国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)は3月31日、プラスチック製品の資源循環等の取組を促進する「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が4月1日に施行(注1)から3年を迎えるのに合わせ、全国の1000人を対象に行った調査『コンビニと使い捨てカップに関する意識調査』の結果を発表しました。調査の結果、56.5%が使い捨てプラスチック容器などの環境影響を懸念していることが分かり、マイ容器の利用や量り売りなど、使い捨てごみを減らす取り組みがコンビニに導入された場合、割引や利便性があれば利用したい人はそれぞれ30%以上で、利用したくない理由で最も多かった「衛生面が気になる」(7.7%)を上回りました。

<主な調査結果>

  • 使い捨てプラスチック容器やカップ(注2)の環境への影響について、「多少懸念している」「非常に懸念している」合わせて56.5%が環境影響を懸念していることが分かった。
  • 量り売りやテイクアウト用リユースカップシステムなど、5つの使い捨てごみを減らす取り組みの利用経験については「どれも利用したことがない」が37.8%と最も多かった。利用したことがある取り組みで最も多かったのは、「持参したマイタンブラーやマイカップ、マイ容器に購入した飲食物を入れて持ち帰る」で28%、次いで「容器包装量を減らした商品を購入する」24.5%だった。
  • 使い捨てごみを減らす取り組みがコンビニに導入された場合に利用したいサービスについて、「持参したマイタンブラーやマイカップ、マイ容器に購入した飲食物を入れて持ち帰る」が最多の39.7%で、「容器包装量を減らした商品を購入する」25.5%、「欲しい商品を必要な量だけ取り、重量分の値段で購入する量り売りサービス」24.4%と続いた。
  • 使い捨てごみを減らす取り組みがコンビニに導入された場合、利用したい理由は「割引があるなら」が33.5%で、「便利であれば」31.5%、「環境に良いので」30.6%と続いた。利用したくない理由で最も多かったのは「衛生面が気になるから」で7.7%だった。

「コンビニと使い捨てカップに関する意識調査」全調査結果はこちら

<調査概要>

対象:全国1000人(18~93歳男女で10代刻み) 

地域:すべての都道府県 

方法:グリーンピース・ジャパンが楽天インサイト株式会社に委託してオンラインで実施 

時期:2025年2月26日(水)〜2025年2月28日(金)

有効回答数:1000人

グリーンピース・ジャパン 広報担当、平井ナタリア恵美

「今回の調査から、使い捨てごみを減らす取り組みがコンビニに導入されれば、割引や利便性、環境影響の軽減などを理由に利用したい消費者が一定数いることが分かりました。2022年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法のもと、企業はプラスチックの軽量化や代替素材への切り替え、リサイクルなどの施策を実施してきましたが、使い捨てプラスチックの大幅削減には至っていません。使い捨てプラごみの大部分を占める容器包装は同法の対象外ですが、日本政府のプラスチック資源循環戦略においてはその排出削減やリユースの推進が重要な目標として掲げられています(注3)。

昨年グリーンピースが発表した報告書でも明らかになったように(注4)、コンビニやカフェ業界が大量消費している使い捨てのプラ・紙カップについては、すでに一部で導入されているテイクアウト用リユースシステムや、店内リユースの取り組みを拡大することで、資源を使い捨てるビジネスモデルそのものからの転換が可能です。これらの対策は、新たな技術開発を待たずとも、政府の後押しと、大量の使い捨てを消費する企業によるリーダーシップおよび適切な投資によって十分に実現可能です。法施行から3年を迎えるいま、政府にはリデュース・リユース対策の抜本的な強化を改めて求めます」

(注1)環境省「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(2022年4月1日施行)

(注2)使い捨てカップは定義上、使い捨て容器に含まれるが、ここでは回答者が想像しやすいように分けて記載した。

(注3)消費者庁・外務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省「プラスチック資源循環戦略」(2019年5月31日発表)

(注4)グリーンピース・ジャパン 報告書『変革を先導する』(2024年11月8日発表)