国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)は7月31日、埼玉県在住の1000人を対象に行った気候変動に関するオンライン意識調査の結果を発表しました。毎年、夏に厳しい暑さを記録する地域の多い同県ですが、調査では、約90%の人が「気候変動の影響が心配」と回答しました。省エネ方法の一つとしての住宅の断熱化についての質問では、「断熱性能を高めたいが、予定がない・できない理由がある」と答えた人は63.3%で、できない理由として経済的な理由を挙げる人が最多の56.6%にのぼりました。

<主な調査結果>

  • 地球温暖化・気候変動の影響について、「とても心配」が最多で48.7%。「ある程度心配」(42.1%)と合わせると、気候変動の影響について心配と感じる人は90.8%にのぼった。
  • 気候変動の影響を受けていると感じる現象については、「猛暑や熱中症患者数の増加」が最多の89.7%、次いで「水害(洪水・氾濫など)」が65.1%、「農作物の品質の低下や収量の減少」が62.2%となった(複数回答可)。
  • 使用するエネルギーの大幅削減の方法の一つとして、住宅の断熱性能を高めたいと思うか聞いたところ、「すでに高めている」「高める予定がある」は約3割に留まり、63.3%の人が「高めたいと思うが、予定がない・またはできない理由がある」と答えた。
  • 「断熱性能を高めたいと思わない、高めたいと思うが予定がない・できない」と答えた人に理由を聞いたところ、「導入費用が高い・金銭的な余裕がない」が最多で56.6%、次いで「借家なので難しい」が24.9%となった。

「埼玉県民の気候変動に関する意識調査」全調査結果はこちら

グリーンピース・ジャパン 気候変動・エネルギー担当、鈴木かずえ

「埼玉県民の9割が、猛暑や熱中症患者数の増加に気候変動の影響を感じており、越谷市や熊谷市など高温になりやすい地域を抱える埼玉県を象徴するような調査結果となりました。省エネ対策として住宅断熱化ができない理由に経済的な理由を挙げた人が56.6%、住宅の構造上の理由を挙げた人が24.9%いますが、住宅の断熱化は、省エネによって気候変動の影響を抑えるだけでなく、猛暑時に熱中症から身を守る上でも非常に重要です。埼玉県には、県営住宅の断熱性能を高めたり、戸建てや集合住宅の断熱改修を促進したりするための補助金制度を整えるなど、迅速な対策整備を期待します」

<調査概要>

対象:埼玉県在住の1000人を対象に18~79歳男女で10代刻み 

地域:埼玉県

方法:グリーンピースが楽天インサイト株式会社に委託してオンラインで実施 

時期:2024年7月5日(金)〜2024年7月10日(水)

有効回答数:1000人

以上