[年次報告書2024] ボランティア&インターン 変化のうねりを大きくする仲間たち

より多くの市民がグリーンピースのキャンペーンに気軽に楽しく参加できるよう、工夫を凝らした様々な活動を展開しています。2024年は「アクションボランティア」のチームも始動。それぞれのアイデアや個性を活かした活動を行うなかで、たくさんの人がグリーンピースの素敵な仲間となりました。
暑すぎる教室の擬似体験イベント 断熱の問題を広める

温暖化が進むなか、子どもたちは断熱の施されていない校舎内で過酷な暑さにさらされています。学校の教室がエアコンが稼働していても外気温とほぼ変わらない環境であることを伝えるため、7月13,14,15日、東京お台場の広場に教室を再現するイベント「学校断熱展示会〜暑すぎる教室体験してください〜」を開催。通りかかった人に擬似体験してもらい、教室の暑さや解決策となる断熱改修について、解説パンフレットも配布しながら訴えました。このイベントもきっかけとなり、国内外の大手メディアや教育関連誌などに教室の断熱について計18件取り上げられ、学校断熱の必要性を一般により広めることにつながりました。
「フジロックフェスティバル ’24」に参加

国内最大級の野外音楽イベント、フジロックフェスティバルのNGOヴィレッジにグリーンピースと「ゼロエミッションを実現する会」が出展。他の環境NGOとの合同ブースで、気候危機に関する展示やトークイベントを行いました。ブースには約150人が来場し、登壇したトークセッションでは約170人にグリーンピースの活動を紹介。これまで接点のなかった新しい人たちにグリーンピースや気候危機を知ってもらえる機会に。年々厳しくなる暑さのなか異常気象の影響を大きく受ける真夏に開催される野外イベントだからこそ、多くの来場者が気候変動について知り、行動のきっかけを持ち帰る場となりました。
リユースでお買い物 プラスチック問題を楽しく学ぶ体験型イベント

プラスチックをめぐる環境問題について知ってもらうため、「親子でリユース買い物体験 ~使い捨てプラ時代からリユース時代へ」を11月末、東京・目黒で開催。親子連れなど32人の参加者が、マイクロプラスチック汚染をテーマにしたドキュメンタリー映画を鑑賞した後、使い捨て容器を使わないランチのテイクアウトに挑戦。グリーンピース作成の「中目黒駅周辺グルメMAP」を見ながら飲食店をめぐり、貸し出されるリユース容器や持参した容器で持ち帰りができるかをトライしました。「最初は戸惑ったが、慣れると容器をずっと持ち歩かなくて済むのでとても便利。また使ってみたいです」「案外すんなりと持参した容器に入れてもらえた」といった声も聞かれ、問題を知り、脱プラへの行動をその場で実践できるイベントとなりました。
インターンの活動
気候変動の影響を生涯でより長く受けることになるのが、若い世代です。2024年は10代から30代までのインターン生14名が、スタッフと肩を並べてキャンペーンに取り組みました。コミュニティ運営からシンポジウムなどのイベント企画、各種プロジェクトのリサーチや資料作成まで、さまざまな場面で活躍しました。それまでも他団体や個人で活動していた2人が、グリーンピースでの経験をお伝えします。

山本大貴さん
政策渉外担当のインターンとして、国会議員に関するリサーチや働きかけの戦略形成、実際の提言活動、他団体との連携業務などに携わりました。気候分野では地球温暖化対策計画やエネルギー基本計画、プラスチック分野では国際プラ条約を主なテーマとして活動しました。
常に素早く柔軟な対応が求められたので、プロジェクトに向き合う基礎体力だけでなく、瞬発力や決断力が短期間で大きく成長したと思います。また、気候変動については活動経験がありましたが、政策提言活動に集中的に取り組むのは初めてだったため、新しい視点を学ぶ機会でもありました。経験を今後に活かしたいです。

阪田留菜さん
インターンとして約8カ月、気候変動の解決に向けた取り組みに携わり、自分に自信がついた期間でした。「ゼロエミッションを実現する会」事務局の運営では、戦略的に市民と協働する方法を知りました。学校断熱のプロジェクトでは、建築や教育といった環境以外の専門的な知識も学びながら業務ができました。
同じチームの人たちはやりたいことがあったら背中を押してくれることが多く、働きやすかったです。非営利組織で働くことに関心があったので、短い期間でしたが学生のうちに経験できてよかったです。