週末は自然の癒しを求めて山にいます。広報担当の土屋です。
今日は自然やアウトドア好きな皆さんとシェアしたい、とてもうれしいお知らせがあります!
ついに!アウトドア製品のリーダー企業が環境に影響のある有害化学物質(PFCs)廃止を宣言
日本でも、GORE-TEX®(ゴアテックス)と書かれたアウトドア製品、よく目にしますよね?そのメーカーであるゴア社は、ノースフェイスやマムートといった有名ブランドにも防水加工の素材を供給しています。
そのゴア社が今日、ヨーロッパ最大のアウトドア製品の展示会にて「PFCs(フッ素化合物)という有害化学物質の使用廃止」を宣言しました。
写真:中国の山で、雪と水のサンプルを採取するグリーンピースのチーム
そもそもPFCsってなにが悪いの?
PFCsはフッ素化合物で、主に衣類の防水・はっ水加工に使用される物質です。PFCsは環境に蓄積することから、問題視されています。
グリーンピースがPFCsを使用した製品を販売しているアウトドアショップの空気を採取し検査したところ、PFCsが検出されました。(詳しくは英語のレポートをご確認ください)
これまで多くの研究結果から、一部のPFCsの中では、環境だけではなく、生きものの体内に蓄積し、さまざまな機能に悪影響をもたらすことが明らかになってきました。
生きものの生殖能力の阻害、腫瘍の拡張、ホルモンシステムに影響を与えることなどから、有害とされています。
写真:ホッキョクグマの家族
一部のPFCsは、山や湖といった環境中に蓄積するだけでなく、北極のホッキョクグマの内臓や、ひとの血液内にも蓄積されているのが見つかっています。グリーンピースでも継続的に、山や河川で有害化学物質の調査を行っています。
悪天候にも耐えられるアウトドア製品を着て大自然に出かけることが、自然やそこで暮らす生きものたちの暮らしを脅かすことにつながっていたのです。
写真:スイスの湖でも雪と水のサンプルを採取
自然を守りたいという人々の声が大企業を動かした!
グリーンピースは、スポーツ・衣類のブランドに、遅くとも2020年までに有害化学物質の使用・排出をゼロにするよう、「デトックス・キャンペーン」という活動を2011年3月に始めました。
これまでに日本企業のユニクロを含む、世界中の34ブランドがPFCsを全廃する期日を明言しています(2016年時点)。
2015年のグリーンピースの調査で、ほとんど大手のアウトドアブランドが製品を作る過程でPFCsの使用を認めていました。しかし、これまで大きな進展はみられませんでした。
今回、何万という自然を愛する人々の声が、ゴア社の方針転換を後押ししたのです。
写真:ノースフェイスに有害化学物質の使用をやめるよう求める人々。寒そうです!
ゴア社が約束したロードマップはこちらです。
より環境に優しい耐候性・防水技術を開発することで、
・2020年までに、全製品の85%にあたるアウトドア製品からPFCsを除外
・2023年までに、残りの15%にあたる特殊な防水製品からPFCsを除外
より詳しく、ゴア社のプレスリリースからも確認できます。
どんな悪天候にも耐えうる防水技術を牽引する、ゴア社。マーケットリーダーがエコな技術開発に乗り出すことで、これからアウトドア市場全体へポジティブな変革を与えてくれるでしょう!
※追記:2月9日に「そもそもPFCsってなにが悪いの?」の段落で、PFCsの影響について、「一部のPFCs」という表記に変更しました。
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