【ゼロエミッションを実現する会】地域の脱炭素は私たちの一歩から|2025年次報告

「このまま気候変動が進んだら心配……」
ゼロエミッションを実現する会(ゼロエミ)は、そんな思いを抱え、自分のまちで動き始めた人たちのコミュニティです。自治体の脱炭素を進めるためにグリーンピースが2021年に立ち上げ、北海道から九州まで15グループの活動を直接支援しています。
市民ができる活動と、2025年に仲間たちがもたらした成果をご紹介します。
「ゼロエミッションを実現する会」
地域の脱炭素を達成するため、自治体などに働きかけるコミュニティ。グリーンピースが事務局を運営し、日々の情報共有や相談会、セミナーなどを通じて市民の活動を支援しています。
最初の一歩
活動の仕方を見つける
まずは自治体の温暖化対策を調べ、「もっと進めてほしいこと」を見つけます。事務局では地域の仲間を紹介しチームづくりをサポートしていますが、もちろん一人での活動もしっかり応援します。神奈川県の3チームは他団体と合流し、いまやメンバー40人ほどの大所帯に。工務店など50社もの賛同も集め、県内での脱炭素住宅の普及に取り組んでいます。


地元民を巻き込む
勉強会やイベントを行う
温暖化の課題や解決策を学びながら、地域でのつながりを広げられるイベントの開催。市民主導の気候市民会議を開いた大阪府茨木市のチームは、提言をまとめて市長に手渡しました。東京都文京区のチームは専門家を招いた学習会をシリーズで開催し、YouTubeでも配信しています。

すがやさん(文京区)
「学習会に参加した国会議員や区議が後日、議会などで温暖化に言及するようになりました」

つーじーさん(茨木市)
「気候市民会議を開催したことで、近隣の市町村でもという声がたくさん上がっています!」
これぞ肝!
議員に声をかける
見知らぬ議員への電話をためらうのは最初だけ。参加者の多くは「もっと早くやっておけばよかった!」と口をそろえます。気候危機への不安や夏の暑さを伝えるだけでも、議員や行政は真摯に受けとめてくれる場合があるのです。国会議員との意見交換会を実現させた川崎市のチームは、街頭演説や国政報告会へ足を運び対話を続けたとのこと。交換会には環境省や国交省の職員も同席し、福祉・公共施設の断熱化を直接訴えることができました。
投票だけじゃない
選挙前のアクション
意外に効果的なのが、選挙の立候補者に気候変動対策についてたずねること。住民の1票がかかっていれば、耳を傾けてくれます。事務局では、選挙のたびに市民ができることをオンラインイベントやSNSで呼びかけ、選挙後も次回に活かすために学びを共有し合います。

ももこさん(東京・江戸川区)
「知識、お金、時間がない私は、出勤ついでに議員に話しかけました。議員のリアクションに勇気をもらったことも」


中の人になる
審議会の委員になる
自治体の公募委員になると、行政の内部からまちづくりに関われます。計画の策定段階から議論に加わることで、市民のアイデアが公式文書に採用される可能性が高まり、行政や専門家とのネットワークも広がります。
2025年ゼロエミ参加者を公募委員に選出した自治体
- 兵庫県(環境審議会)
- 神奈川県大磯町(環境審議会)
- 埼玉県小川町(総合振興計画審議会)
政策に物申す
要望を提出する
市民は「陳情・請願」を通じて、地方議会へ直接政策を要望できます。仕事や子育てで忙しい参加者たちは、仲間の成功事例をモデルにしながら効率的に書類を準備します。議決権をもつ議員(ときに行政担当者も)との対話も重ね、採択へと導いてきました。採択後も施策が実現されるまで、参加者たちは行政や議会と関わりを続けています。
2025年に採択された請願・陳情
- 神奈川県愛川町:ゼロカーボンシティ宣言を表明
- 東京都昭島市:気候変動対策の強化
- 茨城県牛久市:再エネ促進区域の設定
- 京都府大山崎町:公共施設の再エネ切り替え
暮らしと気候を守る脱炭素に挑む 先進自治体を表彰!

温暖化の課題に取り組む自治体を称え、先進事例として紹介する新しい試みを始めました。「市民が選ぶ!カーボンゼローカル大賞」の創設を提案し、協力NGOを募って実行委員会を発足。10月下旬に第1回表彰式を開催しました。市民から推薦された「暮らしの向上と脱炭素を両立する自治体」のうち、4部門で7自治体を選出しました。
【パートナーシップ賞】には官民連携に優れる熊本県球磨村など3自治体、【市民実感賞】には世田谷区の学校での暑熱対策、【審査員特別賞】には黒潮町の防災との一体化が選ばれ、最高賞の【突破力賞】は独自のルールを設計した鳥取県と東京都が受賞。受賞内容は朝日新聞にも大きく掲載されました。