「第一回 市民が選ぶ!カーボンゼローカル大賞」表彰式を開催ーー市民の目線で選ぶ、地域発の脱炭素モデル自治体を表彰、東京都と鳥取県が大賞受賞

環境団体やシンクタンクなど4団体でつくる「市民が選ぶ!カーボンゼローカル大賞実行委員会」(事務局:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、東京都港区 )は10月28日、地域からの脱炭素の取り組みを市民の視点で評価し、モデルケースとなる自治体を表彰する「第一回 市民が選ぶ!カーボンゼローカル大賞」表彰式を開催しました。本賞は、市民が推薦して自治体の脱炭素施策を評価する取り組みです。
東京都港区のクロスコープ新橋で行われた表彰式では、全国から「市民実感賞」「突破力賞」「パートナーシップ賞」「審査員特別賞」の各賞が贈られた自治体がそれぞれの取り組みについて発表し、最も優れた施策として東京都と鳥取県が大賞に選ばれました。グリーンピースも加わる実行委員会は今後、受賞自治体の事例をウェブサイトなどで紹介し、地域発の脱炭素化の動きをさらに広げていく方針です。
<市民が選ぶ!カーボンゼローカル大賞について>
本賞は今年新たに創設され、市民が推薦する自治体の脱炭素施策を、このために構成された審査員会で審査して決定します。気候変動の影響が深刻化する中、全国各地の自治体が独自で優れた脱炭素の取り組みを進めていますが、その先進事例が十分に知られていないのが現状です。地域の脱炭素化と住民の健康・快適・安心のための施策であることを評価の軸とし、「市民実感賞」「突破力賞」「パートナーシップ賞」「審査員特別賞」のいずれかの賞が贈られます。市民・企業・他部局などとの協働が優れた事例、制度的・組織的なハードルを乗り越えた工夫、住民の生活実感に根ざしたインパクトの大きさ、そして気候変動対策としての有効性を総合的に判断し、最も優れた取り組みに大賞を授与します。
<受賞自治体>
- 大賞
- 東京都「建築物環境報告書制度の概要〜2030年カーボンハーフ実現に向けた東京都の取組について〜」
- 鳥取県「とっとり健康省エネ住宅『NE-ST』」
- パートナーシップ賞(市民・企業・他部局などとの協働が優れた取り組み)
- 熊本県球磨村「球磨村での取組み」=脱炭素を前提とした災害復旧事業
- 東京都葛飾区「葛飾区の環境行政について〜持続可能な地域社会をめざして〜」=東京23区の脱炭素化でリーダーシップを発揮
- 京都府福知山市「市民と地域が連携した持続可能な再エネ導入モデル〜市民出資型オンサイトPPA事業」=市民と地域が連携した再エネ導入モデル
- 市民実感賞(住民の生活感に根ざしたインパクトが大きい取り組み)
- 東京都世田谷区「世田谷区 学校施設の暑熱対策」=小中学校施設の暑熱対策手法の検討
- 東京都世田谷区「世田谷区 学校施設の暑熱対策」=小中学校施設の暑熱対策手法の検討
- 突破力賞(制度的・組織的なハードルを乗り越えた取り組み)
- 東京都「建築物環境報告書制度の概要〜2030年カーボンハーフ実現に向けた東京都の取組について〜」=新築住宅等への太陽光発電設備の設置義務化
- 鳥取県「とっとり健康省エネ住宅『NE-ST』」=独自の健康省エネ住宅基準を策定
- 審査員特別賞(審査員が独自の理由で選んだ取り組み)
- 高知県黒潮町「黒潮町カーボンニュートラルの取り組み」=小規模自治体で町をあげての脱炭素施策
- 高知県黒潮町「黒潮町カーボンニュートラルの取り組み」=小規模自治体で町をあげての脱炭素施策
<審査員講評>
審査員長・公益財団法人地球環境戦略研究機関、藤野純一氏
「全国から寄せられた数多くの挑戦の中から、ローカルの未来を照らす素晴らしい実践が選ばれました。地域には、暮らしを守り、人と人を結び、新たな価値を育む力が息づいています。私も、11月にブラジルで開催されるCOP30への現地参加や、作成中のアジア太平洋シナジーレポートなどを通じて、こうしたローカルの叡智を世界に発信したいと思います。この表彰はこれからも続きます。さらなる挑戦とご応募を心よりお待ちしています」
「市民が選ぶ!カーボンゼローカル大賞」事務局 グリーンピース・ジャパン 鈴木かずえ
「今回、全国から様々な事例の推薦があり、二酸化炭素削減の効果だけでなく、復興、暑さ対策、健康省エネ住宅の推進など、ウェルビーイングの向上につながる取り組みが日本各地で進められていることがわかりました。気候対策が暮らしや命を守ることを、より多くの市民が知るきっかけとなり、各地で新たな動きが広がることを期待します」
以上