滋賀県の高校新聞部が県選出の衆議院議員事務所を訪問ーー気候変動や地球温暖化政策について疑問や意見伝える

滋賀県立虎姫高校と同県立八幡工業高校の新聞部の生徒が11月17日、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンのスタッフとともに同県選出の衆議院議員の事務所を訪れ、議員や秘書に気候変動や温暖化防止について直接質問したり、政治への意見を伝えるなどしました。生徒らは今年7月、グリーンピースが同県で主催した「HELP展」(注1)の一環として実施した、県内の高校の新聞部を対象に実施した環境問題をテーマにしたイベントに参加(注2)し、それぞれ環境問題について取り上げた新聞を制作しています。今回は、10月の総選挙で当選した衆院議員に、COP29の開催中に直接未来の有権者の声を届けようと、訪問を行うことを決めました。
この日、高校生らが訪問したのは、滋賀県内の衆院議員事務所3カ所。長浜市では虎姫高校新聞部の生徒5人が上野賢一郎議員(自民・滋賀2区)の事務所を訪れ、議員秘書に環境問題も取り上げた自作の新聞を手渡し、国会議員として取り組んでいる気候変動対策や環境問題の取り組み、地域の川の環境保全について質問しました。
また、県立八幡工業高校は、草津市の武村展英議員(自民・滋賀3区)事務所と大津市の斎藤アレックス議員(維新・滋賀1区)事務所を訪問。高校生から琵琶湖の環境問題について聞かれた武村議員は、「環境は一度壊れてしまうと100年は元に戻らない。目に見える問題には取り組むことができるが、分からないことも多い。調査研究が最も重要だ」と回答。国会議員としてどのように仕事をしているのかや、地球温暖化対策についての質問についても、予定していた面会時間を延長して丁寧に質問に回答しました。
斎藤議員事務所でも、新聞部が制作した新聞のポイントやHELP展のねらいなどを説明した後、生徒が斎藤議員に脱炭素の取り組みや、地域での取り組み、エネルギー問題など、気候変動をめぐる様々な問題を質問。斎藤議員は「全国で豪雨災害が激しくなっており、気候変動の影響はこの先さらに激しくなる。日本は国として(温室効果ガス削減を)やると約束しており、しっかりと進めていきたい」と話しました。
グリーンピースのスタッフはこれら3事務所に同行したほか、大津市の大岡敏孝議員(自民・比例近畿)事務所を訪問。現在、アゼルバイジャン・バクーで開催されているCOP29でも、気温上昇を1.5度に抑えるために必要な温室効果ガス削減目標を各国が打ち出せるかが注目されており、各議員や議員秘書に、国政で先進国の責任として野心的な削減目標を打ち出すことを要望するなどしました。
今回の議員事務所訪問について、グリーンピース・ジャパン プロジェクト・マネジャーの高田久代は「参加した高校生たちは国会議員と直接話すのは今回が初めてとのことでした。『HELP展』では、来場者が感じとったことを行動につなげたいと考えており、高校生が自分たちの気持ちや疑問を直接、地元選出の国会議員に伝える場を設けることができたことを嬉しく思います。2050年、高校生たちは40代半ばになります。今日の気候政策の方針は彼ら、彼女らの将来の暮らしやすさに直結します。今後発表される日本の2035年までの温室効果ガス削減目標は、1.5度目標に整合するものとなることを強く期待します」と話しています。
以上
(注1)2024年8月10日プレスリリース『日本の気候変動をアートで感じる展覧会「HELP展 In SHIGA」開幕』
(注2)2024年7月23日プレスリリース『高校生13人が気候変動テーマに新聞制作学ぶ』