[年次報告書2024] ボランティア&インターン 変化のうねりを大きくする仲間たち

より多くの市民がグリーンピースのキャンペーンに気軽に楽しく参加できるよう、工夫を凝らした様々な活動を展開しています。2024年は「アクションボランティア」のチームも始動。それぞれのアイデアや個性を活かした活動を行うなかで、たくさんの人がグリーンピースの素敵な仲間となりました。
暑すぎる教室の擬似体験イベント 断熱の問題を広める

温暖化が進むなか、子どもたちは断熱の施されていない校舎で、過酷な暑さにさらされています。教室がエアコンを稼働していても、外気温とほぼ変わらない環境であることを実感してもらうため、7月中旬、東京・お台場の広場に教室を再現するイベント「学校断熱展示会〜暑すぎる教室体験してください〜」を開催。通りかかった人に擬似体験してもらい、解説パンフレットも配布しながら、教室の暑さや解決策となる断熱改修について訴えました。
イベントをきっかけに、国内外の主要メディアや教育専門誌が計18件にわたりこの問題を取り上げ、学校における断熱の必要性がより多くの人々に認識されることにつながりました。
「フジロックフェスティバル ’24」に参加

国内最大級の野外音楽イベント、フジロックフェスティバルのNGOヴィレッジにグリーンピースと「ゼロエミッションを実現する会」が出展。他の環境NGOとの合同ブースで、気候危機に関する展示やトークイベントを行いました。約150人がブースに来場し、登壇したトークでは約170人にグリーンピースの活動を紹介。年々厳しくなる暑さのなか、異常気象の影響を大きく受ける真夏に開催される野外イベントだからこそ、多くの来場者に気候変動について知ってもらい、行動のきっかけを持ち帰る機会となりました。
リユースで買い物 プラスチック問題を楽しく学ぶ体験型イベント

プラスチックにまつわる環境問題を学べるイベント、「親子でリユース買い物体験 ~使い捨てプラ時代からリユース時代へ」を11月末、東京・目黒で開催しました。親子連れなど32人の参加者が、マイクロプラスチック汚染をテーマにしたドキュメンタリー映画を鑑賞した後、使い捨て容器を使わないランチのテイクアウトに挑戦。グリーンピース作成の「中目黒駅周辺グルメMAP」を見ながら飲食店をめぐり、貸し出されるリユース容器や持参した容器で持ち帰りができるかをトライしました。
参加者からは「最初は戸惑ったが、慣れると容器をずっと持ち歩かなくて済むのでとても便利。また使ってみたいです」「案外すんなりと持参した容器に入れてもらえた」といった声も聞かれ、問題を知り、脱プラへの行動をその場で実践できるイベントとなりました。
インターンの活動
気候変動の影響を生涯でより長く受けることになるのが、若い世代です。2024年は10代から30代までのインターン生14名が、スタッフと肩を並べてキャンペーンに取り組みました。コミュニティ運営からシンポジウムなどのイベント企画、各種プロジェクトのリサーチや資料作成まで、さまざまな場面で活躍しました。それまでも他団体や個人で活動していた2人が、グリーンピースでの経験をお伝えします。

山本大貴さん(担当:政策提言)
政策渉外担当のインターンとして、国会議員に関するリサーチや働きかけの戦略形成、実際の提言活動、他団体との連携業務などに携わりました。気候分野では地球温暖化対策計画やエネルギー基本計画、プラスチック分野では国際プラ条約を主なテーマとして活動しました。
常に素早く柔軟な対応が求められたので、プロジェクトに向き合う基礎体力だけでなく、瞬発力や決断力が短期間で大きく成長したと思います。また、気候変動については活動経験がありましたが、政策提言活動に集中的に取り組むのは初めてだったため、新しい視点を学ぶ機会でもありました。経験を今後に活かしたいです。

阪田留菜さん(担当:気候変動コミュニティ)
インターンとして気候変動の解決に向けた取り組みに携わった約8カ月間は、自分に自信がついた期間でした。以前から一人の市民として「ゼロエミッションを実現する会」に所属し活動していましたが、事務局という立場から関わることで、戦略的に市民と協働する方法を知りました。学校断熱のプロジェクトでは、建築や教育といった環境以外の専門的な知識も学びながら業務ができました。
同じチームの人たちはやりたいことがあったら背中を押してくれることが多く、働きやすかったです。非営利組織で働くことに関心があったので、短い期間でしたが学生のうちに経験できてよかったです。