私たちのプラスチックごみにはもう行き場がない
「マレーシア国民も他国の人々と同じように、きれいな空気、きれいな水、健全なる環境の中で生きる権利を持っている。決して世界のごみ捨て場にはならない」
マレーシアの環境相ヨー・ビーイン氏が語った言葉です。プラスチックごみ輸入国からプラスチックごみを輸出する、先進諸国に対しての切実な訴えとなり響きました。
日本やアメリカからマレーシアに不法輸入されたプラスチックごみ3000トンを送り返す。*1
先週の火曜日、マレーシア政府から発表されたこのニュースをご覧になった方もいるかと思います。
私たちは以前、マレーシアに輸入されたプラスチックごみの行く末を調査して「行き場を失うプラスチック “マレーシア・ショックが来る日”」と題した記事を出していましたが、早くもそれが実現してしまったのです。
暮らしの中で溢れかえっている、ペットボトルをはじめとした使い捨てプラスチック。
「ペットボトルやプラスチックのラベルを分けてごみ箱に捨てれば、きちんとリサイクルされている」私も、以前はそう思っていました。
しかしリサイクルは、神話だったのです。
2018年に中国がプラスチックごみの受け入れを禁止してから、プラスチックごみの受け入れ先は、マレーシアやフィリピンへ移り、今はインドネシアやトルコ、インドです。こうしてプラスチックごみとともに、環境汚染や健康被害をたらい回しにし続けていいのでしょうか。
詳しくは:なぜプラスチック汚染は人権問題なのか

日本は世界第2位のプラスチック輸出大国
今回グリーンピースの調査で、日本はアメリカに次いで世界第2位のプラスチックごみ輸出大国であることが明らかになりました。 2018年1月から11月までに、プラスチックごみ排出上位21カ国から輸出された量は、合計約580万トン。そのうち、アメリカが世界第1位となる16.5%を輸出し、日本は15.3%で、ごみの量に換算すると約89万トンものプラスチックごみを輸出している計算になります。*2
東京都三鷹市のゴミ処理施設 2018年 (C)Greenpeace
私たちのプラスチックごみが誰かの水と空気を汚している
世界焼却反対連盟(GAIA)による現地調査では、プラスチックごみを受け入れている地域で、プラスチックごみが野焼きされたり、空き地に放置されていることも判明しています。野焼きで有害物質が発生し、地域の人々の健康に影響したり、生活用水が汚染されたりしていることが、明らかになっています。*3

私たちはあなたのゴミ捨て場でない!と訴えるフィリピン市民