東京でごみの出ない返却式カップの実験開始!ついに日本のスターバックスもリユースへ?
実は6月21日に、なんとスターバックスコーヒージャパンから、東京の丸の内エリアで返却式リユースカップの仕組み実証実験が10月に開始することが発表されました!*
スターバックスは2020年12月から2021年2月にも沖縄でリユースカップ実証実験(沖縄読谷店が参加)を行っていましたが*、今回はそれに続く東京都内での実験になります。
2021年内に都内で実証実験を行うことは、日本のスターバックスに使い捨てカップからの脱却を求める私たちグリーンピースが、4月に提出した要望書でも求めていたことの1つでした。
今回の発表は、使い捨てカップ文化からリユース文化にシフトしていくために、大事な一歩です。しかし、グローバルな環境問題を解決していくために今回の対策はどれほど効果的なものでしょうか?
ちょうどこのタイミングで、本日6月23日、以前から予定されていた、スターバックス コーヒー ジャパンとの3回目の対話を行いました。対話の場には、署名参加者を代表してデプトカンパニー代表・気候アクティビストのeriさんにもご参加いただき、市民の声や想いをお伝えいただきました。
大事な一歩だけど、解決にはまだまだ遠い?
今回の丸の内エリアでの大手カフェチェーンによる実証実験について、私たちグリーンピースは歓迎します。
一方、使い捨て自体を大幅に減らしていかなければいけない緊急性から考えると、今回の東京での実証実験は初めの一歩。抜本的で迅速な取り組みが必要です。
2020年頃から、魅力的なリユースの実証実験などがいくつか日本でも始まっています。百貨店でのリユース容器を使った惣菜販売、コンビニでの洗剤量り売り、他にもハンバーガーチェーンがリユース容器を取り入れる試みを発表するなど、「使い捨て」に依存しない仕組みを企業側から提案する試みは増えてきています。
しかし、こうした取り組みには、まだ一番大事なものが欠けています。それはそもそも商品の販売方法を、ごみを出さない「リユース」のモデルに移行していくための目標設定です。
野心的な目標の必要性
様々な調査からは、いま多くの企業が取り組んでいるような
- 他の素材に移行することで「脱プラ」する
- リサイクルを高めていく
というような対策では、プラスチックごみ問題は本当に解決できないということがわかっています***。
「使い捨て」に依存したビジネスモデルであり続けることは、他の環境問題を引き起こすリスクや、そもそも本質的な対策が進まない原因となります。
もっとも大事な、「そもそもごみを出さない」ための取り組みがごっそり抜け落ちてしまっているのです。
「脱使い捨て」を実現するために、「2025年までに、全国の店舗で返却式リユースカップの仕組みを導入します」など、高い目標をかかげ、かつ達成度合いを測れるようにいつまでに達成するかも明らかにして、目標を立てることがまず求められています。
日本のスターバックスに求めること
私たちグリーンピースが4月に提出した要望書の一番最初に書いていることは、こちらです。
「2025年までにリユース100%を実現する目標を立て、2021年内に発表する」
実は、今年の4月に、韓国のスターバックスは、2025年までの使い捨てカップ(紙・プラスチック)からの脱却を発表しています*。また6月には、スターバックスヨーロッパ・中東アフリカ地域でも、2025年までに返却式リユースカップの仕組みを全店舗で導入することが発表されました*。
私たちが提案している解決策は、決して、実現不可能な目標ではないはずです。
「持ち歩き文化」をアップデートする時
カフェでプラスチックや紙のカップをテイクアウトして持ち歩く文化。これが広まったことにスターバックスが大きな役割を果たしていたことはご存知でしたか***?
であるなら、この文化を刷新していく力がスターバックスにはあると思います。
世界のスターバックスの店内マグカップとタンブラー持ち込みを合わせたリユース率はわずか2.8%です*。 スターバックスは、2022年までにこの数字を倍の5.6%にする目標を立てていますが、これが仮に達成されたとしても90%以上は使い捨てカップを使い続けているということになります。
全世界に32,000店舗以上を展開するスターバックスの韓国(1,500店舗以上)とヨーロッパ・中東アフリカ(3,840店舗)の野心的な目標に続き、日本でも1,670店舗を展開するスターバックスがリユースの仕組みを広げることは、この「持ち歩き文化」を、環境に負荷が少ないものに変えていくことにつながります。
スターバックスとの対話に参加していただいた気候アクティビストのeriさんの言葉をご紹介します。
「今日はスターバックスにみなさんの声を代表して届けてきました。スターバックスが変わったら、世の中が大きく動くと思います。地球資源を使い捨てない社会に向けて、日本のスターバックスにも世界の先進事例に並ぶような高い目標を立ててほしいです。私たち市民ひとりひとりの環境問題へのアクションももちろん重要ですが、同時に進む方向を示してくれるリーダーが必要です。『持ち歩く』というカルチャーを世界に広めたスターバックスが『どう持ち歩くか』という新しいカルチャーを私たちに広め、次の社会のあり方へ導いてくれることを期待します!」
みなさんの声がまだまだ必要です。
今回対話の場で、グリーンピース・ジャパンのボランティアメンバー7名が時間をかけて2,400以上のメッセージを一つひとつ見て分析したものをスターバックスコーヒージャパンに提出しました。みなさんの声は担当者にも確実に響いています。
これから署名してくださる方はは、ぜひみなさんの熱いメッセージも一緒に届けてください。