アゼルバイジャン・バクーで開催されている国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)で11月13日、グリーンピースなど気候変動に取り組むNGOでつくる「気候アクションネットワーク(CAN)」が記者会見を開き、トランプ政権が決まったことを踏まえて、G6諸国に対してこれまで以上に気候変動対策にむけた国際協調に取り組むことを求めました。発表者の一人で、グリーンピース・ジャパン シニア政策渉外担当の小池宏隆の発表のポイントは次の通りです。

  • 昨日、さいたま市長がゼロ・エミッション車を推進するAccelerating to Zero連合に加盟した(注)。これは、EVシフトに強く抵抗する産業界を抱える日本にとって、大きなニュースだ。
  • このように日本全国で、地域社会や地域のリーダーたちはすでに先駆的な変化を起こしている。地球温暖化を抑制し、輸入化石燃料への依存を減らし、強靭な社会を構築することは、日本の最善の利益である。
  • 日本の今後のNDC(各国の排出削減目標)は、この野心を反映したものでなければならず、世界平均の削減目標を上回る必要がある。これは、IPCCが推奨する2035年までの60%削減(2019年比)を上回ることを意味する。2013年比では、最低でも66%の削減を約束し、(国際環境シンクタンクの)クライメート・アクション・トラッカーが推奨する78%を目指す必要がある。
  • 確実な緩和には、明確な化石燃料移行計画が必要だ。G7の主要経済国の中で唯一、石炭の段階的廃止戦略を持たない国として、この根本的な問題に取り組まなければ、日本の目標は信頼性に欠ける。日本は、化石燃料依存をアジア全域に拡大するだけの、アンモニア混焼のような誤った解決策の推進をやめるべきだ。
  • 先進国として、日本は多国間協力への信頼を回復する手助けをしなければならない。NCQG(新規合同数値目標)で有意義な成果を上げることが不可欠である。資源は存在するが、再分配が必要である。超富裕層や大公害企業への課税を実施することで、発展途上国のための重要な財政資金を確保することができる。
  • 日本政府は、ますます二極化する世界で必要とされている強力で前向きなリーダーシップを示すべきであり、COP29での野心的な資金合意と、完全で公正な化石燃料の段階的廃止が求められる。


以上