【Global Campaign】グリーンの輪は国境を越えて|2025年次報告
この投稿を読むとわかること
グリーンピースの活動は、世界で300万人を超えるサポーターによって支えられています。
2025年は、気候危機から地球環境を守るための活動を大きく展開。社会の仕組みから変えていく数々の成果を、皆さまのご支援で実現することができました。

1. 海洋保護の新時代へ─世界中の公海を守る国際協定が成立
海の約6割を占める公海は、乱獲や開発のリスクにさらされ、保護海域はわずか1%に留まります。日本を含む60カ国が加入したことで「国連公海等生物多様性(BBNJ)協定」が発効。公海に保護区を設ける法的枠組みが、ついに成立しました。海洋条約の必要性を20年にわたり訴えてきたグリーンピースは、2030年までに海の30%を保全する国際目標「30×30」の実現に向け、活動をさらに加速させます。

2. フランス─石油大手のグリーンウォッシュに違法判決
パリの裁判所は、石油大手トタルエナジーズの宣伝が消費者の誤解を招くと判決を下しました。「2050年までにカーボンニュートラル」などを掲げながら、実態は石油・ガスの新規開発を続けている石油大手のネットゼロ主張を、「グリーンウォッシュ」と認めた世界初の判決です。提訴したグリーンピースを含む環境団体の法的勝利は、消費者を欺き、気候対策を遅らせる化石燃料企業の責任を問う重要な一歩となりました。

3. ウクライナ─再エネ「グリーン復興」と核災害の防止
戦火で損壊したインフラを再エネで再建すべく、各地で支援を展開しました。被害の激しい北東部では、地熱、ヒートポンプ、太陽光を組み合わせた国内初の暖房システムを集合住宅に導入。病院への太陽光パネル設置は計13施設に達しました。一方、占領下のザポリージャ原発では衛星画像分析等により、ロシアによる不法な送電線建設や再稼働計画の危険性を告発。核災害を防ぐため、国際社会へ警鐘を鳴らし続けています。

4. インドネシア─「最後の楽園」でニッケル採掘を停止
世界屈指の生物多様性を誇るラジャ・アンパット諸島では、ニッケル採掘による土砂流出が、サンゴ礁など海の生態系に深刻な被害をもたらしています。グリーンピースは、EV需要で急増する採掘の実態を調査で告発し、先住民とともに大規模アクションを展開。政府は操業中の採掘免許4件の取り消しを余儀なくされました。最大の鉱山はいまだ免許を取り消されていないものの、長年続いた破壊に歯止めをかけました。

5. 太平洋諸島─気候正義をもたらす歴史的な判断
海面上昇で存亡の危機にある太平洋諸島。バヌアツなどの法学生27人が、6年間にわたって主導した運動が実を結び、国際司法裁判所(ICJ)が画期的な勧告的意見を公表しました。すべての国に気候保護の義務があり、化石燃料の生産や補助金が国際法違反になり得ると明示。「気候正義」の転換点をもたらしました。グリーンピースは調査航海で集めた地域住民の証言をICJへ提出し、この歴史的な判断を後押ししました。

6. 国際プラスチック条約─プラ生産による大気汚染を各国で調査
プラスチックの生産が、世界各地で深刻な大気汚染を引き起こしています。北米・アジア・欧州の11カ国で調査したところ、プラスチック原料を製造する石油化学プラントの10km圏内に住む5,100万人以上が、有害物質による健康リスクにさらされている実態が明らかになりました。国際プラスチック条約の締結に向け、プラ生産量を2040年までに75%削減することを各国政府に強く求めています。

7. ブラジル─アマゾン破壊を資金源から絶つ
アマゾン熱帯雨林の破壊を招く農業融資に、変化が起きました。最大手の政府系ブラジル銀行が、融資基準の厳格化を発表。違法農場リストの参照義務化や、不法な森林破壊に関わる農場への融資停止などが盛り込まれました。グリーンピースは衛星画像と融資データを照合し、公的資金が不法な森林破壊を支える実態を調査レポートで告発。国内外でのアクションとあわせ、破壊を助長する金融の仕組みに風穴を開けました。
