お米にムダに農薬を使わせる制度を見直してください

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私たちが毎日食べている野菜やくだものの実りに、ミツバチがとても大きな役割を果たしている事、知っていましたか?

この写真を見くらべてください。ミツバチがいなくなったら、これだけの野菜や果物が、棚から消えてしまう恐れがあるんです。

ミツバチの役割

ミツバチは、花の蜜を集めるだけではなく、私たちの毎日の食事に欠かせない野菜やくだものを栽培する農業の現場において、果実を実らせるための受粉も行っています。

「世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介している」と国連環境計画(UNEP)アヒム・シュタイナー事務局長が2011年に報告しているように、ミツバチは生態系だけではなく、人間にもとても重要なものです。

ミツバチが受粉を行う主な作物

ハチは世界の作物の3分の1を受粉していると言われていますが、受粉で実のるおもな作物は下記になります。

リンゴ、アーモンド、アスパラガス、ブラックベリー、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、カカオ、ニンジン、カリフラワー 、セロリ、サクランボ、ナス、ニンニク、ライチ、マカダミア、マンゴー、ナツメグ、タマネギ、パッションフルーツ、桃、梨、梅、かぼちゃ、ラズベリー、ポンカン、スイカ

ハチの経済効果は66兆円

経済効果の側面から見ても、農作物の受粉を手助けするハチなどの生きものたちの働きは偉大です。

国連の科学者組織「IPBES(アイピーベス=生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)」によると、花粉を運び農作物作りに貢献するハチなどの生物がもたらす経済的利益は世界全体で最大年5,770億ドル(約66兆円)に上ります。*2

いなくなるミツバチ

そのミツバチが、世界中で姿を消しています。日本でも各地で、ミツバチの大量死や、ミツバチの巣に異変が見られています。さまざまな原因が複合的に影響を与えていると言われていますが、その中でももっとも直接的な原因とされているのが、ネオニコチノイド系農薬です。

農薬会社はその影響を否定し続けています。その理由は、決定的な証拠がないからというもの。

しかし、影響が決定的になってから規制するのでは手遅れです。このネオニコチノイド系農薬、ヨーロッパではミツバチに対して有害性があると明らかになったことから、使用禁止が始まっています。

世界で規制されるネオニコチノイド系農薬

ヨーロッパでは、2018年4月に、EUがミツバチに毒性の強い3種のネオニコチノイド系農薬をほぼ全ての用途で使用禁止にすることを決定しました。((但し植え付けから収穫まで温室内で栽培する場合を除く)*1

フランスでは、2018年からネオニコの全種類が使用禁止になりました。ネオニコ系農薬を使わなくても、収益や収穫を悪影響を及ぼすことなく、40%以上農薬を減らすことができる、という研究結果も出ています。

詳しくは:「農薬を減らしても生産性は下がらない」〜ネオニコ全廃に向かうフランスであらたな研究

2019年にはアメリカでも、ネオニコチノイド系農薬を使った農薬製品12種類の登録(承認)が取り消されました。

詳しくは:「アメリカでもネオニコ系農薬商品12種禁止へ」

日本では?

ハチに影響を与えるネオニコチノイド系農薬。日本では禁止どころか、逆に規制緩和が進んでいるのです。

厚生労働省は2013年10月、ホウレンソウ、ハクサイ、カブなど約40種類の食品に含まれるネオニコチノイド系農薬クロチアニジンの残留農薬基準値を最大2000倍と大幅に緩和する方針を示しました。

その後のパブリックコメントでは、異例の1000件を超える意見が集まり、消費者の意識の高まりがうかがえます。

これまで、市民は20,000を超える反対署名(2014年からの合計)や2,000近いパブリックコメントを提出してきましたが、健康や食の安全責任のある厚生労働省も、農林水産省も、こうした声に一切答えようとしていません。

グリーンピースが目指すのは、ミツバチの恵みに支えられ、安全な食で子どもを健康に育める環境。そのためには、大量の合成化学農薬に頼る今日の農業から、生態系に調和した農業へと転換することこそが、根本的な解決の道です。

日本でいちばんミツバチが死んでいるのは田んぼ

日本で最もミツバチが死んでいるのは田んぼです。
斑点米の原因となるカメムシをころすためにネオニコ系農薬を空中散布しているからです。

でも斑点米はいまや機械で取り除くことができ、田んぼに大量に農薬をまく必要はありません。現在は斑点米の基準が厳しすぎるために米農家は使わざるを得ない、といいます。

「できる限り農薬は使いたくない」

それが、農家さんと私たち消費者の共通の思いです。農薬の使用を助長していた制度の見直しについて農林水産大臣が「2019年8月までに検討する」と発言しました。これをうけて、農林水産省の検討会が19年10月から開始され、現在までに4回の検討が行われ、斑点米などについては、農家や流通業、消費者へのアンケート調査へと進んでいます。

秋田県、岩手県などの米どころの自治体でも、制度を見直すよう国への意見書を決議しています。全国の農家や消費者が10年以上にわたって声を上げ続けてきたおかげで、政府も動き始めているんです。

ミツバチを守る米づくり
千葉県で化学農薬や合成肥料を使わずにお米を栽培する農家の小川さん。虫やカエルなどの生きものが暮らせる田んぼを、という想いで農薬を使わないお米作りを行なっている。

私たちも一緒に声を上げて、ネオニコ系農薬をムダに使わせる政策の見直しを、確実なものにしませんか?

今、あなたのちからが必要です。

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昆虫学者のマーラ・スピヴァクさんが「ハチが消えつつある理由」について、話してくれています。こちらもぜひご覧ください。

*1 EU加盟国代表の投票によるもので、EUと16カ国が全廃を支持し、多数決で承認されました。詳しくはEUのウェブサイトへ

賛否の内訳

全廃に賛成:EU、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、英国、オランダ、オーストリア、スウェーデン、ギリシャ、ポルトガル、アイルランド、スロベニア、エストニア、キプロス、ルクセンブルグ、マルタで、EUの人口の76.1%を占める加盟国。

全廃に反対:ルーマニア、チェコ共和国、ハンガリー、デンマーク

棄権:ポーランド、ベルギー、スロバキア、フィンランド、ブルガリア、クロアチア、ラトヴィア、リトアニア

*2 https://www.sankei.com/life/news/160305/lif1603050004-n1.html

更新:2020年5月20日