【2023年6月】3分でわかる日本と世界の環境ニュース
この投稿を読むとわかること
環境月間だった6月、世界中で環境に思いをはせるさまざまなイベントが行われました。6月8日には世界海洋デーがあり、海のニュースが盛りだくさんです。2023年6月の世界と日本の環境ニュースをお届けします。
▼この記事を読むとわかること > 日本:トヨタ株主総会で2030年までのEVへのシフトを呼びかける > グローバル:海を守るための国際条約がついに締結される > グローバル:深海採掘に反対! 世界各地でのアクション > スイス:市民の意志による気候保護法可決 > 気候活動はすべての人の権利のために |
日本:トヨタ株主総会で2030年までのEVへのシフトを呼びかける
6月14日に愛知県豊田市の本社で、トヨタ自動車の株主総会が開催されました。トヨタの株を最小単位で購入しているグリーンピース・ジャパンも株主として総会に参加し、地球を破滅的な温暖化への道筋から軌道修正させるために必要な目標値、2030年までのEV自動車へのシフトを呼びかけました。
グリーンピースのメンバーは、東京の事務局からの道のりの一部、静岡県から愛知県豊田市までをEV自動車でドライブ。株主やメディアが多く行き交う会場前で、地球環境の未来を好転させるための勇気ある決断をトヨタに求めメッセージバナーを掲げました。
グローバル:海を守るための国際条約が締結される
海洋保護条約がついに締結されました。2023年3月4日に国連で合意に至った条約が、法的な精査プロセスを経て正式に採択され、公海上の海洋生物の保護に焦点を当てた法的拘束力を持つ国際条約となります*。
グリーンピースは、海洋保護条約を実現させるために、サポーターとともに多岐にわたる活動を世界中で行ってきました。その大きな成果として、海洋保護条約が海と海のいきものを守るために効力を発揮しようとしています。現在は世界の海の1%にしか満たない海洋保護区を30%へと大きく広げることを目指し、グリーンピースは今後もアクションを続けます。
グローバル:深海採掘に反対! 世界各地でのアクション
海のニュースが続きます。いのちのゆりかごである海の中でも、深海は生物多様性の宝庫です。5月には、鉱物資源事業を手がける企業の開発予定地とされていたクラリオン・クリッパートン地帯で5,000種以上もの新種の深海生物が発見されました*。
グリーンピースは資源開発のための深海採掘に反対し、6月8日の世界海洋デーに世界各地でアクションを行いました。深海は、世界最大かつもっとも壊れやすい生態系の1つです。その生態系はひとたび破壊されてしまえば、二度ともとには戻らない可能性があるものです。グリーンピースは破壊的な採掘産業の立ち上げを阻止し、深海を採掘から守るために活動しています。
スイス:市民の意志による気候保護法可決
6月18日、スイスで行われた国民投票によって、気候保護を目的とした「気候保護法」が有権者の59.07%の賛成票を得て可決されました*。グリーンピース・スイスは「ゼロ・エミッション(環境に悪影響のある排出をゼロにすること)」についての議論がまだほとんど行われていなかった2017年頃から、温室効果ガス排出を実質ゼロにするための法整備を目指して政府に戦略的な働きかけを行ってきました。
スイスでは、国民によって憲法の改正提案を行うために有権者10万人以上の賛同が必要です。グリーンピースは国民発議「氷河イニシアチブ」を計画、市民団体と協力し、最終的に約11万2,000の署名に自治体の認証を得て、化石燃料の使用禁止など野心的な法案を求めました。可決された「気候保護法」は化石燃料の使用禁止を含みませんが、結果として、2050年までの温室効果ガス排出ゼロに整合するエネルギー消費削減がスイス憲法に盛り込まれるという大きな前進が達成されました。
気候活動はすべての人の権利のために
6月はLGBTQの権利のためのプライド月間でもありました。健康的で清潔な環境は基本的な人権として保障されるものであり、気候正義(気候における責任の公平な分担)はマイノリティのための公平さの不可欠な要素です。
気候のためのアクションは誰か一部の人のために行われるものではありません。環境にまつわる権利、すべての人のための正義は本質的につながっています。平和で緑あふれる世界のための勇気は、世界中すべての人のための大きな一歩です。
美しい地球のためのアクション、活動を支援する
続けて読む
▶︎トヨタにさらなるEV転換加速を期待ーーグリーンピース、株主総会に合わせ本社前でアピール