国際環境NGOグリーンピースは、北部大森林の一部を形成するカナダ北方に広がる森を破壊から守り、木材会社がサステナブルな林業に転換するよう活動を続けてきました。しかし、破壊的な伐採方法を続けるカナダの伐採企業レゾリュート社は、この活動を妨害するため巨額の損害賠償を求め、グリーンピースやスタンド・アースといった市民団体や個人にたいし訴訟を起こしました(注1)。
この訴訟は、一般市民の発言を押さえつけ、言論の自由を危険にさらす可能性があります。これに反対するため、100人以上の作家、ジャーナリスト、音楽家、漫画家、教授、詩人などの世界の文化人(注2)が言論の自由を支持し、森林保護のために声をあげるグリーンピースのキャンペーンに賛同しました。

賛同者には、米国、カナダ、英国、フランス、ベルギー、日本、メキシコ、インドネシア、オランダ、イタリア、ルーマニア、ドイツ、デンマークなどから、ノーベル賞受賞者J・M・クッツェー、作家兼コメディアンのスティーブン・フライ、ブッカー賞受賞者のマーガレット・アトウッド、ヤン・マーテル、そして、ミシェル・アレクサンダー、ヴァン・ジョーンズ、ナオミ・クラインなどが賛同しています。日本からは、音楽家の坂本龍一、作家の星川 淳、作家の本間龍、東京大学教授の安冨歩、漫画家の山田玲司、らが賛同しています。

<文化人、アーティストなどからのコメント (五十音順) >(注3)
坂本龍一 音楽家:
グリーンピースの言論の自由と森林を守るキャンペーンに賛同します。

星川淳 作家:
長年、環境保護と著述の両方に関わってきた者として、重大な森林破壊に反対する声を封じようとする今回のSLAPP訴訟は絶対に許せません。表現の自由を押し殺すことは、生きた地球を殺すことにつながります。私たちは自然の一部です!

本間龍 作家:
レゾリュート社と取引のある世界中の出版社が 各々の環境ポリシーに従い、同社に対し破壊的な森林の伐採と 言論への攻撃を直ちにやめるよう働き掛けることを、強く求めます。

安冨歩 東京大学教授:
不正義を感じたときにそれを表現することは、人間社会を成り立たせる基礎であり、脅迫目的の訴訟によってこの基盤を揺るがすことは、悪辣な反社会的行為であって、断じて許されません。

山田玲司 漫画家:
グリーンピースの「自由に発言できる世界」と「森や海が犠牲にならない世界」を作りたい、というシンプルな願いに、僕も賛成しています。

ナオミ・クライン 作家:
最も勇気あるNGOが犯罪組織であるかのごとく扱われる判例は、断じて受け入れられません。この混乱した社会をあるべき姿に戻さなくてはならない。カナダのレゾリュート社のグリーンピースに対するSLAPP訴訟は、必ず敗訴させなければいけません。

スティーヴン・フライ 作家:
言論の自由とは、自分の考えをはっきりと述べることで得られる満足感だけではありません。たとえ不快であっても人々が耳にすべき真実を伝えることでもあり、グリーンピースはこれまで、当局が隠しておきたがる事柄を明るみに出すことに大いに成功してきました。

グリーンピースは、国際的な出版社のペンギン・ランダムハウスや、ハーパーコリンズ、サイモン・アンド・シュスター、アシェットなどは、レゾリュート社から紙を購入しているとの報告が数多く寄せられていることから、これら世界的な出版社にもこの署名に参加して、言論の自由と森林を守るよう呼びかけています。(注4)

注1) グリーンピース・レポート(英語)
注2) 賛同した文化人一覧
注3) 日本人からのコメント全文
注4)署名「出版社のみなさん、一緒に森をまもってください」

<関連するページ>

https://e-activist.com/page/email?mid=c0617b0e29ce4e4889eb828516e4996a

2017-10-17 2017/10/17 米裁判所、レゾリュート社のグリーンピースに対する訴えを退ける