祝!サーモン養殖からチリの海を守るキャンペーンが大きく前進
皆さんこんにちは。海洋生態系担当の小松原です。
おおよそ地球の裏側、チリからとびきり良いお知らせが届きました。地球に残された貴重な手つかずの自然、チリ南端部のマガジャネスの海が保護されることが決定したのです!
写真:サーモン養殖場申請の凍結を喜ぶ先住民族の人々とグリーンピースメンバー
先住民族の訴えが国を動かす
サーモン養殖場による環境汚染の影響を受けてきた、先住民族Kawésquarのコミュニティが、先月、サーモン養殖企業に対して起こした裁判に勝利したのです。
これにより、マガジャネスの海の一部を、海洋保護区に指定するプロセスが開始されます。そのため、同海域に提出されているサーモン養殖設置許可申請の81%は、少なくとも3年間凍結されることが決まりました。
写真:マガジャネスの海に浮かぶサーモン養殖場
これにより、現在ある280のサーモン養殖場設置許可申請のうち、229が凍結されます。これは、先住民族の方々が諦めずに声をあげ続けた成果です。グリーンピースは昨年より、チリ南端部のマガジャネスの海をサーモン養殖場の影響から守るためのキャンペーンを行なってきました。
現地で環境調査を行ない、この問題に世界のスポットライトを当て、日本も含めて、これまでに21万9000人以上の方々がキャンペーンに参加しています。この問題に注目し、懸念の声をあげた世界中の市民の力が、海洋保護区制定に向けて政府を動かす追い風になったのです。
写真:チリのチロエの海岸で環境影響を調査するグリーンピーススタッフ
クジラやイルカが暮らす楽園の海を守ろう
マガジャネスの海は、自然保護区およびユネスコの生物保存地域に指定され、生物多様性の豊かな海です。絶滅危惧種のシロナガスクジラや、世界中でもチリにしかみられない準絶滅危惧種のハラジロイルカなどが暮らしています。
写真:マガジャネスの海を泳ぐミナミカマイルカ
過去30年にわたってその海は、サーモン養殖によって汚染されてきました。その影響をいちばん被ってきたのは、クジラやイルカなどの野生動物、そして海の恵とともに暮らしてきた先住民族のコミュニティの人々です。
チリの養殖産業は現在世界2位で、成長を続けています。ちなみに、チリ産養殖サーモンの一番の輸出先は日本です。サーモン養殖場の拡大は、海域を汚染し、貴重な生態系、そして人々の暮らしにとって脅威となることがわかっています。
海洋保護区の制定を確実なものにし、保護されるエリアを広げるためには、これからも皆さんからの継続したご支援が必要です。
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