろん大丈夫です。
1)再生可能エネルギーの拡充は推進する?
日本の化石燃料の輸入金額は2022年に34兆円*にまで上昇しており、経済合理性やエネルギー安全保障などの観点から国産エネルギーの重要性が高まっています。気候変動対策においても、国産エネルギーにおいても期待の高い再生可能エネルギーの拡充について、将来に向けてどのようなビジョンを描いているのか、調べたり質問してみたりしてみましょう。
質問例文: 「日本政府が定めている第6次エネルギー基本計画における再エネ目標(つまり2030年度の再生可能エネルギー電源構成比率「36%〜38%」*)が達成されない恐れが指摘されています。将来に向けて、再生可能エネルギーの普及を加速させるべきだと思いますか?」 |
2)新築の建物の太陽光パネルの設置標準化は推進する?
再生可能エネルギーのうち、太陽光発電の推進にあたっては、住宅やその他建築物の屋根への設置はポテンシャルが高く、今ある技術で進めることができます。そのため一部の地域では、「設置標準化」が先行しています。屋根置き太陽光発電は、電気を各家庭や地域で地産地消でき、地域でお金を循環させることにつながります。設置標準化を日本全国に展開していく必要がありますが、その是非を質問してみましょう。
質問例文: 「東京都や神奈川県川崎市などの自治体では、新築建築物への太陽光パネル設置標準化が進んでいますが、日本政府としても全国で新築建築物への太陽光パネル設置標準化を推進すべきだと思いますか?」 |
屋根置き太陽光発電について詳しく知りたい方はこちら↓
3)省エネの要! 建築物の断熱は推進する?
再生可能エネルギーの推進と同時に、エネルギーの需要そのものを減らす省エネルギーの推進も急務です。日本では特に、建築物の断熱が先進諸国の中で遅れており、新築・既設ともに断熱を進める必要があります。さらなる断熱等級の基準引き上げや省エネルギーの推進について、質問してみましょう。
質問例文: 「建築物省エネ法の改正により、2025年4月以降に着工する原則すべての住宅・建築物に省エネ基準適合が義務付けられます*。さらなる建築物の断熱等級の基準引き上げなど、省エネルギーの推進に賛成しますか?」 |
なぜ断熱を推進する必要があるの?詳しくはこちら↓
4)温室効果ガス削減目標(2030年・2035年・2040年)はどう考えてる?
急速に進行する地球温暖化を食いとめるためには、2050年カーボンニュートラルの達成だけでなく、より早期に温室効果ガスの削減を進めることが急がれます。
昨年開催された気候変動に関する国際会議「COP28」において、世界の平均気温上昇を産業革命前に比べて1.5度未満に抑えるためには、世界全体で2035年までに温室効果ガスを60%削減する必要性が認識されました* 。日本は、世界第5位のCO2排出国* であることや、省エネ再エネの技術を持っている点、気候正義(注1)の観点などを踏まえても、この60%より高く、野心的な目標を掲げる必要があります。
注1:気候正義…すべてのステークホルダーにとって公正かつ平等な方法により、気候変動の被害や対策による負担・利益を、歴史的な排出量なども踏まえて共有し、持続可能な社会への移行を目指す考え方。
政府は2030年の削減目標を公表していますが、この目標についてどう考えているか、そして現在議論されている次期目標(2035年、2040年の目標)について日本政府はどのようなビジョンを示すべきかについて、質問してみましょう。
なお、1.5度目標のためには、日本は2030年までに60%以上削減する必要がありますが、詳しくは「【解説】なぜ、2030年までにCO2を60%以上削減しなければならないのか」をご覧ください。
質問例文: 「日本政府は、『2030年度において、温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すこと、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けること*』を定めていますが、これを十分だと評価しますか?」 「現在、次期目標として議論されている2035年や2040年の温室効果ガス削減目標について、何%を目標に掲げるべきだと考えますか?」 |
選挙は、気候危機対策を進めてほしいと伝える大きなチャンス!
選挙は気候変動対策を早急に進めていくうえで非常に重要な機会で、私たちの未来にも関わるものです。そして冒頭でも伝えたように、選挙期間中は候補者がより有権者の「声」を聞いてくれる期間です。
候補者により気候変動に注力してもらうためには、関心のある有権者がいることを示していくことが大切です。
だからこそ、候補者の応援活動に参加するのが難しい場合でも、演説の場に足を運んだり、電話やメールなどで問い合わせたりして、候補者に気候変動対策について思い切って質問してみましょう。
このチャンスを活かして「投票する」のその先へ、一歩踏み出してみませんか?
※グリーンピースが、特定の政党や特定の議員・候補者を支援することはありません。