ファッションでより良い世界はつくれる
この投稿を読むとわかること
7年前、私たちは「デトックス・マイ・ファッション」(Detox My Fashion)というキャンペーンを世界の衣料品ブランドに対してはじめました。衣料品の生産に使用された有害化学物質で、河川や海が汚染されることを止めるのが目的です。
テキスタイル産業の中心地である中国杭州市の川で行われたフォトアクション。2012年10月
初めはそんなこと不可能だといわれた
キャンペーンをはじめた当初、ブランドの中には、「自社のサプライチェーンで、どの会社が服を生産しているかさえ分からず、衣料品のデトックスなんて不可能」というブランドもありました。
けれども7年経った今、それは誤りだったといえます。
現在、デトックス宣言をした80社ものブランドは、2020年までにすべての有害化学物質をサプライチェーンから排除するための準備が整いつつあります。これらの企業は、世界中の衣料品生産の15%を占めています。
変化を信じ続け、行動すること
私たち世界中の市民は、衣料品業界のデトックスは可能だと信じ、行動し続けました。ファッションブランドに環境汚染を止めるように頼んだり、署名したり、店頭やソーシャルメディアを通じてアピールしたり、多くの人が、環境への影響と服の生産方法を気にかけていることを伝えました。
Zara、Adidas、Tescoのような業界のリーダーは、服の生産に責任を負っています。 彼らは工場からの排水を検査し、その結果を公表し、有害化学物質をより良い代替品に替え、そして中国、メキシコ、インドネシアなどの国々にいる労働者との関係を構築しています。 これは水路をきれいにしただけでなく、その工場で働いている人々や近くに住む人々の生活を改善しました。
有害物質を含んだ工業汚染水が垂れ流されていた川。2013年3月
ファッション業界で透明性の革命がおきている
Fashion RevolutionやChanging Markets のようなNGOは、工場の労働条件やより持続可能な素材を要求することで、ファッション業界にとって変化をおこしました。ファッション業界はもう、後戻りできません。
しかし、やるべきことはまだあります。オンラインショッピングが増えるにつれ、ファストファッションはさらに発展しつつあります。企業は、ますます安価な服を生産し続けています。 地球温暖化が進行し、廃棄物の山が増えており、化学合成衣類からのマイクロファイバー(極細繊維)等のマイクロプラスチックによる汚染が海洋に広がっています。これらを止めないといけません。
より良い未来のためにできる、暮らしのコツ
- 服を買う回数を減らす
- 服を修理する
- 着なくなった服は、アップサイクルする(元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すこと)
- 友人やコミュニティと服をシェアする
- MAKE SMTHNGキャンペーンで、手作りの方法を学ぶ。(インスタをフォロー)
デトックス宣言ブランドの進捗について、詳しくは新しいレポート 「Destination Zero – 衣料品業界デトックスの7年間」(英語版:“Destination Zero – Seven Years of Detoxing the Clothing Industry”)をご覧ください。
使い捨て社会を卒業して、循環型社会へ
ファッションも暮らしも、気に入ったものを大切に長く愛用したいという人が増えています。使い捨てプラスチックは、ものによっては数秒使われただけで捨てられてしまう、使い捨て文化の象徴。プラスチックでいっぱいになってしまった海は、一人ひとりがリユースカップやエコバッグなどで努力するだけでは、プラスチック汚染の危機を脱することができないと物語っています。企業や政府が、使い捨てプラスチックを規制して、一緒にプラスチック汚染を立ち向かってもらえるよう、あなたも声をあげてください!