Thom Yorke and Radiohead on the Pyramid Stage and Greenpeace logo, Glastonbury 2017


グリーンピースの50年の歴史を振る中で、音楽と共に辿った道筋が見えてきます。

上の写真は2017年にイギリスで開催された、音楽フェス「グラストンベリーフェスティバル」でのレディオヘッドのパフォーマンスです。

このフェスは、昨年はコロナの影響で中止となってしまいましたが、毎年グリーンピースUKが大規模なブースを出展し、環境問題について参加者やアーティストの方と一緒に考えるとても貴重な機会となっています。

ステージには、グリーンピースなどのNGOのバナーが掲げられ、参加費の一部を他のNGOとともに寄付していただいています。

レディオヘッドのトム・ヨークさんは、2018年の南極に世界最大の保護区をつくるグリーンピースのキャンペーンを支援するため、「Hands off the Antarctic」を発表しました。

ミュージックビデオでは3カ月にわたるグリーンピースの調査で撮影された南極の風景と野生生物の映像が使われています。

日本でもグリーンピースと音楽の関わりは深いものがあります。 2007年に横浜の赤レンガ倉庫で開催された、海洋生態系の美しさを伝える展示会『もうひとつの地球への旅 ~グリーンピースの見た海』の中では、LUNA SEAのギタリスト、SUGIZOさんと音楽家の谷崎テトラさんと一緒に、トークショーとコンサートを開催しました。

また、音楽家の坂本龍一さんも、グリーンピースの遺伝子組み換え問題や反原発キャンペーンなどに協力するなど、より多くの方に環境問題を知ってもらうきっかけを作ってもらいました。

20071014 Defending our Oceans Exhibition in Yokohama
20071014 Defending our Oceans Exhibition in Yokohama


2012年には、原発の廃炉と自然エネルギーへのシフトを目指す、グリーンピースのキャンペーン「Love! ハイロ」に賛同してくださった、中学生アイドル藤波心さん、小学生アイドルかなるさんが、キャンペーンソング「LOVE!LOVE!ハイロ」を歌ってくれました。

藤波心さんは、震災直後、原発はいやだとの思いをブログに書き込み、その率直かつ強い思いが大きな話題となりました。その後も精力的に原発問題を語り、そして歌ってきた方です。


そして今から50年前、グリーンピースが誕生したときにも、音楽が大いに関わっていました。

グリーンピース、はじまりのロックコンサート

グリーンピースの物語は1971年9月15日に始まりました。
アメリカの核実験を止めるために、アラスカ沖の実験海域に向けて船を出したことがきっかけです。結果として、船は沿岸警備隊に行く手を阻まれ、実験海域まで到達することはできませんでしたが、その行動力を支持する人々と核実験への反対の声は大きな波となり、後にアメリカ政府は核実験の中止へと追い込まれました。ちょうど一年前の1970年。

バンクーバーのパシフィックコロシアムで、チャリティーロックコンサートが開催されました。これは、船をチャーターし実験海域まで行く資金を集めるために開かれたものでした。グリーンピースの創設者の一人、アーヴィング・ストウは平和主義者の友人であるジョーン・バエズに電話をかけ、活動のための基金を集めるためのコンサートを開いてくれないかと相談しました。

バエズは、カナダの有名なソングライター、ジョニ・ミッチェルをストウに紹介しました。これが、全ての始まりのきっかけとなりました。ジョニ・ミッチェルは依頼を引き受け、さらに当時人気のあったシンガーソングライターのジェームズ・テイラーを誘いました。その後、平和主義者で伝説のミュージシャンであるフィル・オクスと人気のカナダ人バンドのチリワックの出演も決まりました。

そして1970年10月、この伝説のチャリティーコンサートにより1万7000ドルが集まり、核実験を止めるという思いを実現するための寄付が集まったのです。


グリーンピースは、今でも多くの国でアーティストの方と共に、環境問題を訴え続けています。

2016年には、北極を救うためのキャンペーン「Save the Arctic」に賛同したイタリアを代表する作曲家でピアニストのルドヴィコ・エイナウディさんさんが「北極のためのエレジー / Elegy for the Arctic」を作曲し、北極海に浮かんだ舞台の上で演奏をしました。
ぜひイヤフォンで聞いてください。静寂の中、氷の溶ける音や自然の音が生々しくそして静かに響いてきます。


1992年には、アイルランドのロックバンドU2が、イギリスのセラフィールドにある核燃料の再処理工場で、グリーンピースの原発反対の抗議活動に参加してくれました。

Irish rock band U2 joins Greenpeace protest against the new THORP nuclear plant due to open in 1992.

つい先日の9月5日には、31人のブラジル人アーティストによる「Song for the Amazon」がリリースされました。熱帯雨林の保護、生物多様性、先住民の権利、そして地球の気候に対する脅威を表現しているそうです。

10分30秒と少し長く感じるかもしれませんが、考えてみてください、10分30秒の間にもアマゾンの森では1万5000本の木が伐採されているのです。


このように、グリーンピースは、アフリカ、アジア、南アメリカ、北アメリカ、そしてヨーロッパなど世界55の国と地域で、アーティストの方と一緒に、環境保護のために活動を続けています。

Ahmad Afandi a.k.a Andi Babas (left) and Faried M Badjeber, members of the Indonesian rock group ‘Boomerang’, bear witness to forest fires and haze in Palangka Raya, Central Kalimantan province. Greenpeace urges Indonesian government to stop the current forests and peatlands destruction. The fires are a threat to the health of millions. Smoke from landscape fires weakens newborn babies and kills an estimated 110,000 people every year across Southeast Asia, mostly as a result of heart and lung problems.
Dancers and musicians perform at a welcome ceremony for the Esperanza in the port of Boma, DRC.


50年の歴史を経て、グリーンピースは環境保護を最優先に考える国際的な組織となりました。

本部はオランダ・アムステルダムにあり、政府や企業から資金援助を受けず、個人からのご寄付で成り立っています。

科学的根拠に基づいた確度の高い提案と、徹底した現場主義を軸に、「行動するNGO」として環境への想いを同じにする日本中の人々と共に、気候変動に脅かされることのない多様で平和な未来をこれからも、目指していきます。

<グリーンピース設立50周年記念コンテンツ>
・ブログ: グリーンピースは、50周年を迎えます。
・サイト: 「グリーンピース・ジャパンNEXT 100 PROJECT」始動
・動画:グリーンピース設立50周年記念ビデオ
・ブログ:グリーンピースと共に歩んだ音楽
・イベント:50周年記念オンラインイベント開催(終了)
・動画:世界各国の著名人からのメッセージ動画「歩み続けます」
・ブログ:設立50周年記念コラム_無限の成長の終わり