国際環境NGOグリーンピース・インターナショナル(本部・アムステルダム)は5月21日、プラスチック製スパウトパウチ(注1)に入っているベビーフード商品に潜むリスクに関する報告書『Tiny Plastics, Big Problem: The Hidden Risks of Plastic Pouches for Baby Food』を発表しました。本報告書は、グリーンピースがノルウェーの海洋技術開発機関・SINTEFオーシャンに委託して行った調査で、プラスチック製スパウトパウチで販売されている食品・飲料大手ダノンの「Happy Baby Organics」フルーツピューレおよびネスレの「Gerber」ヨーグルトピューレを検証したものです。調査の結果、双方のベビーフードからマイクロプラスチックやプラスチックに関連する化学物質が検出されました。成長過程にある赤ちゃんの身体や臓器は化学物質の影響を受けやすく、体重あたりの食事摂取量も多いため、こうした曝露に対して特に脆弱である可能性があります。

プラスチック容器包装が世界のプラスチック生産量の約40%を占めるなかで、注ぎ口の付いたプラスチック製パウチは、その利便性から世界で最も普及しているベビーフードの容器包装であり、2031年までに年率8.18%で成長することが予測されています。容積ベースでも、2025年のベビーフードの世界市場で37.15%を占めており、従来のガラス瓶を含むその他容器包装の成長を上回っています。一方で、スパウトパウチは小袋(サシェ)などと同様、リサイクルが極めて困難であることで知られる多重容器包装(注2)であり、一部の地域では主要なプラスチック汚染源となっています。

>>報告書全文(英語)はこちら

>>報告書要旨(日本語)はこちら

<主なポイント>

  • 食品1グラムあたり平均で、ダノンのHappy Baby Organicsフルーツピューレからは最大99個、ネスレのGerberヨーグルトピューレからは最大54個のマイクロプラスチック粒子が検出された。小さじ1杯あたりに換算すると、Happy Baby Organicsで最大495個、Gerberで最大270個のマイクロプラスチックが含まれている計算になる。
  • パウチ1個あたりの総数では、Happy Baby Organicsで11,000個以上、Gerberで5,000個以上のマイクロプラスチック粒子が含まれていると推定された。
  • 容器包装と食品の双方において、プラスチックに関連するさまざまな化学物質の存在が示唆されており、Gerberのサンプルからは内分泌攪乱物質の疑いがある物質も検出された。
  • パウチの内層に使用されているプラスチック素材のポリエチレンと、ベビーフードから検出された一部のマイクロプラスチックとの間に関連性があることが示唆された。

グリーンピース・アメリカ グローバル・プラスチック・キャンペーン・リード、グラハム・フォーブス

「今回の調査結果は、大手ブランドが子どもを最優先に考えていると信じる世界中の親たちを震撼させるものです。ネスレやダノンのようなプラスチック容器包装に依存する食品大手は、赤ちゃん向けに販売する製品からマイクロプラスチックや化学物質を排除するためにどんな対策をとっているのか、子どもを育てる家庭に対して明確に回答する必要があります。プラスチック汚染は環境を破壊するだけでなく、乳幼児期という人生の出発点から私たちの体内に入り込んでいます。人々の健康、特に子どもたちの健康を守るためには、プラスチックの生産を削減し、有害な化学物質を排除することが不可欠です。

グリーンピースは、ネスレ、ダノンを含むすべてのベビーフードメーカーに対し、幼い子どもたちを曝露のリスクにさらしていないことを証明するために、自社製品を至急調査することを強く求めます。あわせて、プラスチック包装を段階的に廃止し、無害でプラスチックを使わないリユース可能な代替品への移行を求めます」

以上

(注1)蓋付きの口栓が取り付けられたパウチ容器

(注2)容器包装が複数の素材や外装フィルムなど2重以上に重なっているものや、本体やキャップなど複数のパーツからなる容器包装を指す。