【INC5】プラ生産削減条約制定を求める公開書簡に世界350以上の企業が署名、日本企業も2社が賛同
国際環境NGOグリーンピース・インターナショナル(本部、アムステルダム)は、11月に韓国・釜山で開催されるプラスチック汚染対策に関する国際条約を議論する第5回政府間会合(INC5)に先立ち、プラスチック汚染連合(注1)、Break Free From Plastics(注2)と共同で、プラスチック生産を削減し、使い捨てプラスチックを段階的に廃止する野心的な条約を採択することを各国政府に求める公開書簡プロジェクト「Champions Of Change」を立ち上げました。ラッシュ(LUSH)やベン&ジェリーズをはじめとする世界350以上の企業が署名しており、日本からもリユース容器シェアリングサービスを展開するMegloo(株式会社カマン)、Circloop(株式会社Circloop)が賛同しています。
◾️Champions Of Change公開書簡の主な要望
- 気温上昇を1.5度に抑え、生物多様性を守る水準でプラスチック生産量を制限する
- 小袋などをはじめとする使い捨てプラスチックを段階的に廃止する
- 野心的なリユース目標を設定する
- プラスチック汚染の影響を最も受ける地域社会の権利を中心に据え、公正な移行を支援するアプローチ
公開書簡全文(英語)はこちら
公開書簡全文(日本語訳)はこちら
グリーンピースはINC-5に向けて、本公開書簡に署名している企業の声も基に、プラスチックの大幅な生産削減を実現する条約締結を目指して活動していきます。
ラッシュ本社グローバル・サステナビリティ・コマーシャル・リード、キャディ・ピンク氏
「美容業界が今年、主に化石燃料由来のプラスチックで作られた包装廃棄物を1200億個も排出すると予測されていることを考えると、今こそ行動を起こすべきです。プラスチック汚染の危機に対処するためには、プラスチック生産を削減する国際的な目標が必要です。容器包装の使用を削減または廃止する対策を取っている企業は、今後の社会において増えていくべきです」
新ヨーロッパ・リユース連合(NewERA) フェルナンド・ロドリゲス=マタ事務局長
「リユースシステムは、温室効果ガス排出量や資源消費量の削減に重要な役割を果たします。プラスチック生産に上限を設け、使い捨てプラスチック製品を廃止することは、リユース拡大のために必要なステップですが、明確で強固な経済的インセンティブの設定もまた、循環的で資源効率の高い経済を実現するために重要です。企業は、地球の境界と人間の健康を尊重し、気温上昇を1.5度に抑える世界共通の目標と期限を定め、セクターを越えて適用できる合意を実現することを求めています」
グリーンピース・アメリカ グローバル・プラスチックキャンペーンリード、グラハム・フォーブス
「先進的な考えを持つ世界中のブランドや企業が、プラスチックはビジネス上のリスクであり、プラスチックからの移行は必然かつビジネスチャンスであると認識しています。世界が前進するなか、さらに多くの企業が立ち上がっています。多くの企業がいま、プラスチック生産量を削減し、使い捨てプラスチックをなくすという人々の要求に賛同しています」
(注1)プラスチック汚染のない世界実現のために活動する非営利組織。https://www.plasticpollutioncoalition.org/
(注2)国際的な脱プラスチックネットワーク。https://www.breakfreefromplastic.org/
以上